pixivは2021年5月31日付けでプライバシーポリシーを改定しました。
「嘘……」
「えへへ〜、カレンの勝ちですね!」
「そんな……私のポーカーフェイスは完璧だったのに……!!」
「逆に無表情過ぎて何も考えずにやりました」
「仇になったのね……」
「こう見えて、相手の表情の微細な変化も見逃さない観察眼を持ってるんですけど、アヤべさん微細な変化もないので直感でしたよ」
「はぁ……インディアンポーカーなんてやらなければ良かった……」
「ふふ、て・こ・と・で!!罰ゲームですね♡」
「……何する気?」
「うふふ〜♡すこーし待っててくださいね〜」
そう言うとカレンは部屋に置いてあるタンスを漁り出した。
「えーと……あ、あった!」
「……?」
「これ着てトレーナーさんに会って「断る」
「いや、早いですって」
「無理よ。なにそれ……メイド服?ほとんどスカートなんて丸見えじゃない!」
「えー。見えませんよ〜。カレンが1回着て試しましたもん!」
「無理。嫌。絶対着ない。死んでも断るわ」
「あれ〜?罰ゲームOKしたのアヤべさんですよね〜?」
「うぐ……」
「ま〜さ〜か〜……断るなんてこと……しませんよね〜?」
「……カレン」
「はーい♡」
「今回はその罰を受けてあげる」
「うんうん!」
「だけど、終わったら部屋を別にするから覚えときなさい」
「はー……はい???え、ちょ、酷すぎません?」
「ふん……何で私がこんな物を……はぁ……」
「え?あの……」
「もう寝るわ」
「アヤべさん?おーい、アヤべさ〜ん!!?」
「うるさい」
「カレンの扱い酷くない?」
「おやすみ」
「本気で寝るの!!?」
☆
「はぁ……これ……すっごく恥ずかしいんだけど……/////」
「似合ってますよアヤべさん!」
「うるさい」
「……」
「ほ、本当にこれを着てトレーナーに会いに行くの?」
「もちろん!あと〜、メイドと言えばご主人様呼びですよね〜?♡」
「貴女、正気なの?」
「正気なんですが」
「マジでやるの?」
「マジでやります」
「本気と書いて?」
「マジです」
「私の命日が今日なんて……あんまりだわ……」
「重く捕らえすぎてません……?」
「もういいわ。吹っ切った。やってやるわよ」
「流石アヤべさーん!あ、ちゃんとカレンも見てるので、これ付けてください」
「何これ?」
「このマイクからカレンが指示するのでそれを実行してくださいね♡」
「貴女、いい死に方しないわよ?」
「閻魔様だってカレンにメロメロにしてやりますよ」
「半端ない精神力ね……はぁ……」
「さ、レッツゴー!」
「死んでくるわ」
「死にませんからね??」
☆
「うぅ……やめたい……」
『アヤべさん、GO!』
「くっ……ト、トレーナー……失礼するわね」
トレーナーはいきなりこんな服を着た私を見て、どんな反応するのかしら……ドン引きされたらその場で息を引き取るわ。
「よ、ベ……ガ……?」
「/////」
「……え?」
「な、何か変かしら?ご主人…様?/////」
「え"っ???」
『取り敢えず、説明よろしくお願いします』
「こ、これは……昨日、カレンとトランプした時に負けた罰ゲームで着てるの」
「は、はい」
「だから!!私の趣味じゃないから!!/////」
「はい……」
「ちょっと!!下ばかり見ないでよ!バカ/////」
「あ!?ごめん!!」
「うぅ/////」
『カップルですか?』
「ぶち回すわよ?」
『ごめんなさい』
「それより……ねぇ、トレーナー。これ着た私を見て……なんかないのかしら?」
「え?すげぇ可愛い」
「そう……ふふ/////」
『乗り気じゃないですか〜』
「う、うるさい」
『ふふ、じゃあまずは〜……トレーナーさんにコーヒーでも入れてあげましょう』
「トレー……ご主人様、コーヒー入れてあげるわ」
「う、うん……ありがと?」
(ベガが動く度に…その……見えそうになってるのは指摘した方がいいのか……?)
「はい、お待たせ」
『はい!!そこで美味しくなーれ♡萌え萌えドキュン♡と言ってください!』
「はぁ!?」
「え!?」
「あ、いや……ご、ご主人様1度しか言わないからよく聞いてて」
「うん?」
「お……美味しくなーれ♡萌え萌えドキュン/////」
「」
「ドン引きされたのだけど!?」
『よく見てください。アヤべさんが可愛過ぎて鼻血出て失神してるだけです』
「ちょ、ご主人様!?」
「……はっ!?す、すまない……普段のベガなら絶対に言わない発言にキュン死しかけただけだ……」
「もう/////」
『はーい、イチャつかなーい』
「……」
「ありがたく飲ませてもらうよ」
「ええ。まぁ、いつも通りの味だけどね」
「ん……そうでもないみたいだ」
「え?」
「凄く甘いよ」
「……ふん/////」
『夫婦?』
「しばくわよ?」
『あ、はい……次は……どうしましょ』
「……?」
「ベガ?」
(何か固まったぞ?どうしたんだ?)
『あ!トレーナーさんの肩を揉んであげましょう!』
「……それぐらいなら……ご主人様、肩を揉んであげるわ」
「え?そこまでしなくていいぞ?」
『ゴリ押し』
「いいのよ。普段、私のために頑張ってる貴方のためなの」
「……そう言うならお願いしようかな」
「ええ」
『発情しないでくださいね〜』
「カウント4ね」
『なんの!!?』
「いくわよ?」
「おう」
私はトレーナーの後ろへ回り、肩に手を添える。普段トレーナーの肩なんて触る機会がないから新鮮ね。
ん?
「……あら、凄い硬い」
「まともに休んだ記憶があんまないな」
「ダメじゃない……休んでよ」
「ベガのことを思うと頑張りたくなるのさ」
「……バカ」
「それがお前のトレーナーだ」
「知ってるわ……ふふ」
「ははっ」
『熟年夫婦?』
「黙りなさい」
『……』
「あ、ベガそこ気持ちいいかも」
「ここ?」
「あ、ああそこ……上手いな揉むの」
「よく父にやってたからね……ここでも役に立つと思わなかったわ」
「良い娘さんを持ったもんだ」
『そこで、なら私を嫁に貰ってくれる?』
「な、なら…ご主人様」
「んー?」
「私を…よ……よめ……嫁に貰ってくれるかしら?/////」
「……はい?」
「なんでもない!!/////」
『あちゃ〜……』
「覚えてなさいカレン……!!!」
『ひっ……』
「ふぅ……もういいよ。ありがとうベガ」
「え?あ、うん」
『そこで後ろからハグ!!』
もう、逆らう気も起きない。 なるようになれってやつね
「……/////」
「ベガ!!?」
「黙ってて/////」
「えぇ……」
『むふ〜♡良いですね〜♡』
「くっ/////」
「なぁ、ベガ……これってやらされてるのか?」
『あ……』
やらされてる……ええ、やらされてるわね。 だけど、後半から私も乗り気だったのは否定出来ない。
「そうね……やらされてると言えばそうね」
「なら……」
「でも……私の意思も混じってる……の/////」
『っ!!』
「ベガ……」
「……/////」
『……ふふ、もうカレンはここで切るので後はお任せしますね』
カレンはそう言うとマイクをオフにした。 つまり、ここからは私の判断に任せるって事ね……
「ご主人様、もう少しこのままでもいいかしら?」
「気の済むまで」
「ありがと/////」
ダメね。トレーナーに抱き着いてると愛しいという想いが溢れて止まらない。
「……最初にこの格好の私を見てどう思った?」
「すげぇ似合ってて可愛いと思った。言葉に出来なかったけどな」
「そ……ありがとう/////」
私は更にトレーナーに対する抱擁を強くした。離れないように離さないように。
「私っていやらしい女かしら」
「そんな事ないだろ」
「カレンに言われたからって理由で貴方に何でもしてる気がする。それも私の意思も混じって」
「俺は気にしてないよ。驚きはしたけどね」
「私を突き放さないのね?」
「突き放して欲しかったか?」
「……その言い方はずるいわ」
「ごめん、ごめん」
「でも……ええ、いい物ねたまには」
「俺に抱きつくのが?」
「そう…貴方ってとても暖かいのね…ふふ」
「そうかな?自分じゃわからないや」
「そういうものよ……ところで」
「ん?」
「私はまだ貴方のメイドなのだけど……何か命令はあるかしら?」
「じゃあ━━━━━━━━━」
その命令は……ふふ……責任取ってもらわないとね?
「良いわよ。愛しのご主人様?」