海老塚耕一展〜水・物質の誘惑〜 2012.3.2~3.25
「水と風に魅せられて、かなりの時間が経ちました。 時間があれば水辺に佇み、水面を眺めて過ごします。 風と水との出会いに心が震えます。 そこには物や事が触れあう《限界・境界・端》が確かに実在します。 現実の写しではなく現実自体がそこに確かにあり、 それが生存を支えてくれるのですが、それを知ることはできないわけです。 私たちの意識のなかに生みだされるものはすべて仮想ですが、 その仮想のうち、その現実自体を映し出していると推定される 現実の写しを現実と呼び習わしています。 けれども制作はその現実の写しを現実にする作業で、 水と風により生み出される《限界・境界・端》の有様を現したいと、 観察と思考、そして制作の日々を送っています。」—海老塚耕一