藤沢市教育委員会は15日、市立湘南台中学校の英語担当の40代女性教諭(臨時的任用職員)が、会員制交流サイト(SNS)を通じて3年の生徒3人に後期中間試験の英語科の問題と解答の一部を事前に伝えていた、と発表した。市教委は、教職員が生徒とSNSで私的なやりとりをすること自体禁止している。今後、女性教諭を任用した県教育委員会が改めて詳細な調査を行い、処分を検討する。
市教委によると、女性教諭は5日に実施された英語試験直前の3、4の両日、100点満点中50点分の問題と解答を撮影し、写真共有アプリ「インスタグラム」のダイレクトメッセージ機能を使って生徒3人に送信。8日に行われた英語リスニングテストの実施前にも同じ生徒に問題と解答を写真で送った。
これらの問題と解答はSNSを通じて3人以外の生徒にも拡散。試験後に複数の生徒が別の教諭に伝えたことから、試験問題の漏えいが発覚した。
同校が10日、女性教諭と生徒への聞き取りを行い、市教委に報告した。女性教諭は、1年生の頃から担当している生徒に良い成績を取ってほしかったとの趣旨の話をしているという。
同校は15日、臨時保護者説明会を開催。16日に再試験を実施する。市教委の岩本将宏教育長は「決して起こってはならない事案で、学校教育の信頼を失う重大な行為と受け止めている。改めて全教職員に対し指導を徹底し、再発防止と信頼回復に努める」としている。(宮崎 功一)
2021年 11月 15日 (月)