米ゼネラル・エレクトリック(GE)は9日、会社を三つに分割すると発表した。航空、ヘルスケア、エネルギーを中核とする3社に再編する。近年は経営環境の変化が早く、素早い意思決定が必要で、巨大な複合企業の欠点が目立ち始めている。東芝も3社への分割を検討している。今後、別の複合企業でも分割が進む可能性がある。

 現在のGEから、2023年初めに医療機器などヘルスケア事業を分社し、24年初めに再生可能エネルギーや火力発電などエネルギー事業を分社する。GEは残る航空機エンジンを主力とした企業になり、ヘルスケア事業を担う会社の株式の19・9%も保有するという。3社とも上場する予定だ。

 GEは発明家トーマス・エジソンを源流とする老舗企業。「伝説の経営者」と評されたジャック・ウェルチ氏が1980年代から2000年代初めにかけて経営トップを務め、世界有数の優良企業だった。

 しかし、08年のリーマン・ショック後の金融危機でウェルチ氏が育てた金融事業が失速したほか、買収した電力事業で巨額損失を計上するなど近年は経営が低迷。18年には米国を代表する株価指数「ダウ工業株平均」の構成銘柄からも外れた。