11103きくちゆうき控訴審
https://youtu.be/S5rcmcg8rkY
令和3年ネ3017
控訴人 菊地祐紀
被控訴人 ㈱NTTぷらら
主文
控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人は、控訴人に対し、原判決別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。
第2 事案の概要
略
第3 当裁判所の判断
1 当裁判所も、控訴人の請求は理由がないと判断する。その理由は、次のとおりである。
2 認定事実
(1) 前提事実、後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。
ア 関係者
関係人は、ツイッター上に「きくちゆうき」名義のアカウントを開設して、漫画家、イラストレーターとして活動しており、同アカウントには令和3年1月27日時点で121.6万人のフォロワーがいる。(甲1、10)
本件発信者は、氏名不詳の者であるが、ツイッターの「カイくん」名義のアカウントから、令和2年4月8日、同月9日及び同年5月4日に、多数のアカウントに対し、からかうような又はけなすようなツイートを投稿しているものの、これらはいずれも単発的なものであって、その後上の各アカウントに対して更に何らかの投稿をしているわけではない。(甲5、15の1から6)
イ 本件漫画
控訴人は「きくゆうき」名義の上記アカウントから、令和元年12月12日午後10時39分に「100日後に死ぬワニ」という連載漫画(本件漫画)をツイッターに公開した。毎日公開された本件漫画の下部には、それそれ「死ぬまであと●日」という「死まで」の残日数がカウントダウン形式で記載され、最終回(100日目)の漫画には、ワニの死を暗示させるような効果を伴う印象的な場面で終わっている。本件漫画は、ツイッター等を通じて日を追うごとに話題となり、令和2年3月20日午後7時20分に公開された最終回(100日目)では、同年6月8日の時点で76.1万のリツイートと216.5万の「いいね」がされるほとの反響となった。(甲2、14)
本件漫画やその書籍化について触れたウエブサイトにおいては、本件漫画について、自分が命を失うことを知らないワニが普通の日を過ごし、最終的に他界してしまう話であり、1日1話がツイッターて公開されていく連載漫画で、作者である控訴人が自身の経験を踏まえて描くストーリーとなっている旨紹介がされている。(甲3)
ウ 本件漫画に係るコラボ展開
控訴人は、本件漫画に関連して、さまざまなマルチメディア展開を企画しており、その中には、キャラクターの魅力を生かした100日ワニカフェのオープンや、UFOキャッチャーのグッズ作成等の試み等があった。そうした中、本件漫画の書籍化や映画化等のメディアミックス(本件漫画から派生した商品を複数のメディアを通じて多数製作すること)が決定し、これを、令和2年3月20日の本件漫画の最終回が公開された直後にインタネットで大々的に発表したところ、本件漫画の読者たちが最終回の余韻に浸る間もなく書籍化等の発表をしたことで、多くの人たちから猛烈な非難の声があがったばかりか、本件漫画には、➀大手広告会社である電通が関係しているのではないかとの疑惑があり、②クラウドソーシングサイトで控訴人に関する記事作成の募集があったこと、同一の宣伝投稿をするアカウントが大量にあったことから、ステルスマーケティング(消費者に対し、広告であることを隠して、商品を宣伝したり商品に対する口コミを発信したりする行為)ではないかとの疑惑があるとの指摘がされるようになった。
このように、本件漫画については、コラボ展開についての批判や疑惑の指摘があったものの、同年4月、書籍が販売されることになった。(甲3、17~20)
エ 本件発信者の投稿
控訴人は、令和2年4月8日、「本件漫画の書籍が発売されたので、見かけることがあれば手に取ってほしい」旨の本件ツイートをしたのに対し、本件発信者は、同日午後9時28分、「お前もコロナで死ね」との本件投稿をした。もっとも、本件投稿は、これだけの単発の投稿であって、本件投稿中に特段その根拠を示しておらず、本件発信者の意見乃至感想としてツイートをしたに過ぎないものであった。(甲5)
また、控訴人は、本件ツイートに先立つ同月7日、ジョイフル本田瑞穂店に行き、打合せをしてきた旨のツイートをしているところ、本件発信者は、これに対して、翌8日午前2時37分、「電通定期」との投稿をした。(甲16)
(2) ア これに対し控訴人は、本件発信者が、控訴人以外の複数人に対しても、様々な侮辱行為を行っており、お前「も」コロナで死ねという記載は、控訴人及びこれら侮辱行為の対象となった第三者に向けて発せられたものであると推認できるなどと主張する。
本件発信者が、令和2年4月8日、本件投稿及び「電通定期」との投稿をしたとことは、認定事実(1)エのとおりであるが、本件発信者が、本件投稿の前後に、控訴人について上記以外に何らかの投稿をしたと認めるに足りる証拠はない。また、認定事実(1)アによれば、本件発信者が、令和2年4月8日、同9日及び同年5月4日、「カイくん」名義のアカウントに対してからかうような又はけなすようなツイートを投稿したことが認められるものの、他方、これらはいずれも単発的なものであることも認められ、その後上記の多数アカウントに対して更に何らかの投稿をしたと認めるに足りる証拠はない。
したがって、本件投稿が、控訴人及び上記の侮辱行為の対象となった第三者に対して発せられたものであると断ずることはできない。
イ また、控訴人は、本件発信者が「電通定期」との投稿を行っており、これ自体は侮辱行為には当たらないものの、控訴人に対する強固な加害の意図をもって投稿していることを推認させるなどと主張する。
しかし、本件発信者が、前記(1)ウのコラボ展開についての批判や疑惑の指摘と何らかの関係があると認めるに足りる証拠は全くない。また、本件投稿を受けて、控訴人に対する批判のツイートが殺到したと認めるに足りる証拠はなく、かえって、甲5及び弁論の全趣旨によれば、本件投稿に対しては何らかの明確かつ特徴的な反応はなかったものと認められる。さらに、本件投稿に先立つ令和2年4月3日、ツイッター上に、ユーザー名「生産報告マン」、「@wakameproduct」のアカウントから、氏名不詳者により「しねよはやく」とのコメントが投稿されたことが認められるものの(甲24)、この投稿が本件発信者と何らかの関係があることをうかがわせるような証拠もない。
したがって、本件発信者が、控訴人に対する強固な加害意思を持って、本件投稿や「電通定期」との投稿をしたと認めることはできない。
3 争点3 権利侵害の明白性
(1) 本件投稿が「お前もコロなで死ね」とコメントしたものであることは前提事実(2)のとおりであって、これにより控訴人が不快な思いを抱いたであろうことは想像に難くなく、本件投稿は控訴人の名誉感情を侵害する侮辱的表現であるというべきである。
そして、名誉感情も保護に値する利益であるところ、本件投稿が社会通念上許される限度を超える侮辱行為であると認められる場合には、控訴人の人格的利益を侵害するものとて、不法行為が成立するというべきである(最高裁平成21年(受)第609号同22年4月13日第三小法廷判決・民集64巻3号758頁)。
(2) そこで、本件投稿が社会通念上受忍限度を超える侮辱行為であると明白に認められるか(法4条1項)について検討する。
本件投稿は、控訴人がした本件ツイートに対してコメントされたものであり、その内容は「お前もコロナで死ね」とだけツイートしたものであって、本件投稿中に特段その根拠も示されておらず、本件投稿をした本件発信者の意見ないし感想としてツイートされているにすぎないことは、認定事実(1)エのとおりである。
また、本件漫画について、作者である控訴人が自身の経験を踏まえて描くストーリーとなっている旨の紹介がなされていることは、認定事実(1)イのとおりであり、このことと、本件漫画の下部に表記されている「100日後に死ぬワニ」との「死まで」のカウントダウンの記載、本件漫画の内容、特に最終回(100日目)のワニの死を暗示させる場面等を考えあわせると、本件発信者は、これらの本件漫画の内容、タイトル、記載や、本件漫画のストーリーが作者自身の経験を踏まえたものであることなどに触発ないし誘発されて、作者である控訴人に対し、「お前もコロナで死ね」とコメントしたものと認めるのが相当である。
そして、認定事実(1)ア及びエによれば、確かに、本件発信者は、控訴人が令和2年4月7日に投稿した別のツイートに対し、本件投稿をした日と同じ同月8日午前2時37分に「電通定期」と投稿し、同日のほか、同月9月9日及び同年5月4日に、多数のアカウントに対して、かわかうような又はけなすようなコメントを投稿していることが認められるものの、他方、これらはいずれも単発的なものであって、その後更に上記の各アカウントに対して追加して投稿したような事実はなく、控訴人に対しても上記2つの投稿以外更に何らかの投稿をしたとは認められず、また、本件発信者と認定事実(1)ウの批判や疑惑の指摘との関連も認められないところである。
これらの事情によれば、本件投稿は、控訴人に対して侮辱的な内容であり、「死ね」との不適切な内容を含むものであることは否定できないとしても、控訴人を侮辱する文言は同文言に限られ、特段の根拠を示すこともなく、本件発信者の意見ない感想としてツイートしたにとどまるというのであるからねねこれか社会通念上許される限度を超える侮辱行為であることが明白であるとまでいうことはできず、他にこれを認めるに足りる証拠もない。
(3) したがって、控訴人の主張は、当審における主張も含め、いずれも採用することができない。
第4 結論
以上によれば、控訴人の請求は理由がないからこれを棄却すべきであり、これと同旨の原判決は正当である。よって、本件控訴を棄却することとして、主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第11民事部
裁判長裁判官 大竹昭彦 印
裁判官 原 克也 印
裁判官 土屋 穀 印
https://youtu.be/S5rcmcg8rkY
令和3年ネ3017
控訴人 菊地祐紀
被控訴人 ㈱NTTぷらら
主文
控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人は、控訴人に対し、原判決別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。
第2 事案の概要
略
第3 当裁判所の判断
1 当裁判所も、控訴人の請求は理由がないと判断する。その理由は、次のとおりである。
2 認定事実
(1) 前提事実、後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。
ア 関係者
関係人は、ツイッター上に「きくちゆうき」名義のアカウントを開設して、漫画家、イラストレーターとして活動しており、同アカウントには令和3年1月27日時点で121.6万人のフォロワーがいる。(甲1、10)
本件発信者は、氏名不詳の者であるが、ツイッターの「カイくん」名義のアカウントから、令和2年4月8日、同月9日及び同年5月4日に、多数のアカウントに対し、からかうような又はけなすようなツイートを投稿しているものの、これらはいずれも単発的なものであって、その後上の各アカウントに対して更に何らかの投稿をしているわけではない。(甲5、15の1から6)
イ 本件漫画
控訴人は「きくゆうき」名義の上記アカウントから、令和元年12月12日午後10時39分に「100日後に死ぬワニ」という連載漫画(本件漫画)をツイッターに公開した。毎日公開された本件漫画の下部には、それそれ「死ぬまであと●日」という「死まで」の残日数がカウントダウン形式で記載され、最終回(100日目)の漫画には、ワニの死を暗示させるような効果を伴う印象的な場面で終わっている。本件漫画は、ツイッター等を通じて日を追うごとに話題となり、令和2年3月20日午後7時20分に公開された最終回(100日目)では、同年6月8日の時点で76.1万のリツイートと216.5万の「いいね」がされるほとの反響となった。(甲2、14)
本件漫画やその書籍化について触れたウエブサイトにおいては、本件漫画について、自分が命を失うことを知らないワニが普通の日を過ごし、最終的に他界してしまう話であり、1日1話がツイッターて公開されていく連載漫画で、作者である控訴人が自身の経験を踏まえて描くストーリーとなっている旨紹介がされている。(甲3)
ウ 本件漫画に係るコラボ展開
控訴人は、本件漫画に関連して、さまざまなマルチメディア展開を企画しており、その中には、キャラクターの魅力を生かした100日ワニカフェのオープンや、UFOキャッチャーのグッズ作成等の試み等があった。そうした中、本件漫画の書籍化や映画化等のメディアミックス(本件漫画から派生した商品を複数のメディアを通じて多数製作すること)が決定し、これを、令和2年3月20日の本件漫画の最終回が公開された直後にインタネットで大々的に発表したところ、本件漫画の読者たちが最終回の余韻に浸る間もなく書籍化等の発表をしたことで、多くの人たちから猛烈な非難の声があがったばかりか、本件漫画には、➀大手広告会社である電通が関係しているのではないかとの疑惑があり、②クラウドソーシングサイトで控訴人に関する記事作成の募集があったこと、同一の宣伝投稿をするアカウントが大量にあったことから、ステルスマーケティング(消費者に対し、広告であることを隠して、商品を宣伝したり商品に対する口コミを発信したりする行為)ではないかとの疑惑があるとの指摘がされるようになった。
このように、本件漫画については、コラボ展開についての批判や疑惑の指摘があったものの、同年4月、書籍が販売されることになった。(甲3、17~20)
エ 本件発信者の投稿
控訴人は、令和2年4月8日、「本件漫画の書籍が発売されたので、見かけることがあれば手に取ってほしい」旨の本件ツイートをしたのに対し、本件発信者は、同日午後9時28分、「お前もコロナで死ね」との本件投稿をした。もっとも、本件投稿は、これだけの単発の投稿であって、本件投稿中に特段その根拠を示しておらず、本件発信者の意見乃至感想としてツイートをしたに過ぎないものであった。(甲5)
また、控訴人は、本件ツイートに先立つ同月7日、ジョイフル本田瑞穂店に行き、打合せをしてきた旨のツイートをしているところ、本件発信者は、これに対して、翌8日午前2時37分、「電通定期」との投稿をした。(甲16)
(2) ア これに対し控訴人は、本件発信者が、控訴人以外の複数人に対しても、様々な侮辱行為を行っており、お前「も」コロナで死ねという記載は、控訴人及びこれら侮辱行為の対象となった第三者に向けて発せられたものであると推認できるなどと主張する。
本件発信者が、令和2年4月8日、本件投稿及び「電通定期」との投稿をしたとことは、認定事実(1)エのとおりであるが、本件発信者が、本件投稿の前後に、控訴人について上記以外に何らかの投稿をしたと認めるに足りる証拠はない。また、認定事実(1)アによれば、本件発信者が、令和2年4月8日、同9日及び同年5月4日、「カイくん」名義のアカウントに対してからかうような又はけなすようなツイートを投稿したことが認められるものの、他方、これらはいずれも単発的なものであることも認められ、その後上記の多数アカウントに対して更に何らかの投稿をしたと認めるに足りる証拠はない。
したがって、本件投稿が、控訴人及び上記の侮辱行為の対象となった第三者に対して発せられたものであると断ずることはできない。
イ また、控訴人は、本件発信者が「電通定期」との投稿を行っており、これ自体は侮辱行為には当たらないものの、控訴人に対する強固な加害の意図をもって投稿していることを推認させるなどと主張する。
しかし、本件発信者が、前記(1)ウのコラボ展開についての批判や疑惑の指摘と何らかの関係があると認めるに足りる証拠は全くない。また、本件投稿を受けて、控訴人に対する批判のツイートが殺到したと認めるに足りる証拠はなく、かえって、甲5及び弁論の全趣旨によれば、本件投稿に対しては何らかの明確かつ特徴的な反応はなかったものと認められる。さらに、本件投稿に先立つ令和2年4月3日、ツイッター上に、ユーザー名「生産報告マン」、「@wakameproduct」のアカウントから、氏名不詳者により「しねよはやく」とのコメントが投稿されたことが認められるものの(甲24)、この投稿が本件発信者と何らかの関係があることをうかがわせるような証拠もない。
したがって、本件発信者が、控訴人に対する強固な加害意思を持って、本件投稿や「電通定期」との投稿をしたと認めることはできない。
3 争点3 権利侵害の明白性
(1) 本件投稿が「お前もコロなで死ね」とコメントしたものであることは前提事実(2)のとおりであって、これにより控訴人が不快な思いを抱いたであろうことは想像に難くなく、本件投稿は控訴人の名誉感情を侵害する侮辱的表現であるというべきである。
そして、名誉感情も保護に値する利益であるところ、本件投稿が社会通念上許される限度を超える侮辱行為であると認められる場合には、控訴人の人格的利益を侵害するものとて、不法行為が成立するというべきである(最高裁平成21年(受)第609号同22年4月13日第三小法廷判決・民集64巻3号758頁)。
(2) そこで、本件投稿が社会通念上受忍限度を超える侮辱行為であると明白に認められるか(法4条1項)について検討する。
本件投稿は、控訴人がした本件ツイートに対してコメントされたものであり、その内容は「お前もコロナで死ね」とだけツイートしたものであって、本件投稿中に特段その根拠も示されておらず、本件投稿をした本件発信者の意見ないし感想としてツイートされているにすぎないことは、認定事実(1)エのとおりである。
また、本件漫画について、作者である控訴人が自身の経験を踏まえて描くストーリーとなっている旨の紹介がなされていることは、認定事実(1)イのとおりであり、このことと、本件漫画の下部に表記されている「100日後に死ぬワニ」との「死まで」のカウントダウンの記載、本件漫画の内容、特に最終回(100日目)のワニの死を暗示させる場面等を考えあわせると、本件発信者は、これらの本件漫画の内容、タイトル、記載や、本件漫画のストーリーが作者自身の経験を踏まえたものであることなどに触発ないし誘発されて、作者である控訴人に対し、「お前もコロナで死ね」とコメントしたものと認めるのが相当である。
そして、認定事実(1)ア及びエによれば、確かに、本件発信者は、控訴人が令和2年4月7日に投稿した別のツイートに対し、本件投稿をした日と同じ同月8日午前2時37分に「電通定期」と投稿し、同日のほか、同月9月9日及び同年5月4日に、多数のアカウントに対して、かわかうような又はけなすようなコメントを投稿していることが認められるものの、他方、これらはいずれも単発的なものであって、その後更に上記の各アカウントに対して追加して投稿したような事実はなく、控訴人に対しても上記2つの投稿以外更に何らかの投稿をしたとは認められず、また、本件発信者と認定事実(1)ウの批判や疑惑の指摘との関連も認められないところである。
これらの事情によれば、本件投稿は、控訴人に対して侮辱的な内容であり、「死ね」との不適切な内容を含むものであることは否定できないとしても、控訴人を侮辱する文言は同文言に限られ、特段の根拠を示すこともなく、本件発信者の意見ない感想としてツイートしたにとどまるというのであるからねねこれか社会通念上許される限度を超える侮辱行為であることが明白であるとまでいうことはできず、他にこれを認めるに足りる証拠もない。
(3) したがって、控訴人の主張は、当審における主張も含め、いずれも採用することができない。
第4 結論
以上によれば、控訴人の請求は理由がないからこれを棄却すべきであり、これと同旨の原判決は正当である。よって、本件控訴を棄却することとして、主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第11民事部
裁判長裁判官 大竹昭彦 印
裁判官 原 克也 印
裁判官 土屋 穀 印