●産業観光推進へ初
小松市などの工場や工房を一般開放するイベント「GEMBA(ゲンバ)モノヅクリエキスポ」は12日、始まった。小松が誇るものづくりの文化や歴史、技を伝える「産業観光」の推進に向けた初の取り組みで、織物や製瓦(せいが)、酒造、陶芸などの31事業所が27の見学・体験プログラムを用意した。初日は約80人が参加し、普段は入ることができない現場で職人の技術や工程にじっくりと見入った。
小松ならではの魅力を発信したいと、市や事業所などでつくる「こまつものづくり未来塾」が13日に開幕する日本遺産サミットin小松に合わせて開催した。
コマツ粟津工場や小松マテーレなどの大手企業はもとより、中小の事業所が受け入れ準備を整えた。石切りの作業場のほか、九谷焼の素地(そじ)を作る製陶所や作家の工房も開放し、多彩な顔触れとなった。
小松市国府台5丁目の小松製瓦は、地元の土を使った小松瓦の製造工程を公開した。ラインで運ばれた粘土が成型され、釉薬(ゆうやく)を塗り、リフトで運ばれる様子を参加者が興味深そうに見て回った。
同市新町の小倉織物は、シルクや合繊の織機が稼働する様子を見せた。1895(明治28)年に創業した同社には50年以上使っている機械もあり、昔ながらの工場の雰囲気に参加者が浸った。
未来塾実行委員長の小倉久英社長は「まずはこういう仕事があることを知ってほしい。興味を持つ人が増えるとありがたい」と語った。15日まで。
●遺産発信へ13日開幕
文化庁などの「日本遺産サミットin小松」は13日、小松市内で開幕する。全国104の認定団体が一堂に会し、シンポジウムや公開講座、初開催の分科会などを繰り広げ、各地の遺産の魅力を発信する。
メイン会場の県こまつ芸術劇場うららなど3カ所に92団体のPRブースが並び、グルメブースでは石窯ピザなど小松の石文化にちなんだ料理やご当地グルメを提供する。サテライト会場では日本遺産に関わる街並みを地元住民らが案内する。14日までで一般も参加できる。入場は無料となる。