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打倒魔王の魔術学校生徒 作者:野河マコト
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3話 属性

2時間目開始のチャイムがなる頃には、もうとっくにクラスのみんなは座っていた。

それを見て、切り替えが早いクラスだな、と思った。

さて、2時間目は何をするのやら。というか1時間目は元々魔法の生活について教える時間だったのだろうか?

最初の朝の学習の時間も使ってしまったから長く感じたのかもしれない。

「それじゃ、2時間目は君たちの魔法属性を見ていくぞ。

属性によって受講クラスも変わるから、しっかりやれよー。」

俺がそんな風に考えていると、先生がそう言い放った。

確かにクラスが別れるとなれば重要な事だ。自分が使えない魔法のことを説明されてもどうしようもないからな。

「あ、ちなみに3時間目は身体能力測定だから、真剣にやれよ。応援してるぞー。」

先生が話したその瞬間、クラスからどよめきが起こった。

「そんないきなり!?」とか、「嘘だろ、運動嫌い…。」とか言っている。

えっと…、そんなに嫌がったりすることか?

あ、もしかして俺はいつも体づくりしてるからかな。まぁ、俺は魔法騎士目指して入ったし、多くは魔法師になりたくて入ったのかもしれないしな。

あまりにもざわめきが収まらなかったもんだから、俺は手を挙げて先生に質問した。

「先生、属性を調べるには具体的にどうすればいいんですか?」

手を挙げた時点である程度静まり返った。

だが先生が話し始めたら、直ぐに元の静けさが戻った。

やっぱりこのクラスは切り替えが早いと思った。

「いい質問だ。まず、みんなにこれを配るぞ。」

そう言った後、前から後ろへ大小1つずつの電球が配られた。

「今配った電球は、魔法用に改造したものだ。先端に力を込めれば、簡単に魔法属性が分かる。大きい方は主力属性、小さい方は副力属性を調べることが出来る。」

「主力属性と副力属性とはなんですか?」

俺が手を挙げて問おうとした時、既に佐久間君が質問していた。

「主力属性は自分が最も使いやすい属性、副力属性は残り3つの属性の中で適応する属性を指す。

このパターンには個人差があるから、推測することは出来ないぞ。」

要するに、1番と2番って事だな。

そんな簡単な事でも、佐久間君はメモを取っている。凄く真面目だな。

やはり彼と親しくなれて良かった。

「これから1人ずつ属性を確認していく。

だが自由に話し合っていい訳じゃないからな。気を付けとけー。」

…て、1人ずつやってくの!?

それだけに50分も使うのかよ…。

でもよく考えてみれば必要か。

また新しいクラスを考えないといけない訳だし、しょうがないか。

先生が属性を確認し始めてから約13分後、ようやく俺の番が来た。

いや疲れた。

何もしてなくても疲れた。

だって暇だったから。て、誰に向かって話してるんだ俺は。

「よし、河野。電球に力込めろ。」

言われる前から既に持っている。さっさとこの暇な時間から解放されたい…。

大きい方の電球に力を込めた結果、青く光った。これはつまり…。

「河野の主力属性は水か。…いや、でも微かに白も混ざってる…?」

言われてみれば、純粋な青と比べれば水色に近い気がする。でもそれがどうしたんだろう?俺は水が主力属性ではないのか?

「どうやら河野は『氷』みたいだ。第二属性が主力属性とはまた珍しいな。」

…ん?氷?第二属性??

ちょっと待てちょっと待て。

突然知らないワードをポンポン出されても困るだけなんですが…。

「あの…、第二属性って?」

「あぁ、後で説明する。さぁ、副力属性もやってくれ。」

流された、訳では無いみたいだが後回しにされた。

まぁ、全員分の属性見なきゃいけないんだから無理もないか。

んじゃ、副力の方もやっちゃいますか。

小さな電球は、緑に光った。

「副力属性は『風』と…。よし、終わったぞ。」

と、先生は後ろの人へ向かった。

あれ?まさか…、「第二属性」の説明って、全員が終わってから…?

嘘だろ…。

それから更に15分後、やっと属性の調査が終わった。いやまじしんどい。暇すぎてやることがないんだよ…。

「さて、全員終わった訳だが、調べてる間に同じ質問がいくつか出た。」

あぁもう分かったよ。前置きはそれくらいにしてくれ。しんどい。

「それは、第二属性についてだ。

知っての通り魔法には4種類の属性がある。だが、その4つの属性にはそれぞれもう1つ属性が隠れているんだ。

『火』には『熱』、『水』には『氷』、『土』には『金属』、『風』には『雷』と言ったように、基本4属性に付随している属性を、『第二属性』と呼ぶんだ。例えば熱は、付随している火が負ける水に勝つ。逆に火が強い風には負けるという相性になっている。」

つまりは基本の逆で相性が働いてるってわけだ。そう纏めればすぐ済む話なのに。

「基本的には第二属性は主力属性には入ることはない。

だが副力属性に入ることは少なくないし、今回の場合は主力属性に第二属性が入っているやつもいた。」

つまり俺ってことだ。他に居ないのかな?まぁでも、第二属性だからって強い訳でも弱い訳でも無さそうだし、ただ単に「珍しい」ってだけか。

それに、属性なんて俺には関係無いし。俺は魔法の技術も磨いて、あの目的を果たすだけだ。

先生がまた新しい話をし始めた時、心の中で自身の目的を再確認した。

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