「グルメ」なリロの食事にご注目 寝るときはバンザイも
ラッコ飼育員便り②
食事は1日5回
国内で公開されているラッコは3匹になりましたが、「マリンワールド海の中道」のリロ(雄、14歳)は元気いっぱいです。ラッコは寒い北の海で暮らしています。しかし皮下脂肪がほとんどなく、その代わりにとてもたくさんの餌を食べて熱をつくりだします。だから水温10度程度のプールでも体温を維持できるのです。リロは体重32キロほどですが、1日5回食事をします。合計でなんと6・5キロも食べるんですよ。好物はスルメイカやウチムラサキガイ、ホタテですね。他のラッコは魚も食べていたのですが、リロは一切口にしません。当館に来る前、アドベンチャーワールド(和歌山県)で過ごした幼獣の時、魚を食べる習慣がなく育ったんでしょうね。
ちなみに、当館にはショープールにコビレゴンドウクジラのユキがいます。こちらはサバやイカを好んで食べます。体長4メートル、体重は600キロ。食べる量は10キロ以上と非常に多いですが、食費はリロとほぼ一緒です。リロのグルメ具合が分かります。たまたま好物が人間の世界では高価なものだったわけですけどね。
お昼の食事時には、スタッフとハイタッチをしたり、くるくる回ったりする芸もしますので、リロの豪快な食事時間にも注目してみてください。
食事の後は、毛繕いをしたり、大好きなコーン標識で遊んだり、昼寝をしたりして過ごしています。夜は日にもよりますが、午後6時ごろには寝ます。寝ているときはバンザイ、合掌、前足を両頰に当てるポーズをすることがあります。どうしてこうした格好をすると思いますか? ラッコは体全体が7億~8億本の毛で覆われているのですが、前足の毛は比較的薄く、肉球が水に漬かっていると熱が逃げてしまうからなんです。ライブカメラで注目していたら、愛らしい寝姿を確認できるかもしれませんよ。
(マリンワールド海の中道・海洋動物課主任 濱野真さん)
西日本新聞meアプリのライブカメラで、リロの様子を配信しています(午前9時~午後6時)。アプリのインストールはこちら
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