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悴んだ手をこすり合わせながら
白い雪と赤い頬を見比べながら
ふと視線に気づいた彼女がこちらに目を向けて
少し微笑んでなんですかと声をかけてくれて
「僕のマフラー使う?」
「大丈夫です。私が使ったらトレーナーさんが寒くなってしまいますよ。」
「僕は大丈夫だよ。」
「ダメです。私も大丈夫ですから。」
風が彼女の髪を揺らし
僕はちょっと待ってて、と小走りで駆け出た
近くの自販機からココアとコーヒーを買ってきて
彼女にはココアを渡した
「……私もコーヒーがよかったです。」
「ブラックしか売ってなかったからさ。」
「ブラックくらい飲めますよ!」
「そう?じゃあ飲む?」
手渡した後に彼女の顔を見て気づく
彼女の頬をさらに赤らむ
尾っぽが少し揺れた
それは風の所為ではないように僕は思えた
僕と彼女がお互いに向き合って缶を抱えているその間にも、雪は降り積もっている
沈黙は、雪が溶かしてくれた
「……帽子にずいぶん雪が積もっているよ」
「……トレーナーさんもですよ」
「……えっ」
「ふふっ」
彼女の頭に手を伸ばしながら、少し頭を傾けて振る
彼女も僕の頭に手を伸ばした
ふふふ、とお互いに声を出す
少し経ち、再び道路の方を見た
「そろそろ来るんじゃないですか?」
「確かに、もうそんな時間だね」
「コートの雪も払っておかないとですね」
「傘持ってくればよかったなぁ……」
街灯は雪を照らし、月明かりは彼女を照らし
彼女の顔をぼんやり、だがはっきりと目に映った