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<歌詞和訳>Working Class Hero – John Lennon 曲の解説と意味も

2019-10-22John Lennon 歌詞和訳[社会] 風刺/抗議

John Lennon – Working Class Hero
ジョン・レノン – ワーキング・クラス・ヒーロー(邦題:労働者階級の英雄)

 

ジョン・レノンの初のソロアルバム「John Lennon/Plastic Ono Band」(邦題:ジョンの魂 1970年) に収録されている曲です。

 

歌詞の意味と解釈

日本と違い、イギリス社会には明確な “階級“(Class) が存在します。

それは、労働者の家庭(ブルーカラー) の子供は労働者のまま、裕福な家庭(中産階級) の子供は相応の教育と職業が約束される、という社会のシステムです。

(現代の日本に階級が無い理由の一つに、第二次世界大戦で敗戦した日本では、GHQによって “階級や格差” が破壊された事(財閥解体や農地改革など) が挙げられます)

ジョン・レノンは中流家庭の叔母の家庭で育ちましたが、他のビートルズのメンバーと同様に、自身を「労働者階級」と考えていたと思われます。

 

歌詞には、労働者階級が直面する上流・中流階級からの「支配」や「搾取」が克明に描かれています。

一方で、タイトルの「労働者階級の英雄」とは何なのか、曲中には示されていません。

しかし、「ワーキング・クラス・ヒーロー」がジョンの代名詞として、ベストアルバムのタイトルにもなっている点を考えると、「労働者階級の代弁者」などと解釈するのが適当かと思われます。

そして、この曲の皮肉っぽいトーンと合わせると、「労働者階級の声を代弁し、人々を導こうだなんて大そうな話だよ」(僕には手に負えない程に)という解釈が、しっくりくると思います。

 

歌詞と和訳

Written by John Lennon

As soon as you’re born, they make you feel small
By giving you no time instead of it all
Till the pain is so big you feel nothing at all

A working class hero is something to be
A working class hero is something to be

君が生まれるとすぐ、奴らは君を卑屈にさせる
与えられる代わりに時間すら奪われ
苦しみが巨大になるまで、気付くこともできない

労働者階級の英雄だなんて、たいしたものさ
労働者階級の英雄だなんて、たいしたものさ

 

feel small 恥ずかしく思う、肩身が狭い
instead of ~の代わりに、~ではなく

 

They hurt you at home, and they hit you at school
They hate you if you’re clever, and they despise a fool
Till you’re so fucking crazy, you can’t follow their rules

A working class hero is something to be
A working class hero is something to be

家では傷つけられ、学校では痛めつけられる
賢ければ憎まれ、馬鹿なら侮辱される
奴らのルールさえ聞けなくなるほど、気が変になるまで

労働者階級の英雄だなんて、たいしたものさ
労働者階級の英雄だなんて、たいしたものさ

 

When they’ve tortured and scared you for twenty-odd years
Then they expect you to pick a career
When you can’t really function, you’re so full of fear

A working class hero is something to be
A working class hero is something to be

奴らは20年もの間、君を苦しめ、脅かしておきながら
立派な職に就けという
君が全くの役立たずなら、恐怖に支配される事になる

労働者階級の英雄だなんて、たいしたものさ
労働者階級の英雄だなんて、たいしたものさ

 

torture 拷問、苦悩、苦しめる
scare 怖がらせる、脅す、恐怖
career キャリア、生涯、経歴、(特別な技能を要する)職業
function 機能、職務、役目

 

Keep you doped with religion and sex and TV
And you think you’re so clever and classless and free
But you’re still fucking peasants as far as I can see

A working class hero is something to be
A working class hero is something to be

宗教漬け、セックス漬け、テレビ漬けにされたまま
君は自分が賢くて、階級差別とは無縁で、自由だと思い込む
だけど僕から見たら、君はどうしようもない無知なヤツだ

労働者階級の英雄だなんて、たいしたものさ
労働者階級の英雄だなんて、たいしたものさ

 

peasant 小作人、田舎者、無学者

 

There’s room at the top they’re telling you still
But first you must learn how to smile as you kill
If you want to be like the folks on the hill

A working class hero is something to be
A working class hero is something to be

奴らは”上層階”にまだ空き部屋があると君をそそのかす
だけど”丘の上のエリート”の仲間入りしたいんなら
まずは人殺ししながら笑えるようにならなきゃね

労働者階級の英雄だなんて、たいしたものさ
労働者階級の英雄だなんて、たいしたものさ

 

If you want to be a hero well just follow me
If you want to be a hero well just follow me

英雄になりたけりゃ、僕みたいにやればいい
英雄になりたけりゃ、僕みたいにやればいい

 

 


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収録アルバム

アルバムジャケットを押すとアマゾンのページへ移動します。

John Lennon/Plastic Ono Band(邦題:ジョンの魂 1970年)

 

ジョンの実質的なソロデビュー作。シンプルなサウンドと、ジョンのむき出しの精神性が融合した作品です。

 

Working Class Hero – The Definitive Lennon決定盤ジョン・レノン~ワーキング・クラス・ヒーロー 2005年)

 

2枚組38曲収録のベストアルバムです。ややマイナーな曲も入っており、ジョンのソロキャリアを総括するには最適です。