ニーナとうさぎと魔法の戦車(2)薮口黒子 兎月竜之介
百合度★★★☆☆
百合好きの間で大人気の小説「ニーナとうさぎと魔法の戦車」のコミカライズ第2巻!
巻末の描きおろしも百合百合でしたね。薮口黒子先生ドロキキがお好きなような(笑)。
ドロシーと一緒に柔軟をしながら、ドロシーの重みを感じても、潰してドロシーの感触を確かめても幸せを感じてしまうキキが良いです(笑)。
エルザをびしばししようとハァハァしてるクーも♪
作戦会議の最中もピジョンズにからかわれるつつ可愛がってもらうニーナ。
「口移しで飲んじゃう?」「ソーセージ半分こしましょう」とそれぞれ迫るシンシア&モニカの双子が良いですね。ソーセージ半分こ、原作では両端から食べあおうと言っているのですが、漫画版ではその台詞はない代わりにシンシアがソーセージを実際にくわえて片方の端を突き出してて絵でちゃんと説明しています。
ニーナを気遣ってしっぷをとりかえてあげましょうかと後ろから抱きしめてあげるモニカですが、合体技について話してる際、ピジョンズが合体と言うといかがわしいなどと話したりするのはオリジナル展開ですね。
野良戦車との対戦、巨大な敵を前にして怖がってるエルザとクーが無意識のうちに抱き合ってしまってるのがかわいい♪
道ばたで倒れてる(寝ている)クーに、ニーナがマウスツーマウスで起こそうとするシーン、その後クーが「優しくして」と言いながら自分からも抱きつくシーン、こういうところも、原作にはイラストはついてなかったんですが、絵がついてると臨場感も増しますね~。
シンシアのことにショックを受け、蟻を踏みつぶそうとしたり、笑ってるつもりなのに笑顔が出ないシーンとかもキャラクターの表情が分かる漫画ならではの良さが出ていました。
憎しみに駆られて正気を失いかけているニーナをドロシーが諭すシーンも良いですね。この2人の組み合わせも好きです。原作1巻の表紙になってる2人ということもあって、原作最初に読んだ時はドロシー×ニーナでくっつくんじゃないかと思って読んでいたものです(笑)。
番外編は、カトリという少女に助けを求められた首なしラビッツが村にやってきて…という展開の中編。
最初はニーナに心を許していなかったカトリですが、ニーナの明るくて頼もしい振る舞いや、生い立ちを知るうちに心を開いていくようになるのでした。
扉絵のシンシア&モニカのイラストも美しいんですが、やはり原作の展開もあってもの悲しさも漂ってますね…。最初読んだ時一番好きだったのがこの2人だったんで、個人的にもちょっと悲しかったり…。でも美しい二人です。
原作最新刊も2月22日発売!ドロキキの過去エピソードが描かれるようですよ。こちらもチェックしてみてください♪
こちらに兎月竜之介先生のインタビューが掲載されているのでこちらも是非読んでみてください。
Q.今いちばん人に伝えたいことはなんでしょう?素晴らしすぎる頼もしいお言葉です(笑)。
人間たちはまだ、百合が持っている本来の力を引き出せていません。
可能性が大きすぎるあまり、創作の技術が追いついていないのです。
僕もさらに精進していきたいと思うので、どうか今後もお付き合いください。
この小説が始まった頃はかなり珍しかった題材だったんだけど、その後なぜか戦車+美少女モノというのは増えてきたのかな?でも戦車モノがいろいろ出てきても、この作品が一番ガチ百合度も高いし、描写もハードですね。要するに一番濃いんです。
正直2巻収録パートはそれほど百合度の高い展開が収録されてるパートではありませんが、今後コミカライズが続けば百合度の高い展開までたどり着くのは間違いないですし、なにより次世代の百合小説家エースの兎月竜之介先生を応援することは、今後の百合ジャンル、特に小説ジャンルの発展に繋がることだと思いますよ~。是非2巻もゲットしてくださいませ♪
1巻の紹介はこちら。
原作も面白いですよ~。漫画版読んでたらまた原作も読みたくなってきたので、今度はこちらを読みましょう♪