デジタル「トレーナーさん！月が綺麗ですねっ！」トレーナー「……」

デジタル「わ、見てくださいトレーナーさんっ！！」

T「どうした急に」

デジタル「窓の外！満月ですよ、満月！！」

T「……そうか、今日は満月か」

デジタル「いやぁ～……ウマ娘ちゃんの神聖な学び舎で見る天上の月……イイッ！！」

T「はは、そうか」

T「というか、もう夜なんだからデジタルにはさっさと帰寮して欲しいんだがな……」

デジタル「まあまあ、いいじゃないですかっ」

デジタル「トレーナーさんも、一人だと寂しいでしょ？」

T「残業はトレーナーの常だからな……」

デジタル「仕事するトレーナーさんも写真に撮っておきましょ」ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ

デジタル「……それにしても」

デジタル「……今日は、……月がとっても、綺麗ですねぇ～……」

T「……そうだな」

デジタル「ねっ、トレーナーさん！！」

T「……ああ」

デジタル「……」

デジタル「とにかく、綺麗！！びっくりするほどに、綺麗ですねっ！！！」

T「…………いやまあ、綺麗だけどさ」

デジタル「……すっごい綺麗ですよね。月。綺麗。月。」

T「…………」

デジタル「グレートビューティフォー！！！！」ﾊﾞｯ

T「英語になっちゃったな……」

デジタル「アイラブユー！！………………あっ」

T「……流石にそれは、直球だなぁ……」

デジタル「…………」

デジタル「ぷしゅー……」

T「……まあ、気持ちはありがたく受け取っておくよ」

デジタル「ああん……生殺しぃ……♡」

T「中学生でしょ、君……」

T「……でもさ」

デジタル「何でしょうか」

T「……考えたら、今日ってさ」

デジタル「？」

T「新月、だよな……」

デジタル「……え？」

T「……ほら」

デジタル「……ほんとだ」

デジタル「じゃ、じゃあ、あの月は、一体ッ……！？」

T「い、いや……俺にも、何が何だか……」

T「あ」

デジタル「……え？」

二人が、月だと思っていたもの。

それは、空を覆い尽くすほどに巨大な、

とてつもなく巨大な異形の瞳。

T「ヤバ、眼合っちゃった……」

デジタル「キモーイ！！！！！」

T「キモイなんて言葉使うんじゃない！！お仕置きだ！！！」

デジタル「うひょぁぁぁぁぁぁ♡！！？！？」

最早、お月見どころではない。

淵きの巨悪、

グレートオールドワンが現世に顕現する……

完