ちょっと前なんですけど、ウツボ釣りのあとにタモ網持って港内をうろうろしてたら、すげー存在感のあるナマコを見つけまして。 一見すると普通のナマコ(マナマコ赤色タイプ)にも見えますが、ここまで大きくなることはまずないですし、体表のイボもちょっとでかすぎます。何より「夏眠」するはずのマナマコがこんな時期に見つかるはずもないので、おそらく違う種類でしょう。 調べてみた結果「アカオニナマコ」という種類だということがわかりました。 アカオニナマコはシカクナマコというグループに含まれるナマコで、断面が台形に近いのが特徴です。 持ち帰ってきたアカオニナマコは腹を開いて内臓を取り除き、薄くスライスします。 …(`・~・´)ん、ちょっと硬いけど、まあイケんことはないかな…… 煮付けの方は弾力がすごく、とれたてのモンゴウイカを食べているかのよう。しかし意外にも味が染みており、ご飯のおかずによさそうな感じです。 うん、十分じゃないですか? 食用に獲れとはいいませんが、マナマコの代用品にはならんでもなさそう。 味:★★★☆☆ 


間髪いれずタモぶっこんで掬ってみました。


例によって掬い上げるとちっこく縮んじゃうんですけど、それでも40cmほどありそうな大物。海中でリラックスしてたときは60cmくらいあったんじゃないでしょうか。アカオニナマコ、硬い



マナマコと比べるとともかくでかく、重くそして何より硬いです。クソ硬い。
ナマコは骨を持たない代わりに骨片という微細な骨を組織内に大量に持っており、それを集めたり散らせたりすることで硬くなったり柔らかくなったりすることができますが、こいつはそんな器用なことができるのかわからないくらい硬いです。
こうも硬いと食用にはならんだろうと思って調べてみたのですが、意外にも宮崎あたりでは食べられているようです。とはいえ西南日本には広く分布する種らしく、浅場にいるナマコでこれほどマイナーな扱いということは、やはり食べるに当たって何かしら不都合な点があるのでしょう。
不安になりつつも、持ち帰って食べてみることにしました。アカオニナマコ、硬いけど悪くない



うーん、ちょっと硬いな。軽く茶ぶりしましょうかね。
茶ぶりというのは字面通り、温めたお茶のなかでナマコの身をしゃぶしゃぶすること。


多少火が通ることで身が柔らかくなると同時に、カテキンやらタンニンやらの力で臭みが消えたり渋みが抜けたりするとかしないとか……
マナマコならやらないことが多いですが、アカオニナマコはやるべきでしょう。





半分はスライスしたキュウリと合わせてナマコ酢に、


もう半分は薄味でさっと煮付けてみます。


できた!いただきまーす
ナマコ酢のほうは茶ぶりしてもやっぱり硬く、奥歯ゴリゴリいわせながら噛み締めないと咀嚼できませんが、磯の香りと旨味があってなかなか乙な味です。
懸念の生臭みや、サポニン由来のエグみ、しびれもなく、これなら食用にできるなという実感があります。
肉厚だし、大きいし、中華の干しナマコにしたらもっと輝くかもね。あ、でもそんなこと言って中国人に目をつけられたらマフィアの資金源になっちゃうかもな……
入手難易度:★★★☆☆
さて、このアカオニナマコですが、産卵期だったようで卵を持ってました。いわゆる「このこ」ですね。


たぶんそのまま食べたらすごいエグかったり苦かったりするんだろうなぁと思ったんですが、少し口にしてみると臭みも苦味もなく、旨味が強くてプチプチしており大変美味しい!
こりゃいいやと思って「干して焼いたら美味いだろなー」とか思いながらバクバク食べてたら


突然めっちゃ鼻血出ました。あんまり大量に出たのでビビったw
サポニンの作用で毛細血管の血行がバチバチに良くなったんでしょうね。
もちろん皆さんのご想像どおり、翌朝は毛細血管の詰まった某海綿体がシャキーンとなりました。こう考えるとやっぱり、マナマコよりは大分サポニン多いんだろな……
赤鬼ナマコはカチカチだけど美味しい(あとカチカチになる)

















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