デジタル「ふにゃふにゃ〜」トレーナー「は？」

大人気ウマ娘コンテンツ『田舎に行こう』

これに出演したトレーナーとデジタル。

彼らはその帰り道、田んぼ道にて不思議な体験をすることになったのだった。……

T「……そろそろ帰るか」

デジタル「あ、はいっ！」

T「しかし、本当に田んぼしかなかったな」

デジタル「そうですねえ……」

デジタル「でもご飯は美味しかったので、また機会があれば一緒に来ましょうっ！」

T「また番組に誘われるような機会、あるかな？」

デジタル「……いや、その、オフ……オフ会的なノリ、でですね……」

T「オフ会って何だ？」

デジタル「もういいです」ｽﾝｯ

T「よし、帰りのバスは……うわ、あと３０分もあるよ」

T「まあ時間を潰すような場所もないし、大人しくここで待つとするか……」

デジタル「……」

T「……あれ、デジタル？」

T「何か面白いものでも見つけたか？」

デジタル「……ねえ、トレーナーさん」

T「どうした？」

デジタル「なんだかあそこ、……あの田んぼの真ん中、誰か立ってません？」

T「え？」

デジタル「白い、何か……何だろ」

T「……人？……かかしじゃないのか？」

T「俺には全然、見えないけど……」

デジタル「いや……かかし、というより……」

デジタル「何かフニャフニャしてるような……」

T「！？誰がフニャチンだ！！！！！！！！」

デジタル「わわっ！？……びっくりしたあ……」

デジタル「急に大きな声出すのはやめてくださいよ！！」

T「す、すまん……」

デジタル「もうっ……」

T「……それで、何が見えたんだ？」

デジタル「あ、はい」

デジタル「あそこの田んぼの真ん中に、白い何かがいるんですよ」

T「……俺には見えないからな……どんな形だ？」

デジタル「人型、ですかねぇ……手があって、足があって」

デジタル「でも不思議なことに、全身が真っ白なんですよね」

T「全身が真っ白……」

デジタル「あと、やっぱりフニャフニャ動いてますね……」

T「……」

T「デジタル？」

デジタル「え？何でしょうか？」

T「……やっぱり俺のこと謗ってないか？」

デジタル「えっ」

T「あのな、別にフニャチンが悪いわけじゃないんだ」

デジタル「」

T「悪いのは奥まで突っ込まないちんちんであって、大切なのは性交能力があるかどうかでだな」

デジタル「聴きたくなーい！！」ｶﾞﾊﾞｯ

T「……」

T「……で、そのフニャ……奇怪な動きをしているナニカは、何処にいるんだ？……俺には、全く見えないんだが」

デジタル「……あのあたりですねぇ」ｽｯ

T「ふむ……」

T「夕方に映える黄金色の稲穂……その中に白い何かが居るとなると、目立つはずだし」

T「デジタル、もしかして飛蚊症？」

デジタル「……」ﾌﾙﾌﾙ

T「じゃあ発情期？」

デジタル「いや、発情期はもう二週間ほど……………………あ」

T「なるほど」ｶｷｶｷ

デジタル「……」　

デジタル「ウカツ！！！！」

T「あと２週間したら発情したデジタルが見られるのか……楽しみにしておくよ」

デジタル「……うぐ……部屋、篭りますからねぇ……」

T「勿体無いな」

デジタル「少なくとも、トレーナーさんの所には行きませんからっ」

デジタル「それにしても…….」

デジタル「……んー？」

T「まだ何かあるのか？気のせいだって」

デジタル「いや……なんだか……」

デジタル「だんだんと、……近づいてきているような……」

T「……白いのが？こっちに？」

デジタル「は、はい。白くて、フニ……ぷにぷにの人型の何かが」

T「ぷにぷに！？！？！？」

T「急にエッチな話をするんじゃない！！！！！公道だぞ！！！！！！」

デジタル「何がですかぁ！？」

T「デジたんは確かにプニプニかもしれないが……クソっ……解釈一致だ……」

デジタル「……何が起きてるのかさっぱり分からない！！！」

T「デジたんのエッチ！！！！」

デジタル「えっちなのはトレーナーさんの脳でしょうが！！！！！」

T「デジたんだろ！！！！！！！」

デジタル「トレーナーさんですっ！！！！」

T「……まあいい」

T「とりあえずは、両方ともえっち、ということで妥協しよう」

デジタル「不本意ですが、……まあそれでいいです」

T「それで、本当に近づいてきているのか？」

デジタル「はい」

T「明確に？間違いなく？」

デジタル「……」ｺｸﾘ

T「うーん……」

T「俺には見えてないからなぁ……」

T「なんかこう、……もうちょっと、特徴とかないのか？」

デジタル「特徴……」

デジタル「んー……んー……」

デジタル「えっと、……」

T「……」

デジタル「……」

デジタル「あ」

T「何か分かったのか？」

デジタル「……よくよく見たら」

デジタル「フニャフニャ、ぷにぷにというより……『くねくね』って動きしてますねぇ」

T「……」

…………

T「うわぁぁぁぁぁ！！！？」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

デジタル「うひゃぁぁぁぁっ！？」ｽﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

T「バカッ！デジたんのバカッ！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

T「どう考えてもくねくねじゃねーか！！！というか何でデジたんは発狂してないんだよ！！！！？」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

デジタル「わ、わかりませんよぉそんなのっ！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

T「まだ追いかけてきてるんだよな！？」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

デジタル「はいっ！追いかけてきてますっ！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

T「あああああもぅぅぅぅぅぅ……！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

デジタル「あ、トレーナーさん。これ粗茶ですがっ！！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

T「粗茶飲んでる場合じゃないんだよ！！！？！？？」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

T「もうお前……！お前、デジタル、毎日服脱いで全裸で登校しろ！！！変態アグネスアナログ！！！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

デジタル「あんまりな物言いっ！？」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

デジタル「でも、……トレーナーさんに罵声を浴びせかけられると、何故かドキドキが止まらなくなっちゃうんですよね……何故でしょぅ……♡」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

T「ごめんそれは分からない」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

アグネスデジタル。

この、変態勇者はくねくね程度の怪異では発狂せぬ。

しかし、トレーナーはどうか？

いや、そもそもの話怪異が見えていないのだから、発狂することはないのか……

……この二人、果たして逃げる必要があるのか？

私にも、分からない………

完