新市長、LINE乗っ取られる 後援会関係者がプリペイドカード購入
【新潟】10月31日の上越市長選で初当選した中川幹太市長(46)が9日、市役所に初登庁した。同日の記者会見で、市長選で公約とした副市長4人制や、民間活力の導入などを目的とした3~4人程度の諮問組織新設について12月市議会にも人事案を示す考えを述べた。
中川市長はこの日午前9時に市役所に到着。大勢の職員の出迎えを受け、大声で「よろしくお願いします」とあいさつし、深々と一礼。市長室のいすに座り「こんな良いいすに座ったのは初めて。現場主義なので、あまりここにいないようにしたい」。
幹部職員への訓示では「市が一致団結し、本当に皆さんがやりたいことができ、最大限力を発揮できるような環境をつくる。失敗を恐れずチャレンジし、風通しのいい、市民目線で明るく楽しく前向きに進められるよう一緒に頑張ろう」と呼びかけた。
記者会見では、公約実現に向けた人事案提示や新型コロナ対策に着手する考えを示した。「市民が幸せになれる改革を、現場をよく知る職員たちと対話しながら進めたい」と話した。職員の専門性の向上ややりがいづくりに向けて「人事改革プロジェクト」を立ち上げ、1年ほどをかけて庁内で協議する方針も明らかにした。
LINEアカウント乗っ取られ陳謝
上越市の中川幹太市長は9日、自身のLINEアカウントが何者かに乗っ取られ、複数の後援者らにメッセージを送信するトラブルが起きていたと明らかにした。「不徳の致すところで、自らの不注意を反省している。多くの人に迷惑をかけ深くおわびする」と陳謝した。同日の就任記者会見で明らかにした。
中川氏によると、自身のフェイスブックに届いた「LINEがロックされたので解除してください」というメッセージへの返信が原因とみられるという。なりすました何者かがLINEのメッセージで送った指示に従い、後援会関係者が8日、コンビニでプリペイドカード10万円分を購入。その後、中川氏に確認してなりすましが分かったため店に返品し、被害はなかったという。
プリペイドカードを購入させる方法は特殊詐欺の手口の一つで、県警は事件の疑いもあるとみて調べている。中川氏によると、今のところ被害は確認されていないという。(松本英仁、緑川夏生)