▼導入 ふと、目が覚める。 時刻は午前一時を指していた。 もう一度眠ろうと目を閉じるが、なかなか寝付けない。完全に目が冴えてしまったようだ。 仕方なしにSNSなんかを見るともなく見ていると、こんな呟きに目が留まる。 「ご報告。○月○日、友人の○○が逝去しました。 家でゲームして酒を飲んで駄弁りながら寝て、朝僕は仕事の締め切りがあったので早く起きたんだけどまだ○○は寝てて。昼になったからそろそろ起こそうとしたら顔が真っ青で、呼吸が止まってました。 慌てて救急車を呼びながら心臓マッサージをして、救急隊員さんが来た時に荷物を持って一緒に病院に向かいました。 悪いとは思ったけど財布の中を見て連絡先を確認し、ご家族に連絡をして来てもらってから一時間くらい後に病室から出て来た先生に「ご臨終です」って言われて。 さっきまで普通に喋ってたので、実感が湧かずに、涙も出ませんでした。 ひとってあっけなく死ぬんだな、みたいなこと考えてて。 葬儀は身内と友人数人だけで執り行いました。 ○○のファンだった皆さん、○○を支えてくれて有難うございました。 本人もきっと喜ぶと思いますので、○○に関する二次創作などは続けて掲載してもらっていい、とご家族の方から許可をいただいています。 皆さんに愛されて見送られる方が、僕も○○は嬉しいと思います。 ちょっとまだ心の整理ができてなくてバラついた文章ですが、以上をもって報告とさせていただきます。」 自分は知らなかったけれど、ネットタレントらしき人物の訃報。 それを読み終わった途端に、ふと隣から聞こえる寝息や昔考えて恐ろしくなった宇宙の大きさが一瞬で脳裏をよぎって、こわくなった。 ひとが死ぬのは怖い。 そう思ったら、眠れなくなった。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ シナリオ「ひとが死ぬのはこわい。」 推奨技能：なし 推定時間：RPによる シナリオ形式：少しKPCが出るだけのほぼソロシナリオ 備考：宇宙が広がり続けていることを考えて怖くなったり、 夜空を見上げて宇宙が透けて見えていることに恐くなったり、 夜のばけものの口みたいな海が怖いと思う探索者推奨。 ひとが死ぬのはこわい。 ああ、怯えてブランケットに丸まった自分を、夜が見ている。 そう思ったら、眠れなくなった。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ ・シナリオ本文pdf ・シナリオ本文txt ・トレーラー3枚