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「メタルシャワー、か」
僕はたづなさんから貰った謎の道具に戸惑っていた。 本来は頭皮マッサージ用らしい。 しかし、ウマ娘に対しては超強力な武器になるのだとか。 僕はそれを聞いて笑い出しそうになってしまった。 まさか、ヤエが僕にそんなことするわけないだろう。 彼女を武人に例えるとするならば、僕は文人だ。自分で言うのもあれだが。 あまりに両対照な僕たちが結ばれることはないだろう。 そうでなくても、彼女は常にそっけない感じだ。 僕に惚れているということがあるだろうか、いや、ない。
「トレーナーさん、失礼します」
「ドアを無音で粉々にするとは、たまげたなあ」
僕にとって予定外のことが起こった。 こんなことスケジュールに書いてない。
フラッシュ「なんかパクられたような気がします」
とにかく、このままでは嫌な予感がする。 しかし、こんな超強力とかいう武器も使いたくない。 神様、僕のうまぴょいする日が美しく清らかにしてと祈ったのに酷いですよ。 女の子が人形を欲しがるように、とてもとても素直な心で祈ったのに。
「ところで、何の用だい?」
「・・・してください」
「えっ?」
僕はわざと聞き直す。
「う・・・うまぴょいしてください!」
「わかった、CD用意するね」
「男女の交わりの方のうまぴょいです!」
ヤエが僕を壁ドンする。壁にひびが入った。
「・・・ねえ」
「トレーナーさん、何か言いたいことがあるんですか?」
「ヤエって、僕のことが好きなの?」
そう訊くと、ヤエの顔が真っ赤になった。 そんな表情をしないでほしい。僕の心がどうかなりそうだ。 応えてあげたいのに、僕の職業倫理が引き留めようとするのだ。 ああ、僕の心は三流作家の原稿用紙のぐしゃぐしゃだ。
「好きじゃないわけ・・・ないです・・・。 だって、トレーナーさんは・・・いつも、私のこと・・・」
多分、『第一に考えて云々』とでも言おうとしているのだろう。 でも、残念。僕はそこまで誠実な人間じゃないのだ。 トレーナーをやっているのは、結局は生きるためだ。
「ヤエ、僕は・・・」
「給料のため、名声のため・・・そんな理由でも構わないんです・・・。 ただ、私だけのことを考えてください。愛してください・・・」
ああ、僕はやっちまっただ。 どこでどう接し方を間違えたのだろう。 このままヤエを世に出しては不幸な結末しか見えない。 かわいそうなのはぬけない。
「ヤエ・・・」
ああ、この武人というにはあまりにもか弱い少女を僕のものにしたい。 僕はヤエを左腕で抱きしめて、右手でメタルシャワーを取り出した。 僕の良心が激しく僕を責め立てる。 でも、僕はもう止まるつもりはなかった。
「らめれす・・・とれーなあさん」
ヤエが僕の胸に顔を埋める。 じわっとした感覚が僕のズボンに伝わってくる。 彼女の黄色い液体が床に打ち付けられる音が響く。 とろんとした顔になった彼女にキスをした。
「ヤエ、僕のものになってくれ・・・」
「・・・」
彼女は答えなかった。 僕の心はまたぐしゃぐしゃになりそうだった。 気持ちよくて答えられないのか、それとも僕が嫌いになったのか? でも、すぐに答えは出た・・・予想外の答え方だった。 ヤエに抱えられ、そのままソファに放り出されてしまったのだ。 気が付けば、ヤエノが僕にウマ乗りしていた。
「トレーナーさんが・・・私のものになるんです・・・。 私に、勝とうとしないで、ください・・・♡」
僕の脳裏で僕を嘲笑う緑の悪魔がよぎった。 アイツとは幼馴染だけど、昔からああいう奴だったよ。 メタルシャワーは護身用武器じゃない。起爆剤だ。 僕はすべてを悟って、諦めた。 ですが冬が過ぎ僕の星にも春がくれば 墓の上にも緑の芝草が萌えるように 僕の名がうずもっている丘の上にも 誇るかのように草が一面生い茂るでしょう。
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作品タイトル「ヤエにメタルシャワーを使うことになるなんて・・・」
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