INTERVIEW / 02
鈴木 潤 (2012年 キャリア入社)
明治大学 政治経済学部卒業
営業本部 パートナー第2営業部
2012年に前職の基幹業務系パッケージメーカーからサイボウズに転職。入社後3年間はパートナー企業であるコピー機メーカーの担当として全国を飛び回る。入社4年目の1年間はkintoneビジネスの拡大に伴い新規パートナー企業の開拓に奔走。入社5年目からは大手電機メーカーの主担当として活動中。前職より一貫してパートナー営業を極める。
kintoneという強い商品を携えて、大企業と共に仕事をする——「自分の裁量で主体的に働ける環境とカルチャー、いま一番仕事が面白いです」
いま、クラウド業界でどんどん存在感を大きくしていくサイボウズ。「kintone」の製品力と可能性、そして夢と熱意を持って広めていく営業力がそのエンジンとなっている。サイボウズの営業って、どんなやりがいがあるんだろう。キャリア採用でサイボウズへ入社後、大手複合機メーカーや大手電機メーカーという大手パートナー企業の担当や、「kintone」の新規パートナー企業の開拓を積極的に展開したパートナー営業部・鈴木が、昨年一年間kintoneのビジネス拡大に携わったチームメンバーの野村と共に、サイボウズのパートナー営業としてのワクワクや達成感を語る。
パッケージ製品だけの提案ではなく、基盤として広げていく「エコシステム」の提案がkintoneならできると思った
中江:人事部の中江です。鈴木さんはキャリア採用でサイボウズへ入社されましたね。きっかけは何でしたか?
鈴木:2007年に新卒で入社した基幹業務系パッケージメーカーで5年間パートナー営業として勤務していました。もともと、趣味のテニスでもシングルスよりダブルスの方が好きで、一人で何かをするよりは、色々な人と関わり合って物事を進めるのが得意でした。なので、BtoCの営業やBtoBでも直接顧客に提案する営業ではなく、製品を一緒に販売してくださるパートナー企業と販売戦略を考えるパートナー営業を極め、新しいこともやっていきたいと思って転職活動を始めました。
転職エージェントから紹介を受けたIT関連企業3、4社のうちの一つがサイボウズでした。サイボウズの本格的なクラウド展開を知り、今までの法人営業の業務を活かしながら新しいチャレンジもできると考え、ご縁あっての入社となりました。
中江:なぜサイボウズを選んだのですか?
鈴木:一言で言うと「変わっていた」ところです。面接が印象的でしたね。1次面接は面接官が4人もいて、次の副社長の面接では「なんでサイボウズなのか」とずっと聞かれるんです。最後に社長面接と進んで、オフィスの小さな居心地のいい会議室で、膝を付き合わせるようにクラウドの未来やチャレンジについて語り合ったんですが、みなさんすごく楽しそうで。クラウド事業で名を馳せ始めていたサイボウズの勢いを見て、僕が考えていた「新しいこと」——営業の仕事として、単にパッケージ製品だけの提案ではなく、それを基盤として広げていく「エコシステム」の提案がkintoneならできる、と思いました。
パートナー営業の醍醐味は、サイボウズだけでは実現できない大きいことを、パートナー企業と一緒に実現していけること
中江:入社後はパートナー営業部に配属となり、すぐに大手複合機メーカーの担当になられたのですね。
鈴木:全国に営業さんが数千人もいるような大きな企業です。ところが、こちらはたった営業4人のチーム(笑)。まさか入社してすぐに4人で数千人規模の企業の担当になるとは、と驚きましたがチャレンジ精神にも火がつきました。東日本の拠点の担当をしましたが、県によってパートナー企業やお客様の市場規模も働き方も全然違うんです。東北、北海道と多くの出張をしながら、パートナー企業にもそれぞれの県のやり方を教えていただき、体で知っていきましたね。
中江:クラウドの拡販は順調だったのでしょうか。
鈴木:当時、「これからはクラウドの時代だ」という機運が高まっていたので、パートナー企業にニーズの高まりやサイボウズのクラウド戦略をご説明し、クラウドを積極的に販売していこうという考えに賛同いただけました。
その後、サイボウズに来て4年目になると、kinetoneを軸としたエコシステムを作るために、一緒にkintoneを販売したり、お客様のニーズに合わせてkintoneの開発やカスタマイズをする企業を開拓する活動を3人のチームでしました。
サイボウズと言えば「グループウェア」一本で今までやってきましたが、2011年から新しくkintoneをクラウドサービスとして立ち上げました。kintoneに興味を持ってくださった企業の方にパートナーになっていただき、情報提供をしたり、協力して新しいことができそうなパートナー企業同士をつないだりという活動を一年間しました。
中江:今年からは大手電機メーカーを担当されていますね。
鈴木:社員が数万人規模、グループ会社もたくさんある大企業で、サイボウズ製品も長年販売いただいているお付き合いの深いパートナー企業です。クラウドへの期待が高まる中、紆余曲折がありながらも、今年の春先からクラウドの取り扱いが始まりました。ますますクラウドサービスやkintoneの盛り上がりを肌で感じますね。
中江:10年間ずっとパートナー営業に携わられていますが、その醍醐味とは何でしょうか。
鈴木:サイボウズに来たら1年が早くて、今までの5年とではスピード感が全然違いました。毎年違う役割を任せてもらえたので、夢中になってやっていたらあっという間でしたね。
パートナー営業の醍醐味は、サイボウズだけではなかなか実現できない大きいことを、賛同してくださるパートナー企業と一緒に実現していけることです。kintoneの時はまさにそうで、新しいジャンルの製品だったこともあり、既存のパートナー様に加え、新しくパートナー企業に加わって下さった方々の知見が合わさり、様々なソリューションが生まれ、お客様の役に立てた気がします。そして、いろいろな方と関われるのが本当に楽しいです。
中江:関わる人が多いと、意思疎通が難しかったりはしませんか。
鈴木:もちろんあります。でも、人と接すること、人と人を繋ぐことが好きな性格なので、苦とは思わないですね。ぶつかって砕けることもあるけれど、いろいろな人の反対意見も受け入れながら、次はこう提案したらうまくいくかなと切り替えたり、じっくりと時間をかけて目的達成に取り組むのが好きです。「サイボウズのいい製品を色々なパートナー企業を通じて、お客様に伝えていきたい」というゴールがありますから。
「自立」とは自分が働く理由は何か、自分のモチベーションとは何なのかを、会社や上司ではなく自分の覚悟で決めることができること
中江:サイボウズのパートナー営業にはどんな人が向いていると思いますか? 必要なスキルとは?
鈴木:まず、人と接することが好きな人。必要なスキルは、巻き込む力や熱い気持ち、自分だけで問題を抱え込まないこと、そして思いやりですね。最低限、元気のいい挨拶ができることや、相手に興味を持つことも大事だなと思います。パートナー企業やお客様のことを知り、相手の懐に入っていく。時には飲みに行ったり、お昼をお誘いして仕事以外の部分を知っていくのも大切かなと思います。
中江:サイボウズの営業部のメンバーはどんな人たちですか。
鈴木:入社した時は、若い会社だなと思いました。2、30人規模で同世代でキャリアで入った人はあまり多くないときで、自分より少し下の新卒3、4年目の元気な若手がたくさんいて。「1週間パートナー企業の支店を回ってきます」とか、自主的に元気よく動いているのが印象的でした。人数が少なかったのもあるけれど、自分が彼らの年齢のころ、そこまで自主的に行動できていたかなと驚きました。今はキャリア入社のメンバーも増えて営業部の様子も少し変わり、営業本部全体で100人ほどの大所帯になりました。
中江:営業部も8時位にはオフィスにはほとんどいないですよね。一般的な「営業部」のイメージと少し違う部分もあるかもしれません。
鈴木:残業時間は減りましたし、帰宅時間は確かに早いと思います。ただ、サイボウズは家で仕事ができる環境があるので、仕事が終わらない時は翌日に持ち越さなくていいように自宅でメールをしたり、携帯やモバイルで仕事することはありますね。
中江:営業目標や待遇面についても聞かせていただけますか。
鈴木:サイボウズは営業個人での売上目標ではなく、会社全体での目標達成を重視しているので、所謂「ノルマ」と言われるものがありません。一般的には営業といえば、成果主義が多いですが、いい意味で働き方や数字への意識がかなり変わりましたね。営業部全体が「チームで補いあおう」という意識があって、営業同士で助け合えるのがすごいところだと思います。そして、それがパートナー企業との関係にもとてもいい影響を与えていて、お互いのメリットを理解しwin-winでいかにサイボウズ製品を広めていくかという発想ができるのが嬉しいです。
中江:社内での評価などは何を基準に行うんでしょう?
鈴木:個人の成長を評価するために「Action 5+1」というものがあります。自分が設定した目標に対して、半年に1度上司と振り返りをします。給与は年に一回の査定があります。サイボウズは給与を「市場価値」で決めていますが、それ以外にも売上目標への達成度やどんな営業活動ができたのか、あとはパートナー企業からの信頼も大切だと思います。
売れば売るほどボーナスに反映されるというスタイルの企業と比べて、モチベーションを主体的に維持していくことが求められるかもしれません。目の前の売上だけにとらわれずに中期的なスパンで多くの方を巻き込んで営業活動を進める、そんな経験を若いうちにできるのは貴重です。ただ、お金をモチベーションの主としたい人や、若い2、3年目は売上がインセンティブにダイレクト反映される企業の営業と比べてしまい、もやもやする時期もあるかもしれません。
中江:サイボウズのインセンティブが出るのも、世の中の一般的なボーナス時期からもズレてますしね(笑)。
鈴木:若手で他の世界も見てみたいと転職する人もいますが、「育自分休暇」を使って戻ってくる人も多いです。外を見た上で、サイボウズの良さを再評価して帰ってくるんですよね。特にここ1、2年で”自立”という理念が社内で共有されるようになりました。
社員個々の自立についてはチームでも話し合いますし、配属後の営業研修でも話します。自分が働く理由は何か、自分のモチベーションとは何なのかを、会社や上司に決めてもらうのではなくて、自分の覚悟で決めることができる良さがあります。
大企業での10年とサイボウズでの10年。若いうちから裁量を与えられ、自主的に動くことができるサイボウズの方が実戦的で有利
中江:大企業と比べて、サイボウズで転職スキルつくのか? という話を聞いたりするのですが、どう思いますか?
鈴木:例えば、大企業での10年とサイボウズでの10年を比べたら、スキル面での転職価値としてはサイボウズ10年の方があるのではないかなと自分は思いますね。もちろん社名だけ見れば、履歴書上は大企業に軍配が上がりがちですが、その人自身のスキルを見ると、若いうちから裁量を与えられ、自主的に動くことができるサイボウズの方が実戦的で有利。
中江:人材としての市場価値を上げて、転職市場で有利になっていくには何が大切ですか。
鈴木:商談や打ち合わせの中で、ネットワークやwebなどのIT知識が自分に足りないなと思った時に、営業だからといって技術的な部分をSEに任せ切ってしまわずに、自分でもパートナー企業やお客様と対等に会話できるようきちんと勉強していくことが大事ですね。サイボウズではSEが営業に向けて勉強会を開いてくれています。クラウドサービスを販売していく中でどんな知識が必要か、自分で考えて戦略的に知識を取得していくことが、自分の市場価値を高めていくことにつながると思います。
日本のSI業界をkintoneなら変えられる、kintoneビジネスに挑戦してくださるパートナーの方々の気持ちに応えたい
野村 津希乃 (2013年新卒入社)
東京大学 文学部卒業 営業本部 パートナー第1営業部 PMC
新卒でサイボウズに入社。
入社後は営業本部に配属となり、約4年間パートナー営業として新規のパートナー企業の開拓に従事。
現在はパートナーの開拓だけでなく、パートナー企業間のビジネスマッチングやディストリビュータを介した販売チャネルの開拓をおこないサイボウズのエコシステム拡大に貢献している。
中江:ここからは野村さんにも加わっていただいて、昨年のkintoneパートナー企業の開拓について伺います。鈴木さんと野村さんが担当された期間でkintoneビジネスに着手する新興パートナー企業数は100社以上に達し、その中からサイボウズに常駐してくれるほど密接な関係となるパートナー企業も出てきましたね。
野村: 2013年にパートナー開拓がはじまった時は、kintoneに携わるパートナー企業は20社にも満たない数でした。日本全国で少しずつ提携パートナーが増えていき、エコシステム拡大とパートナー育成にドライブをかけるため、2015年 5月にキャリア入社の足立さん(写真右)も加わり、最終的には3人のチームで進めていました。
鈴木:具体的なミッションは、kintoneを販売したり、カスタマイズや構築などのSIの部分を行っていただけるパートナー企業の新規開拓です。サイボウズがkintone事業を始めた当初は30社前後だったパートナー企業が、100社以上へ増えました。販売だけではなく、開発やコンサルティング、教育など多様な強みを持つ企業がサイボウズとビジネスパートナーになってくださっています。
野村:「パートナーになりたい」というお問い合わせや紹介もとても数が多くて、kintoneへ関心を持ってくださる方が本当に多いんだなぁと。サイボウズのビジネスへの期待をすごく感じます。
中江:パートナー企業はかなりのスピードで増えていますが、どのように増えていったのですか? 何か工夫したことはありましたか?
鈴木:基本的にはこちらからのアプローチというよりは、お問い合わせや紹介でした。
多い時期には、1週間に4、5件のペースでkintoneパートナーに興味を持っていただいた企業との折衝に行きました。こちらのキャパシティも営業3人ということもあって、お断りする場合も結構ありましたね。
野村:私も鈴木さんも、単純に数を増すことを目標としていたのではなく、サイボウズの目指す方向に共感いただけることが大切なポイントだったので、一緒に歩んでいけるパートナー企業とお話を進めて行きました。
中江:何を見てのお問い合わせが多かったのでしょうか?
鈴木:kintoneの駅や電車内など交通広告の効果と、サイボウズの働き方に興味を持っていただいて、そこからkintoneを知っていただいた方も多かったです。担当した案件の競合がkintoneで負けてしまったところから知っていただいたりも。また、kintoneビジネスに共感した社外のエヴァンジェリストの方々が開発者向けの情報発信をしてくださったり、有志の勉強会コミュニティ「kintone Café」が全国各地で開催されるようになったり、といった草の根活動も認知を拡大するきっかけになりましたね。
野村: 従来型のシステム開発は、要件定義から開発、運用を開始するまでの工程がとても長くて、費用もかかります。そんな開発プロセスと、業界内で一般的になっている「多重下請け構造」を変えていかねばという機運が高まる中で、「kintoneならお客様の目の前で開発でき、開発後もお客様自身で柔軟にカスタマイズできる」という部分を評価いただくようになりました。
いまの日本のSI業界を変えたい、お客様にとって本当に価値のあるシステム開発を提供していきたい、という想いでkintoneビジネスに挑戦してくださったパートナーの方々の気持ちに応えたいという気持ちに私もなりました。
中江:大変なことはありましたか?
鈴木:いまkintoneビジネスが勢いにのってきて、どんどんパートナー企業同士の輪も広がっています。輪を広げるためには、グループウェアの知識だけではだめなんです。例えば、お客様から「社内の業務システムとkintoneと連携させたい」というご要望があった時に、サイボウズだけでは技術的なニーズをカバーすることは難しい。だから、ニーズに応えていただけるパートナー企業と連携していく必要があります。そうやってお互いの得意分野を、繋げて横方向に広げていく時には多方面の知識が必要で大変な部分ではありましたが、やりがいでもありました。充実していたなと実感しています。
野村:kintoneの裾野がさらに広がったと言えるかもしれません。エヴァンジェリストの方たちを核として大きなコミュニティを作られていって、そこからビジネスをやりたい人が増えていく。パートナー企業同士をご紹介して繋げる時には、お互いのビジネスが拡大できるように、一方の困っている部分を他方の得意分野で補うことができる「win-win」の関係になることを意識して活動していました。
サイボウズの働き方が世の中で注目され、それを支えている自社製品は自信を持って営業できる
中江:いまのサイボウズに飛び込んで入社して働く価値とは、何だと思いますか?
鈴木:大手SI企業とサイボウズ両方に内定をもらってサイボウズを選ぶという方も増えてますよね。システム業界ではどうしても大手と一次請け、二次請けというピラミッド構造をイメージしてしまいますが、サイボウズとパートナー企業は一緒にkintoneを育てていく”家族”のような関係です。
サイボウズでは、製品力と働き方をはじめとするカルチャーのおかげで、同じく目標に向かっていけるパートナー企業と一緒に新しいことにどんどん挑戦することができるんです。
野村:サイボウズの働き方が世の中でもとても注目されているので、その部分をパートナー企業やお客様にお話して役に立つことができるというのも大きいですよね。そして、それを支えているのが自社製品なので、製品を販売することを自信を持って行えます。
営業職ですが、個人ノルマもなく、自由裁量を与えられているので働き方にメリハリをつけやすいです。残業も多くないですし。
中江:チームでの働き方についても聞きたいです。年齢では鈴木さんの方が先輩になると思いますが、去年の二人の役割分担はどんな感じでしていたんですか?
野村:新卒で入社すると、先輩にやり方から学んでいくというのが多いと思いますが、サイボウズでは必ずしもそうではなく、それぞれが得意な方がイニシアチブを取るという感じでした。新しいことにチャレンジする時は誰も情報がないので、みんなで情報収集して、チームでシェアしたりお互いの学びを教え合うという仕事の進め方をしていました。
中江:先輩後輩関係なく、仕事を任せてもらっていたんですね。
野村:そうですね。週1回の開発やマーケティングなどkintoneに関わるメンバー全体の定例ミーティングがあって、成功事例やkintoneビジネスでここが困っているやうまくいかない部分などを共有もしていました。
鈴木:業界の中でも、kintoneでこれから日本を変えていく発展性や可能性を感じてくださり、サイボウズを応援してくださる空気をものすごく感じます。拡大の機運に乗っているサイボウズで、1年目から何でも取り組みたいという気持ちのある人、自立や覚悟、責任を持って自分の仕事をしたいという人に、ぜひ来てほしいですね。
*インタビュー内容は取材時点のものです。ご了承ください。