挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ブックマーク登録する場合はログインしてください。
打倒魔王の魔術学校生徒 作者:野河マコト
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました
9/28

9話 揉め事

現在時刻は……………、何時だっけ?

「えーと時計……あぁ、もう5時6分か…。4時間目も終了、てもう帰り学活も終えてたな…。」

俺が机に顔置いてこんなだらけているのには、当然理由がある。

それは…、暇だったから。

ふざけている訳では無い。本当に暇だったのだ。

自由時間の後、1時から5時にかけて4時間普通科目、つまり魔術学校以外の通常の学校と同じカリキュラムを行ったのだ。

だが今日は登校日初日。した事といえば、教科書とか書類等の配布に、国語、音楽、社会、数学の説明があっただけである。

つまり大事な事だけ聞けば、時間は恐ろしい程余るのだ。

故に、暇。

「あぁ、これでやっと帰れる…。」

帰ったら…えっと…、

「はっ!?」

しまった忘れてた!昨日新しい素材を仕入れたばっかりじゃないか!

こんなことしてる場合じゃないさっさと帰らねば!

鞄を持つと、俺はすぐに教室を出た。

廊下だろうが知るか!全力疾走で駆け抜けろ!

みるみるうちに3階を降り、1階、そして下駄箱をも通過していた。

このままスピードを維持して…て、左に居るのは佐久間、じゃなかった零央だ。

「おーい、零央〜!」

手を振って彼を呼び、近くまで駆け寄る。

「誠!どうしたの?」

「いやぁ、帰る途中で見かけたもんだから。」

「そっか…。そういえば、誠は何号室?近かったりするのかな…。」

「…ん?」

号室?一体なんの事だ?あ、そっか。大抵の生徒は学園内の寮で寝泊まりしてるんだったな。

「あ、俺学園寮に泊まらないんだよね。俺のやってるバイトが住み込みのやつだから。」

「そうなんだ。住み込みだなんて珍しいね。今度行ってみようかな。」

「もちろん大歓迎だ!ファウンテンピースって店だから、いつでも来ていいよ。俺は学校から帰った後と、朝の登校前、それから土曜日は働いてるはずだから。」

「了解。それじゃ——あれ?」

右に視線を移す零央。そのまま顔も横に向けた。

「どうした?…何だあれ?」

目線の先には、生徒が10数名集まっていた。

「とりあえず行ってみるか。」

「うん。何かあるみたいだし。」

俺たちは小さな群衆へ足を運んだ。


集団の中央に居たのは、女子生徒2名と男子生徒2名。女子生徒の方は新入生で、男子は高一辺りだろう。

何か喧嘩をしているようにも見える。何が発端だ?

近くに居るクラスメイトに尋ねた所…、

女子生徒達が上級生の男子にぶつかってしまい、怒りを買ったのだとか。

え?たったそれだけ?上級生器小さ…。

意図的にぶつかるなら分かるが、彼女らが登校初日にんな事する大馬鹿には見えない。

それなのにこんな大事にするかね…。

しょうがない、助けてやるか。

「ありがとう教えてくれて。」

クラスメイトに礼を言った後、俺は中央の4人へ歩き出し、ちょうど間のところに立った。

周りに少しざわめきがおこる。

「お前誰だ?」

男子生徒の1人が俺に問いかける。

あーどう名乗ろう…。いや、ここはシンプルイズベストでいこう。

「ただの新入生ですよ。」

俺は両手を顔の所まで上げ、抵抗の意思が無いことを示す。

「もうそれくらいでいいんじゃないんですか?彼女達泣きそうですし。」

1度後ろを見、振り向きながら言う。

「てめぇには関係ねぇ。部外者は黙ってろ。」

その言葉昼にも聞いたことあるような…。

ていうかここに来た時点でなんか言おうとしてるんだから、黙っとけではいそうですかと黙るわけなかろうに…。

「まぁ、部外者なりの意見を述べるとですね…。」

男子は舌打ちをしたが、それ以上は何も言わない。

「彼女達があなた方にぶつかってしまったそうですが、それはわざとぶつかった訳では無いと思うんですよ。初日から上級生をからかおうなんて根性あるやつはそうそういませんよ。

僕の見解だと、彼女達は誤ってぶつかってしまったと思っているんですよ。」

「要は前を見てなかったんだろ?だから俺たちはそれについて抗議してるんだ!」

もう1人がそう言い放つ。

だが、その場合の回答も考えている。

「前を見てなかったからぶつかった…。なら、それはそちらも同じなのでは?」

「んだと…?」

男が1歩前に出てくる。

だが臆する訳には行かない。

「仮に彼女達が前を向いて歩いてなかったとして、それならぶつかる前に2人が止まれば解決したはずです。もし下を向いていたのなら、お2人も前を見ていなかったのではないですか?」

まさにその通りだ。彼女達が前を見てないなら、止まるなり避けるなりすればいいだけなのだ。なのにぶつかったというのなら、それは男子生徒の2人も前を見ていなかったという結論になる。

「てめぇ…、部外者のくせに好き放題いいやがって…!」

男子の1人が、拳を握り出した。

こちらから手を出す気は無い。手を出したとしたら、向こうが先に拳を振るった場合である。

「…これは一応推測な訳——」

「また喋りやがったな!」

1人が、俺の顔に拳を突き出し、殴った。

  • ブックマークに追加
ブックマーク登録する場合はログインしてください。
ポイントを入れて作者を応援しましょう!
評価をするにはログインしてください。

― 感想を書く ―

1項目の入力から送信できます。
感想を書く際の禁止事項をご確認ください。

※誤字脱字の報告は誤字報告機能をご利用ください。
誤字報告機能は、本文、または後書き下にございます。
詳しくはマニュアルをご確認ください。

名前:


▼良い点
▼気になる点
▼一言
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。