参議院静岡補選の応援演説で静岡県の川勝平太知事が御殿場市について「コシヒカリしかない」などと揶揄(やゆ)する発言をして批判が相次いでいた問題で、9日、川勝知事は緊急会見を開き、「誤解されたことに責任はある」としましたが、謝罪はありませんでした。

【緊急会見 発言要旨】
緊急会見での川勝知事の発言要旨は次の通りです。

・一部の県議会会派から「選挙での発言が誤解をうんでいる。正しく県民に説明した方がいい」と言われ、会見を開いた。

・御殿場市は大好きで市民を揶揄したり傷つける気持ちはさらさらない。

・選挙戦で相手候補は「自分はご飯が好きで他は何もいらない。御殿場市にはコシヒカリがある」と言い、御殿場にはコシヒカリしかないというイメージを広げた人の主張に対し、県の35市町の代表になれる器量はないと言った。市民ではなく、前市長にむけた非難だ。

・ただ、御殿場市や市民に対し批判めいたことを言ったという批判がある。それは誤解だが、そう捉えられかねない発言をした私に責任はある。選挙中の論戦であったことを、ご理解たまわりたい。

・御殿場市や市民が劣るとか差別感はもっていない。これまで発展に尽くしてきた。御殿場の人たちが傷ついたなら本意ではないことを知っていただきたい。

【参院補選での演説要旨】
川勝知事は10月の参院補選で初当選した山崎真之輔議員(浜松市選出の前県議)の応援演説で、相手の自民党候補が市長を務めていた御殿場市について「コシヒカリしかない」「観光しかない」などと、下記のように揶揄(やゆ)する発言をしていました。

川勝知事 「あちらはコシヒカリしかない。だから飯だけ食ってそれで農業だと思っている。こちら(浜松市)にはウナギがある。これからカキも出てくるしシラスもある。そして三ヶ日みかんがある。肉もある。野菜もあるタマネギもある。何でもある。そういう所で育んできた青年を選ぶのか、はっきりしています」

この問題で御殿場市の勝又正美市長が遺憾の意を示し、川勝知事は11月2日沼津市で開かれた会議の冒頭で「誤解を与えおわびする」と陳謝したほか、会議の前に勝又市長に謝罪していました。

また県議会も問題視して8日の会派代表者会議で話し合われましたが、一部の会派が議会全体として行動をとることに反対したため、議会の抗議などは見送られ各会派ごとの対応となっていました。

この会見では、問題となった応援演説をした山崎議員に対し週刊誌の女性問題が浮上したことについて記者から感想を尋ねられ、川勝知事は「残念です。もう応援することはしない」と話しました。