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マコト
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一等星と水族館デート - マコトの小説 - pixiv
一等星と水族館デート - マコトの小説 - pixiv
3,060文字
一等星と水族館デート
トレーナーの前だけで見せる甘えたがりシリウス概念みたいなのをアレしたかったんス

シリウス視点です
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2021年11月13日 00:55


晴天の休日、私はトレーナーのもとへ歩を進める。 今日はトレーナーとデート・・・待ち合わせ場は、彼の自宅。

───どういう反応、するかな。

普段はモード系のコーデで彼を引っ張っていくことが多い。けれど、今日は甘辛系を身に纏う・・・理由は、このほうが甘えやすいかもしれない・・・そう思ったからだ。

───妙に恥ずかしい。

彼の家へ着く・・・玄関前で、やけに鼓動が早くなる。普段ならもう少し、大人しいのだが・・・慣れない格好をしているから、だろうか。 顔が熱いまま、インターホンを鳴らす。

「よぉ、トレーナー。来たよ」



『おはよう、シリウス。ちょっと待っててくれ、今行くから』



スピーカーから聞こえる、彼の声・・・心臓が飛び跳ねる。 そわそわする・・・少しすると、扉が開かれてトレーナーが現れた。相変わらず、私服も良いセンスだと思う。

「待たせたな・・・・・・」

私の姿を見た途端、彼の口が止まる。 あまり、似合わなかっただろうか・・・

「ど・・・どうした」



「・・・・・・可愛い・・・」

彼の口から零れる、いちばん聞きたかった言葉。

「か、かわいい?ぁ、あの・・・その・・・あ、ありがとう・・・・・・気合い入れてきた甲斐が、あったな・・・」

嬉しさと気恥しさで、なかなか言葉が出ないけど・・・まずは、これで良い。次は・・・

「トレーナー・・・今日は、その、なんだ・・・」

───しくじった、まさかここまで恥ずかしくなるとは・・・なにやってんだ、私は。



甘えたいと、素直に言えない。普段はこんなの平気、なのに・・・・・・

「どうした、シリウス」



「えっ!?あぁ、悪いね・・・・・・なんだか恥ずかしくなっちまって・・・・・・きょ、今日はな・・・・・・あの・・・・・・」

───ええい、私としたことが・・・甘えたいって、言うんだよ・・・

しどろもどろになっていると、なにかを察したのか・・・彼が私の腰に手を回し、耳元で囁く。

「俺に・・・どうして欲しい?言ってごらん」

普段私が仕掛けている側なのに、今はやり返されている。 それに、良い声でそんな事言われたら・・・・・・おかしくなってしまう。

「・・・・・・・・・甘えたい」

「・・・・・・良いよ、いつでも・・・甘えて」

「・・・・・・うん」

少しだけハグをした後、腕を組んで歩く。 本当に、イイ男と巡り会えたなと・・・心から思った。





場所は移り、近場の水族館へ。 普段はあまり行かないのだが、この機会にということで、入ることにした。 平日ゆえ、客足はまばらだが・・・二人きりをより満喫できるので問題は無い。



「へぇ・・・・・・なかなか広いね、ここ」



「ああ、いろいろと思い出があるし・・・・レトロな雰囲気もあるからな。好きなんだ」



「そうか・・・アンタにとって思い出の場所に、私も一緒に居れるのは・・・嬉しいね」

「そっか・・・俺も、嬉しいよ。お前さんと来れて」

彼が微笑み、私の髪を撫でる。



「ぁ・・・・・・・・・」



どうして・・・撫でられるだけで、こんな・・・彼しか考えられなくなるのか。



「・・・撫でて・・・・もう少し、だけ」

「うん・・・良いよ」

彼に撫でられてから・・・水棲生物が展示されるスペースへ向かった。



「意外といるな・・・カップルっぽいの」

「だな・・・」

まばらとはいえ、カップルと思われる人がいる・・・同じように、私たちは水族館を楽しむ。

彼に引っ張られながら、魚やペンギンを見たり、ゴーカートやロボット型の乗り物で、子供のようにはしゃぐ。



昼間はフードコートでお互いに好きなものを食べる・・・トレーナーは醤油のラーメンで、私は塩のラーメン。 カップルよろしく、相手に自分の食事を食べさせる・・・つまり”はい、あーん”というものをやってみたり・・・・・・冷静になって考えると堂々とやりすぎたかな、と恥ずかしくなった。 まぁ、楽しかったから良いが。



昼食後は、ペンギンのショーを見たり、幾多の遊具に乗り・・・・・・あっという間に、夕方。

「あぁ、もうこんな時間か・・・じゃあ、帰ろうか」



「そうだな・・・帰ろうぜ」

外泊許可は取っていて、この後も彼の家でゆっくりできるのだけれど・・・切ないといえばいいのか、なぜかそんな気持ちになる。できるなら、もっと隣にいたい・・・

「なぁ、トレーナー・・・これからも、一緒にいれるよな」

「大丈夫さ・・・一緒にいる」

彼の”大丈夫”という言葉を耳にして、安心するが・・・・もうひとつ、()きたいことがある。今の彼なら、きっと受け入れてくれる・・・・・・

「そっか・・・なら、良かった・・・・・・でも、ひとつ・・・頼みがある」

「頼み・・・」

「・・・わ、私が卒業したら・・・・・・一緒に、住みたい。アンタの、家で・・・・・・」

「───」

同棲を持ちかけると、彼が黙ってしまった。 よく見ると、耳まで赤くなっているので・・・断られるかという不安はない。

「トレーナー・・・」

「・・・卒業したら、おいで・・・俺は、待ってる」

「ふふっ・・・ありがとう・・・・・・世話になるよ。だから、待っててくれ」





夜・・・・・・今日は、彼の家に泊まる。 玄関の靴置き場で抱きしめ、唇を重ねる。最初は軽く、次第に深く・・・

「ん・・・・・・とれーなー・・・」

「シリウス・・・・・・」

熱っぽくなって、唇を押し付けるように、もっと激しくなってゆく・・・

暫くして、夕食・・・・・トレーナーの手料理。 料理の腕はなかなかのもので、どれも美味しい・・・

入浴後は、上はトレーナーのものを着る・・・要は”彼シャツ”と言うべきか、そういうものだ。 着たい、と言った時・・・彼はさすがに動揺したが、上目遣いでねだると、着させてくれた。 どうも、私のそういう顔には弱いらしい・・・ギャップで、だろうが・・・彼の心が、じわじわと私で染められているのを実感して、胸が躍った。





「・・・・・・トレーナー、今日は楽しめたかい?」

ベッドの中・・・抱き合いながら、今日を振り返る。

「ああ、楽しめたさ・・・それに、お前さんのギャップでやられちまった」



「そっか・・・けどさ・・・・・・今日のコーデじゃなくても、甘えていいかい?」

「良いさ、どんなコーデでも・・・甘えてくれな」

「うん・・・・・・幸せもんだな、私・・・アンタと組めて、良かった」

「俺も、お前さんのおかげで楽しいし・・・幸せだ」

お互いの額をこつんと合わせ、微笑む。

「このまま・・・寝ようか。良い夢、見れそうだ」

「うん・・・・・・夢の中でも、アンタに会いたい」

「俺も、会いたいよ」

「楽しみだね・・・・・・おやすみ、トレーナー。愛してるよ」

「おやすみ、シリウス・・・愛してる」

軽く口づけて、眠る・・・今日はぐっすり寝れそうな気がする。



夢では・・・夜の海岸でトレーナーと寄り添っていた。 ふたりきりの、穏やかな世界・・・目が覚めるまで、彼と海を眺めていた。



一等星と水族館デート
トレーナーの前だけで見せる甘えたがりシリウス概念みたいなのをアレしたかったんス

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