なんとかDクラスと協定関係を結べた私は、今期末テストに向けてのお泊まり勉強会を一之瀬さんの部屋で行っていた。参加者は、私、神室さん、一之瀬さんだ。大体私がわからないところを2人に教えるという感じになっている。今回は神室さんにもう報酬いらないかと聞くと、やる気を落としてしまったので、5教科合計460点行ったら、なんでもいうこと聞くということにした。それよりもポイントあげようかと、提案したら、そんなものいらない、と聞いてくれなかった。本当に何を企んでいるんだ…。
そしてこの話を一之瀬さんに聞かれてしまい、一之瀬さんもこれに参加したいという。いや、私たち付き合ってるって噂されてるのにそんなんでいいの?ちなみにお願いはなんだと聞くと、内緒、と言われてしまった。
勉強もそこそこ進んで、そろそろ6時になるので夕食の準備だ。今回は一之瀬さんが手料理を振る舞ってくれるそうなので、私は神室さんと一緒にリビングでくつろぐことにした。
「一之瀬さんは手料理が上手そうですね。ここからでもとてもいい匂いがします」
「そうね、あんたよりは上手なんじゃない?」
「ぐっ、私も負けてられません…!」
一之瀬さんの、できたよー、という声からテーブル席につき、どんな料理か見てみると、グラタンであった。思わず見ているだけで口の中美味しそうなイメージが湧いてくる。すると私のお腹から、くぅ〜、というお腹の音が鳴った。
「あはは、坂柳さんかなりお腹空いてたんだね」
「いえ、今の椅子の擦れる音です。断じて私のお腹が空いた音ではありません」
「あんた顔真っ赤だけど」
えーい!そんなことはどうでもいいんじゃい!早く食べよう!
私が内心開き直っている間に2人は、グラタンを食べ始めていた。私も急いでグラタンを食べる。
「「美味しい…」」
「えへへ、そう言ってくれると作った甲斐があるって思うから嬉しいよ」
本当に美味しい…!グラタンは作るのに手間がかかるので、私は作ったことがなかったのだが、今度作ってみようかな…。
☆☆☆
勉強が終わり寝る時間となった時、一之瀬さんが、
「あ、ベッドひとつしかないや…。どうしよう…」
となっており、この前の反省を活かせなかった私はもう三人で寝ない?と提案した。たしかに少し狭いが問題はないはずだ。
「……そっか、小さい坂柳さんを上にして寝れば、問題はないのかも…」
「あ、それいいかも」
いやよくない。非常に良くない。私は巨乳な2人に挟まれて寝るのは勘弁していただきたい。私の何がとは言わないが足りないものがより顕著に出てしまう…。それに子供扱いされているようでなんかやだ。
「でも、それしか三人で寝るには方法がないからなぁ」
「………はぁ、わかりました。それでもういいですよ…」
先に折れたのは私であり、早速寝ることとなった。
2人の上で寝るのはなんかちょっとだけとても柔らかい布団の上にいるような感じがした。
☆☆☆
期末テストも終わり、この二人は私の設定した目標を普通にクリアしていて、神室さんに対してはもう原作よりも絶対に学力高くなっている。嬉しいことなんだが私にどんなことお願いしてくるのか少し不安である。
一之瀬さんのお願いは名前で呼び合おうということで、これからは帆波さんと呼ぶこととする。少しむず痒さがあるが、帆波さんも同じようで私の名前を呼ぶのは少し顔を赤くして呼んでいる。まぁ、そのうち慣れていくだろう。
神室さんも一之瀬さんと同じようで名前呼びを所望してきた。神室さんにしては意外だと思っていたけど、それだけ私への好感度が高いということで私はとても嬉しく感じた。
そして今私は船酔いという強敵と戦っていた。時間は進んで私たち高度育成高等学校の一年生は、夏のバカンスを楽しむために豪華客船に乗って無人島へと向かっているところだった。実際は、特別試験をするためなのだがみんなはそんなこと考えもせず、はしゃぎまくっている。
そんなみんなを羨ましい眼差しで見ながら、私は一之瀬さんと神室さんに背中をさすられて、嘔吐感に耐えているところだった。前にも話したが、車酔いも気持ち悪くなってしまう。そんな私が、船の上で船酔いしないことはまずあり得ないだろう。
私はみんなの前では絶対に吐かないと決めているためなんとか踏みとどまり、薬をたくさん飲んで耐えていた。
「うっ、気持ち悪い…」
「はぁ、うちのリーダーがこんなんだと不安だわ」
「大丈夫?有栖さん。無理しないでね?」
2人の応援(真澄さんは除く)をもらったおかげか、少しずつ落ち着いてきてまだ少し辛いが歩ける程度には回復してきた。
「………ふぅ、なんとか落ち着いたみたいです。心配かけてすみません」
「ううん、大丈夫だよ!困った時はお互い様ってね」
「はぁ、しっかりしてよね。あんた一応Aクラスのリーダーなんだし」
真澄さんは私のことを「あんた」と呼ぶので、有栖とは呼ばないから少し悲しい。後、一応って何?
あ、船内アナウンスで無人島に到着したという、アナウンスが流れた。有意義な光景だってさ。Aクラスが使う予定の洞窟でも見てきますか。
私は2人を連れて無人島を見るため人だかりの中を掻い潜り、無人島を眺める。あそこで七日間も無人島生活するのかぁ。私にできるか不安である。足を引っ張らないように頑張ろう。いやでも、原作では参加できなかってあらかじめ30ポイント引かれていたが、今回は参加するだけで算出は抑えられるから、そこまで考える必要もないか。
「わぁ、こんなところでバカンスできるなんて学校側も太っ腹だね」
一之瀬さんはこれがまだ特別試験をするということに気づいていないようだ。でもまぁ、無理もないよね。
豪華客船は無人島を一周してから、開けている砂浜へと上陸した。やっとこの船酔いから解放される…。
降りる時には携帯は没収され必要最低限のものしか持って行ってはいけない。この時点で察しのついた一年生は、限られてくるのではないのだろうか。
「これより、本年度最初の特別試験を行う」
真嶋先生が拡声器を片手に特別試験開始を宣言する。それを聞いた生徒たちは、どよめきだし、口々に文句を言い始めた。真嶋先生は今回の試験の意味を丁寧に伝えると、生徒たちは納得はしていないが、理解したように静かになった。まだDクラスは少し騒がしいが。
自由をテーマにした無人島試験。マイナスになることはないが、他クラスとの差を開く重要な試験である。
真嶋先生の大体の説明を終えると、各クラスに分かれて細かな特別試験のルール説明が行われた。簡単にまとめると、
各クラス300ポイントをもらってマニュアルに書いてあるものを買える。残ったポイントがクラスポイントに加算される。
リタイアや環境破壊などでマイナスを喰らうこともある。
リーダーを決め占有地を確保でき、最終日の点呼で他クラスのリーダーを当てると50ポイント。当てられり、外したりしてもマイナス50ポイント。
大体こんなところだろうか。
説明も終わり自由な時間が訪れる。Aクラスのみんなはそれぞれ私が話し出すのを待っている。そう、原作とは違いすでにこのクラスは統一されているのだ。原作では葛城派と坂柳派で別れていたが、私のやり方に不安がないと葛城くんが言っており、リーダーとしてふさわしいのは私と認めてくれたのだ。まぁ、私情よりもクラスのことを第一に考えているから当然っちゃ当然だよね。
「では、まず最適な占有地を探そうと思いますが、あちらの方角にとても大きな洞窟があると思うのでそこを拠点にしたいと思っています」
私がそう言うと、全員がなんの反論もなく私が指し示した方向に進んでいった。
私もそれについていこうとすると、龍園くんが話しかけてきた。原作同様に契約を結びに来たようだ。
「おい、有栖。CクラスとAクラスでの契約書だ」
そう言うと、こちらの有無も聞かずに乱暴に契約書を渡してきた。このやり取りは森の中でしているので他クラスにバレることはないだろう。契約書の内容は、300ポイント分の物資をやるから毎月Aクラス全員から2万のプライベートポイントをよこせと、BクラスとDクラスのリーダー提供いう内容だった。実質私達に有利な契約であるため引き受けてもよいが、私はあえて引き受けない。
「そうですね。私達に有利な内容での契約。しかし、私達には必要ありません」
私はそう言うと、契約書を龍園くんの前でビリビリに破く。これには龍園くんも驚いたようで、目を見開いたあとバカにしたように鼻で笑ってきた。
「はっ!自分たちに有利な契約をわざわざ蹴るとはな、リーダーとして失格なんじゃないのか?」
「いえ、私は龍園くんの契約には乗りませんが、私からも契約してほしいことがあります」
私の言葉に龍園くんは笑っていた表情を崩し、眉をひそめる。
「内容はこうです。私達Aクラスのリーダーを6日目の夜にお教えします。もちろんカードで証明しましょう。その代わりにBクラスのリーダーを探って情報を提供してください。」
「おいおい、お前の彼女のクラスを攻撃するのか?容赦ねーな」
「何度も言いますが、私と一之瀬さんは付き合っていませんよ」
「クク、まあいい。いいぜ、その提案受けてやるよ」
龍園くんはそういうと、契約書にサインをして、6日目の夜にAクラスの拠点に行くと言ってCクラスの方に向かって行った。
さて、これから私の一番嫌いな体を動かす試験が始まろうとしている。Aクラスのみんなに任せちゃダメかな?
無人島試験…。考えるのが大変だから、どれだけよう実の二次創作作っている人が大変かわかる…。
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