DIO本社が業務休止 被災地でコールセンター運営
東日本大震災の被災地などでコールセンターを運営する「DIOジャパン」が実質上の本社機能のある東京や松山市の事務所を閉め、両拠点の業務を休止していることが31日、分かった。DIO側には連絡がつかない状態で、コールセンターが進出している自治体の間で混乱が広がっている。
東京商工リサーチによると、登記上の本店のある松山市の事務所は31日、営業や応対をしていない状況にある。「本日お休みです」との張り紙が掲示された。東京本社も同日から業務を休止しているという。
DIOは、東日本大震災や大企業のリストラに伴う国の雇用創出事業を活用して、被災地を中心にコールセンターを開設。国や自治体の支援を受けたのに、給与の未払いや施設の閉鎖が相次ぎ、問題となっていた。
厚生労働省が7月15日に発表した調査では、DIOが自治体を通じて受け取った事業委託費は42億8600万円だったが、未払い給与は7320万円に達した。
東京商工リサーチによると、DIOの2011年3月期の売上高は4億円だったが、13年3月期は10億円に成長していた。
DIOは岩手県や秋田県などでコールセンターを運営。オペレーターの人材育成や地場産品の営業販売を手掛けると説明していた。〔共同〕