福井県立恐竜博物館(勝山市)で開催中の特別展「海竜~恐竜時代の海の猛者たち~」(同館、福井新聞社主催)の関連企画で、東京都市大学理工学部の中島保寿准教授が11月7日、同館で講演した。参加した約50人に、特別展で取り上げている魚竜類などの絶滅した海生爬虫類について、そのユニークな生態や体の仕組みを紹介した。
中島准教授は古生物学が専門で、自身の最新の研究成果も交えながら、約2億5千万年前に陸上にいた爬虫類が海へ進出してダイナミックに進化したことを強調。魚竜類では、ひれ状になった前後の足の指の数が12本の種がいたとし「陸上の爬虫類は基本的に5本。からだづくりのルールを簡単に破ってしまっている」と指摘した。
また「ウタツサウルス」など原始的な魚竜類でも、現代の深海や外洋で生活する動物と同様に骨の内部がスポンジ状になっている種がいたと説明。「すごいスピードで進化し、環境に適応していったと考えられる」と述べた。
首長竜類については、鹿児島県で発掘された化石から、未消化の動物の骨などが凝集した「ペリット」とみられる物体が発見されたことを報告。現代ではアシカなどに食べた餌を「ペリット」にして吐き出す習性があるとし「同じような消化システムだったと考えられる」とした。