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技術 毛乳頭細胞増殖促進剤、テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤、アンドロゲン受容体結合阻害剤、血管内皮増殖因子産生促進剤、骨形成タンパク質−2産生促進剤、インスリン様増殖因子−1産生促進剤、育毛剤及び頭髪化粧料

出願人 丸善製薬株式会社
発明者 大戸信明村上直子
出願日 2007年5月11日 (14年6ヶ月経過) 出願番号 2007-127366
公開日 2008年11月20日 (13年0ヶ月経過) 公開番号 2008-280308
状態 特許登録済
技術分野 糖類化合物 化粧料 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 植物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 促進機構 形成時期 アマロゲンチン 植物由来抽出物 キナ皮 酵素誘導剤 多孔性樹脂 チライト
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重要な関連分野

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課題

解決手段

チライトからの抽出物アマロゲンチン及び/又はアマロスウェリンを有効成分として含有することを特徴とする毛乳頭細胞増殖促進剤、テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤、アンドロゲン受容体結合阻害剤、血管内皮増殖因子産生促進剤、骨形成タンパク質−2産生促進剤、インスリン様増殖因子−1産生促進剤、育毛剤及び頭髪化粧料である。

概要

背景

毛髪成長は、成長期退行期休止期からなる周期的なヘアサイクル毛周期)に従って成長及び脱落を繰り返している。このヘアサイクルのうち、休止期から成長期へかけての新たな毛包が形成されるステージが、発毛に最も重要であると考えられている。そして、このステージにおける毛包上皮系細胞の増殖・分化に重要な役割を果たしているのが、毛乳頭細胞であると考えられている。毛乳頭細胞は、毛根近傍にある外毛根鞘細胞マトリックス細胞とからなる毛包上皮系細胞の内側にあって、基底膜に包まれている毛根根幹部分に位置する細胞であり、毛包上皮系細胞へ働きかけてその増殖を促すなど、毛髪への分化に重要な役割を担っている(例えば、非特許文献1参照)。

このように、毛乳頭細胞は、毛包上皮系細胞の増殖・分化及び毛髪の形成において最も重要な役割を果たしており、従来、毛乳頭細胞に被験試料を接触させて、その細胞の増殖活性の有無及び/または強弱を測定することで、その被験試料の育毛効果検定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、従来、毛乳頭細胞増殖促進作用を有する生薬としては、例えばハトムギ抽出物ワイルドタイム抽出物スギナ抽出物、ショウブ抽出物ローズマリー抽出物ウコン抽出物シラカバ抽出物及びコウチャ抽出物などが提案されている(例えば、特許文献2参照)。

多くのステロイドホルモンは、産生臓器から分泌された分子型のまま、受容体と結合してその作用を発現するが、アンドロゲンと総称される男性ホルモンの場合、例えばテストステロンは、標的臓器の細胞内に入ってテストステロン5α−レダクターゼにより5α−ジヒドロテストステロン(5α−DHT)に還元されてから受容体と結合し、アンドロゲンとしての作用を発現する。

アンドロゲンは重要なホルモンであるが、それが過度に作用すると、男性禿頭多毛症脂漏症座瘡前立腺肥大症前立腺腫瘍児性早熟など、さまざまな好ましくない症状を誘発する。そこで、過剰のアンドロゲンの作用を抑制することによりこれら好ましくない症状を改善する手法が検討されている。具体的には、テストステロンを活性型5α−DHTに還元するテストステロン5α−レダクターゼの作用を阻害することにより、活性型5α−DHTが生じるのを抑制する方法と、テストステロンから生じた5α−DHTが受容体と結合するのを阻害することにより、アンドロゲン活性を発現させない方法とが提案されている。

前記方法が検証された結果、シプロテンアセテートオキセンドロン酢酸クロマジノンなどの有効性が確認された。しかしながら、前記化合物は、ステロイド類似構造を有しているために、ホルモン様作用などの好ましくない副作用を有するという欠点がある。また、従来、テストステロン−5αリダクターゼ阻害作用を有する生薬としては、例えばChoerospondias属に属する植物(例えば、特許文献3参照)、五斂子(例えば、特許文献4参照)、紅豆杉欖、、穿心蓮(例えば、特許文献5参照)などが知られている。また、これまでに、5α−DHTとその受容体との結合を阻害する作用を有する生薬としては、例えばマジト、カチュア(例えば、特許文献6参照)、(例えば、特許文献7参照)などが報告されている。

血管内皮増殖因子VEGF)は、分子量34〜46kDaの糖蛋白質であり、血管内皮細胞に特異的な増殖因子として脳下垂体濾胞細胞培養液から発見され、血管透過性因子(VPF)と同一物質であることがわかった。VEGFは、下垂体細胞以外に、平滑筋細胞マクロファージ肺胞上皮細胞肝細胞、毛乳頭細胞などの正常細胞で産生され、また、グリオーマ神経膠腫)、乳癌胃癌大腸癌などの多くの腫瘍細胞からも産生されることが知られている。VEGFは、血管内皮細胞に働き、細胞の増殖、遊走を促進させたり、血管新生を促進させたりする作用がある。VEGFは、胎生期の心臓形成時期に、強い発現が認められることが知られている。VEGF遺伝子が欠損すると血管系の異常が起こり、胎生期に死亡することが報告されており、VEGFが、個体の発達組織形成において極めて重要なはたらきを持つことが示唆されている。最近では、VEGFファミリーの新しいメンバーであるVEGF−Cが、強力なリンパ管新生因子として皮膚におけるリンパ管の成長を仲介していることが報告された。

ところで、毛包においては、外毛根鞘細胞及び毛乳頭細胞が、VEGFを産生することが知られている(例えば、非特許文献2,3参照)。毛包においてVEGFの産生を阻害することは、ヘアサイクルの成長期の遅れと毛包サイズの矮小化に繋がることが見出され(例えば、非特許文献4参照)、このことから、毛包の発達や再生にVEGFが重要であることが示された。これまでに、VEGF産生の促進作用を有する植物エキスとして、ヒルガオ科アサガオカラクサ属植物(例えば、特許文献8参照)、ローヤルゼリー(例えば、特許文献9参照)、L−グルタミン酸又はその塩、L−セリンPCAピロリドンカルボン酸)又はその塩、モノニトログアヤコールナトリウムクロレラ(Chlorella vulgaris)の抽出物、ユズCitrus junos)の果実の抽出物、ウンシュウミカン(Citrus unshiu)の果皮の抽出物、エイジツ(Rosa multiflora)の果実の抽出物、イチョウ(Ginkgo biloba)の葉の抽出物より選択されるもの(例えば、特許文献11参照)などが知られている。

骨形成蛋白質(BMP)は、異所的骨形成誘導するタンパク質として発見されたが、その後の研究によって、細胞増殖や分化調節を介して、体軸形成やほとんど全ての器官形成に必須の役割を果たす多機能因子であることが知られるようになった。皮膚においては、BMPが体毛を形成する器官である毛包の形成に促進的関与することが報告されている。BMPは、約20種のサブユニットの存在が報告されている。前記サブユニットは、幅広生物種において基本的に配列が保存されており、各生物種の形態形成に関与することが示されている。
前記サブユニットの中で、骨形成タンパク質−2(BMP−2)は、男性型脱毛症部位の毛乳頭細胞において、その遺伝子発現が低下していることが報告されている。そのため、この遺伝子に着目した育毛剤研究が注目されている(例えば、非特許文献11参照)。

インスリン様増殖因子−1(IGF−1)は、インスリンに非常に良く似た構造及び作用を持つ分子量約7,500のペプチドホルモンである。IGF−1は、細胞の分化を促し、細胞の増殖を助けるなど、積極的に細胞を健康な状態に維持し(例えば、非特許文献5,6参照)、老化の進行を阻止することが知られている(例えば、非特許文献7参照)。

また、毛包の毛乳頭細胞において、IGF−1が発現していることが示され(例えば、非特許文献8参照)、IGF−1が毛根の活発化を介した育毛効果を有することが明らかになった。現在、IGF−1を有効成分とする育毛剤が既に知られている(例えば、特許文献12参照)。しかしながら、IGF−1は動物由来成分であって分子量が大きいために、外用塗布による経皮吸収が困難であるなどの問題がある。また、IGF−1産生促進作用を示す植物由来抽出物も見つかってはいるが、より優れたIGF−1産生促進作用を有する植物由来物質が求められている。

以上のように、毛乳頭細胞増殖促進作用、テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用、アンドロゲン受容体結合阻害作用、VEGF産生促進作用、BMP−2産生促進作用、IGF−1産生促進作用及び育毛効果を有する各剤に対する需要は極めて高い。また、これらの作用及び効果を有する頭髪化粧料に対する需要も極めて高い。
しかしながら、従来においては、前記作用及び効果を有する具体的な有効成分が、未だに提案されていないという問題があった。また、具体的な有効成分が提案されているものについても、植物由来のものでなかったり、植物由来のものであっても前記作用及び効果が充分ではなかったりする、という問題があった。なお、植物由来であると、比較的安全性が高いので、日常的に摂取しやすいという利点がある。

一方、チライトは、(Chiraito)とは、リンドウ科の植物であって、学名は「Swertia chirata Buch−Ham.ex.C.B.Clarke(Fl.Br.Ind)」である。また、チライトは、「チレッタセンブリ」(Sweritia chirata)と称されることもある。チライトは、胃痛下痢のほか消化不良食欲不振、胃痛、腹痛、下痢にも使用されている。また、チライトは、苦味健胃薬解熱に用いられ、ビルマ、マレーシア地方ではさらに緩下、強壮薬としたり、キナ皮代用としてマラリアにも用い、熱病腸チフスなどに広く応用されている(例えば、非特許文献9参照)。

特開平10−229978号公報
特開2006−219407号公報
特開2003−055162号公報
特開2002−241296号公報
特開2002−087976号公報
特開2002−241297号公報
特開2002−308790号公報
特開2003−160503号公報
特開2003−192541号公報
特開2006−282597号公報
特開2005−002068号公報
特公平4−60567号公報
「TrendsGenet」,1992年,第8巻,p.56−61
J.Invest.Dermatol.,106,17−23(1996)
Arch.Dermatol.Res.,209,661−668(1998)
J.Clin.Invest.,107,409−417(2001)
アンチエイジングシリーズ白髪脱毛育毛の実際,第6章
J.Biol.Chem.,271,28853−28860(1996)
Dermatology,20,325−329(2002)
Am.J.Med.,115,501−502(2003)
J.Invest.Dermatol.,99,343−349(1992)
原色牧野和漢薬草大図鑑(2002)

概要

優れた作用を有し、安全性の高い、毛乳頭細胞増殖促進剤、テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤アンドロゲン受容体結合阻害剤血管内皮増殖因子産生促進剤、骨形成タンパク質−2産生促進剤、インスリン様増殖因子−1産生促進剤、育毛剤及び頭髪化粧料を提供すること。チライトからの抽出物、アマロゲンチン及び/又はアマロスウェリンを有効成分として含有することを特徴とする毛乳頭細胞増殖促進剤、テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤、アンドロゲン受容体結合阻害剤、血管内皮増殖因子産生促進剤、骨形成タンパク質−2産生促進剤、インスリン様増殖因子−1産生促進剤、育毛剤及び頭髪化粧料である。なし

目的

本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた毛乳頭細胞増殖促進作用を有し、安全性の高い毛乳頭細胞増殖促進剤を提供することを目的とする。また、本発明は、優れたテストステロン5α−リダクターゼ阻害作用を有し、安全性の高いテストステロン5α−リダクターゼ阻害剤を提供することを目的とする。また、本発明は、優れたアンドロゲン受容体結合阻害作用を有し、安全性の高いアンドロゲン受容体結合阻害剤を提供することを目的とする。また、本発明は、優れたVEGF産生促進作用を有し、安全性の高いVEGF産生促進剤を提供することを目的とする。また、本発明は、BMP−2産生促進作用を有し、安全性の高いBMP−2産生促進剤を提供することを目的とする。また、本発明は、優れたIGF−1産生促進作用産生促進作用を有し、安全性の高いIGF−1産生促進剤を提供することを目的とする。また、本発明は、優れた育毛効果を有し、安全性が高い育毛剤を提供することを目的とする。また、本発明は、頭髪に使用した場合に使用感が良く、優れた毛乳頭細胞増殖促進作用、テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用、アンドロゲン受容体結合阻害作用、VEGF産生促進作用、BMP−2産生促進作用、IGF−1産生促進作用及び育毛効果を発揮することができる頭髪化粧料を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

チライトからの抽出物アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする毛乳頭細胞増殖促進剤

請求項2

アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とするテストステロン5α−リダクターゼ阻害剤

請求項3

アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とするアンドロゲン受容体結合阻害剤

請求項4

チライトからの抽出物、アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする血管内皮増殖因子VEGF)産生促進剤

請求項5

チライトからの抽出物、アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする骨形成タンパク質−2(BMP−2)産生促進剤。

請求項6

アマロゲンチンを有効成分として含有することを特徴とするインスリン様増殖因子−1(IGF−1)産生促進剤。

請求項7

アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする育毛剤

請求項8

アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを、毛乳頭細胞増殖促進作用、テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用アンドロゲン受容体結合阻害作用、血管内皮増殖因子(VEGF)産生促進作用、骨形成タンパク質−2(BMP−2)産生促進作用、インスリン様増殖因子−1(IGF−1)産生促進作用及び育毛効果のうち少なくとも1つの有効成分として含有することを特徴とする頭髪化粧料

技術分野

0001

本発明は、毛乳頭細胞増殖促進作用を有する毛乳頭細胞増殖促進剤テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用を有するテストステロン5α−リダクターゼ阻害剤アンドロゲン受容体結合阻害作用を有するアンドロゲン受容体結合阻害剤血管内皮増殖因子産生促進作用を有する血管内皮増殖因子産生促進剤骨形成タンパク質−2産生促進作用を有する骨形成タンパク質−2産生促進剤インスリン様増殖因子−1産生促進作用を有するインスリン様増殖因子−1産生促進剤、育毛剤及び頭髪化粧料に関する。

背景技術

0002

毛髪成長は、成長期退行期休止期からなる周期的なヘアサイクル毛周期)に従って成長及び脱落を繰り返している。このヘアサイクルのうち、休止期から成長期へかけての新たな毛包が形成されるステージが、発毛に最も重要であると考えられている。そして、このステージにおける毛包上皮系細胞の増殖・分化に重要な役割を果たしているのが、毛乳頭細胞であると考えられている。毛乳頭細胞は、毛根近傍にある外毛根鞘細胞マトリックス細胞とからなる毛包上皮系細胞の内側にあって、基底膜に包まれている毛根根幹部分に位置する細胞であり、毛包上皮系細胞へ働きかけてその増殖を促すなど、毛髪への分化に重要な役割を担っている(例えば、非特許文献1参照)。

0003

このように、毛乳頭細胞は、毛包上皮系細胞の増殖・分化及び毛髪の形成において最も重要な役割を果たしており、従来、毛乳頭細胞に被験試料を接触させて、その細胞の増殖活性の有無及び/または強弱を測定することで、その被験試料の育毛効果検定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、従来、毛乳頭細胞増殖促進作用を有する生薬としては、例えばハトムギ抽出物ワイルドタイム抽出物スギナ抽出物、ショウブ抽出物ローズマリー抽出物ウコン抽出物シラカバ抽出物及びコウチャ抽出物などが提案されている(例えば、特許文献2参照)。

0004

多くのステロイドホルモンは、産生臓器から分泌された分子型のまま、受容体と結合してその作用を発現するが、アンドロゲンと総称される男性ホルモンの場合、例えばテストステロンは、標的臓器の細胞内に入ってテストステロン5α−レダクターゼにより5α−ジヒドロテストステロン(5α−DHT)に還元されてから受容体と結合し、アンドロゲンとしての作用を発現する。

0005

アンドロゲンは重要なホルモンであるが、それが過度に作用すると、男性禿頭多毛症脂漏症座瘡前立腺肥大症前立腺腫瘍児性早熟など、さまざまな好ましくない症状を誘発する。そこで、過剰のアンドロゲンの作用を抑制することによりこれら好ましくない症状を改善する手法が検討されている。具体的には、テストステロンを活性型5α−DHTに還元するテストステロン5α−レダクターゼの作用を阻害することにより、活性型5α−DHTが生じるのを抑制する方法と、テストステロンから生じた5α−DHTが受容体と結合するのを阻害することにより、アンドロゲン活性を発現させない方法とが提案されている。

0006

前記方法が検証された結果、シプロテンアセテートオキセンドロン酢酸クロマジノンなどの有効性が確認された。しかしながら、前記化合物は、ステロイド類似構造を有しているために、ホルモン様作用などの好ましくない副作用を有するという欠点がある。また、従来、テストステロン−5αリダクターゼ阻害作用を有する生薬としては、例えばChoerospondias属に属する植物(例えば、特許文献3参照)、五斂子(例えば、特許文献4参照)、紅豆杉欖、、穿心蓮(例えば、特許文献5参照)などが知られている。また、これまでに、5α−DHTとその受容体との結合を阻害する作用を有する生薬としては、例えばマジト、カチュア(例えば、特許文献6参照)、(例えば、特許文献7参照)などが報告されている。

0007

血管内皮増殖因子(VEGF)は、分子量34〜46kDaの糖蛋白質であり、血管内皮細胞に特異的な増殖因子として脳下垂体濾胞細胞培養液から発見され、血管透過性因子(VPF)と同一物質であることがわかった。VEGFは、下垂体細胞以外に、平滑筋細胞マクロファージ肺胞上皮細胞肝細胞、毛乳頭細胞などの正常細胞で産生され、また、グリオーマ神経膠腫)、乳癌胃癌大腸癌などの多くの腫瘍細胞からも産生されることが知られている。VEGFは、血管内皮細胞に働き、細胞の増殖、遊走を促進させたり、血管新生を促進させたりする作用がある。VEGFは、胎生期の心臓形成時期に、強い発現が認められることが知られている。VEGF遺伝子が欠損すると血管系の異常が起こり、胎生期に死亡することが報告されており、VEGFが、個体の発達組織形成において極めて重要なはたらきを持つことが示唆されている。最近では、VEGFファミリーの新しいメンバーであるVEGF−Cが、強力なリンパ管新生因子として皮膚におけるリンパ管の成長を仲介していることが報告された。

0008

ところで、毛包においては、外毛根鞘細胞及び毛乳頭細胞が、VEGFを産生することが知られている(例えば、非特許文献2,3参照)。毛包においてVEGFの産生を阻害することは、ヘアサイクルの成長期の遅れと毛包サイズの矮小化に繋がることが見出され(例えば、非特許文献4参照)、このことから、毛包の発達や再生にVEGFが重要であることが示された。これまでに、VEGF産生の促進作用を有する植物エキスとして、ヒルガオ科アサガオカラクサ属植物(例えば、特許文献8参照)、ローヤルゼリー(例えば、特許文献9参照)、L−グルタミン酸又はその塩、L−セリンPCAピロリドンカルボン酸)又はその塩、モノニトログアヤコールナトリウムクロレラ(Chlorella vulgaris)の抽出物、ユズCitrus junos)の果実の抽出物、ウンシュウミカン(Citrus unshiu)の果皮の抽出物、エイジツ(Rosa multiflora)の果実の抽出物、イチョウ(Ginkgo biloba)の葉の抽出物より選択されるもの(例えば、特許文献11参照)などが知られている。

0009

骨形成蛋白質(BMP)は、異所的骨形成誘導するタンパク質として発見されたが、その後の研究によって、細胞増殖や分化調節を介して、体軸形成やほとんど全ての器官形成に必須の役割を果たす多機能因子であることが知られるようになった。皮膚においては、BMPが体毛を形成する器官である毛包の形成に促進的関与することが報告されている。BMPは、約20種のサブユニットの存在が報告されている。前記サブユニットは、幅広生物種において基本的に配列が保存されており、各生物種の形態形成に関与することが示されている。
前記サブユニットの中で、骨形成タンパク質−2(BMP−2)は、男性型脱毛症部位の毛乳頭細胞において、その遺伝子発現が低下していることが報告されている。そのため、この遺伝子に着目した育毛剤研究が注目されている(例えば、非特許文献11参照)。

0010

インスリン様増殖因子−1(IGF−1)は、インスリンに非常に良く似た構造及び作用を持つ分子量約7,500のペプチドホルモンである。IGF−1は、細胞の分化を促し、細胞の増殖を助けるなど、積極的に細胞を健康な状態に維持し(例えば、非特許文献5,6参照)、老化の進行を阻止することが知られている(例えば、非特許文献7参照)。

0011

また、毛包の毛乳頭細胞において、IGF−1が発現していることが示され(例えば、非特許文献8参照)、IGF−1が毛根の活発化を介した育毛効果を有することが明らかになった。現在、IGF−1を有効成分とする育毛剤が既に知られている(例えば、特許文献12参照)。しかしながら、IGF−1は動物由来成分であって分子量が大きいために、外用塗布による経皮吸収が困難であるなどの問題がある。また、IGF−1産生促進作用を示す植物由来抽出物も見つかってはいるが、より優れたIGF−1産生促進作用を有する植物由来物質が求められている。

0012

以上のように、毛乳頭細胞増殖促進作用、テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用、アンドロゲン受容体結合阻害作用、VEGF産生促進作用、BMP−2産生促進作用、IGF−1産生促進作用及び育毛効果を有する各剤に対する需要は極めて高い。また、これらの作用及び効果を有する頭髪化粧料に対する需要も極めて高い。
しかしながら、従来においては、前記作用及び効果を有する具体的な有効成分が、未だに提案されていないという問題があった。また、具体的な有効成分が提案されているものについても、植物由来のものでなかったり、植物由来のものであっても前記作用及び効果が充分ではなかったりする、という問題があった。なお、植物由来であると、比較的安全性が高いので、日常的に摂取しやすいという利点がある。

0013

一方、チライトは、(Chiraito)とは、リンドウ科の植物であって、学名は「Swertia chirata Buch−Ham.ex.C.B.Clarke(Fl.Br.Ind)」である。また、チライトは、「チレッタセンブリ」(Sweritia chirata)と称されることもある。チライトは、胃痛下痢のほか消化不良食欲不振、胃痛、腹痛、下痢にも使用されている。また、チライトは、苦味健胃薬解熱に用いられ、ビルマ、マレーシア地方ではさらに緩下、強壮薬としたり、キナ皮代用としてマラリアにも用い、熱病腸チフスなどに広く応用されている(例えば、非特許文献9参照)。

0014

特開平10−229978号公報
特開2006−219407号公報
特開2003−055162号公報
特開2002−241296号公報
特開2002−087976号公報
特開2002−241297号公報
特開2002−308790号公報
特開2003−160503号公報
特開2003−192541号公報
特開2006−282597号公報
特開2005−002068号公報
特公平4−60567号公報
「TrendsGenet」,1992年,第8巻,p.56−61
J.Invest.Dermatol.,106,17−23(1996)
Arch.Dermatol.Res.,209,661−668(1998)
J.Clin.Invest.,107,409−417(2001)
アンチエイジングシリーズ白髪脱毛育毛の実際,第6章
J.Biol.Chem.,271,28853−28860(1996)
Dermatology,20,325−329(2002)
Am.J.Med.,115,501−502(2003)
J.Invest.Dermatol.,99,343−349(1992)
原色牧野和漢薬草大図鑑(2002)

発明が解決しようとする課題

0015

本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた毛乳頭細胞増殖促進作用を有し、安全性の高い毛乳頭細胞増殖促進剤を提供することを目的とする。また、本発明は、優れたテストステロン5α−リダクターゼ阻害作用を有し、安全性の高いテストステロン5α−リダクターゼ阻害剤を提供することを目的とする。また、本発明は、優れたアンドロゲン受容体結合阻害作用を有し、安全性の高いアンドロゲン受容体結合阻害剤を提供することを目的とする。また、本発明は、優れたVEGF産生促進作用を有し、安全性の高いVEGF産生促進剤を提供することを目的とする。また、本発明は、BMP−2産生促進作用を有し、安全性の高いBMP−2産生促進剤を提供することを目的とする。また、本発明は、優れたIGF−1産生促進作用産生促進作用を有し、安全性の高いIGF−1産生促進剤を提供することを目的とする。また、本発明は、優れた育毛効果を有し、安全性が高い育毛剤を提供することを目的とする。また、本発明は、頭髪に使用した場合に使用感が良く、優れた毛乳頭細胞増殖促進作用、テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用、アンドロゲン受容体結合阻害作用、VEGF産生促進作用、BMP−2産生促進作用、IGF−1産生促進作用及び育毛効果を発揮することができる頭髪化粧料を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0016

前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。即ち、チライトからの抽出物、アマロゲンチン又はアマロスウェリンが、優れた毛乳頭細胞増殖促進作用、テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用、アンドロゲン受容体結合阻害作用、VEGF産生促進作用、BMP−2産生促進作用、IGF−1産生促進作用及び育毛効果を有していた、という知見である。

0017

前記したように、チライトは、胃痛、下痢のほか消化不良や食欲不振、胃痛、腹痛、下痢にも使用されていることは知られている。また、チライトは、苦味健胃薬、解熱に用いられ、ビルマ、マレーシア地方ではさらに緩下、強壮薬としたり、キナ皮の代用としてマラリアにも用い、熱病や腸チフスなどに広く応用されていることは知られている。
しかしながら、チライトからの抽出物、アマロゲンチン又はアマロスウェリンが、前記各作用及び効果を有していることは従来全く知られておらず、本発明者らの新たな知見である。

0018

本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1>チライトからの抽出物、アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする毛乳頭細胞増殖促進剤である。
<2> アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とするテストステロン5α−リダクターゼ阻害剤である。
<3> アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とするアンドロゲン受容体結合阻害剤である。
<4> チライトからの抽出物、アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする血管内皮増殖因子(VEGF)産生促進剤である。
<5> チライトからの抽出物、アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする骨形成タンパク質−2(BMP−2)産生促進剤である。
<6> アマロゲンチンを有効成分として含有することを特徴とするインスリン様増殖因子−1(IGF−1)産生促進剤である。
<7> アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする育毛剤である。
<8> アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを、毛乳頭細胞増殖促進作用、テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用、アンドロゲン受容体結合阻害作用、血管内皮増殖因子(VEGF)産生促進作用、骨形成タンパク質−2(BMP−2)産生促進作用、インスリン様増殖因子−1(IGF−1)産生促進作用及び育毛効果のうち少なくとも1つの有効成分として含有することを特徴とする頭髪化粧料である。

発明の効果

0019

本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、優れた毛乳頭細胞増殖促進作用を有し、安全性の高い毛乳頭細胞増殖促進剤を提供することができる。また、本発明によると、優れたテストステロン5α−リダクターゼ阻害作用を有し、安全性の高いテストステロン5α−リダクターゼ阻害剤を提供することができる。また、本発明によると、優れたアンドロゲン受容体結合阻害作用を有し、安全性の高いアンドロゲン受容体結合阻害剤を提供することができる。また、本発明によると、優れたVEGF産生促進作用を有し、安全性の高いVEGF産生促進剤を提供することができる。また、本発明によると、BMP−2産生促進作用を有し、安全性の高いBMP−2産生促進剤を提供することができる。また、本発明によると、優れたIGF−1産生促進作用産生促進作用を有し、安全性の高いIGF−1産生促進剤を提供することができる。また、本発明は、優れた育毛効果を奏することができ、安全性が高い育毛剤を提供することができる。また、本発明は、頭髪に使用した場合に使用感が良く、優れた毛乳頭細胞増殖促進作用、テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用、アンドロゲン受容体結合阻害作用、VEGF産生促進作用、BMP−2産生促進作用、IGF−1産生促進作用及び育毛効果を発揮することができる頭髪化粧料を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0020

(毛乳頭細胞増殖促進剤)
本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤は、チライトからの抽出物、アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを有効成分として含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。

0021

<チライトからの抽出物>
前記「チライト」(Chiraito)とは、リンドウ科の植物であって、学名は「Swertia chirata Buch−Ham.ex.C.B.Clarke(Fl.Br.Ind)」である。また、チライトは、「チレッタセンブリ」(Sweritia chirata)と称されることもある。
本発明において抽出される前記チライトの部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、地上部地中部が挙げられる。中でも、抽出効率や毛乳頭細胞の増殖促進効果などの観点から、地上部が好ましい。

0022

前記「チライトからの抽出物」としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チライトを抽出原料として得られる抽出液、前記抽出液の希釈液、前記抽出液の濃縮液、前記抽出液を乾燥して得られる乾燥物が挙げられる。中でも、取扱い易さの点から、濃縮液又は乾燥物が好ましい。また、前記チライトからの抽出物として、前記抽出液、希釈液、濃縮液及び乾燥物の、粗精製物又は精製物を利用してもよい。前記粗精製物又は精製物を利用する理由の一つとして、チライトからの抽出物が有する特有の匂いを、低減又は除去するための脱色や脱臭が挙げられるが、前記特有の匂いは、チライトからの抽出物を特に大量に使用しない限り、未精製のままでも実用上支障がないことが多い。
なお、前記精製物とは、毛乳頭細胞増殖促進作用を有する単一の化合物を意味するが、前記単一の化合物としては、後記するアマロゲンチンであってもよく、アマロスウェリンであってもよく、これら以外の化合物であってもよい。

0023

<アマロゲンチン>
本発明における前記アマロゲンチン(amarogentin)とは、IUPAC命名法で、[(2S,3R,4S,5S,6R)−2−[[(1S,9S,10S)−10−ethenyl−5−oxo−4,8−dioxabicyclo[4.4.0]dec−6−en−9−yl]oxy]−4,5−dihydroxy−6−(hydroxymethyl)oxan−3−yl] 2,4−dihydroxy−6−(3−hydroxyphenyl)benzoate)として表現される化合物である。アマロゲンチンの分子構造は、下記構造式(1)で表される。

0024

0025

前記アマロゲンチンの由来としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チライトからの抽出物に含有されていたものであってもよく、化学合成されたものであってもよい。前記アマロゲンチンが、チライトからの抽出物に含有されていた場合には、前記抽出物からアマロゲンチンを単離・精製して使用される。

0026

なお、前記毛乳頭細胞増殖促進剤の有効成分として、前記アマロゲンチンそのものが含まれていてもよく、その薬理学的に許容される塩が含まれていてもよい。また、前記アマロゲンチン又はその薬理学的に許容される塩の、水和物又は溶媒和物が含まれていてもよい。また、前記アマロゲンチンは、毛乳頭細胞の増殖促進作用を損なわない限り、修飾又は置換されていてもよい。

0028

<アマロスウェリン>
本発明における前記アマロスウェリン(amaroswerin)とは、IUPAC命名法で、[(2S,3R,4S,5S,6R)−2−[(10−ethenyl−1−hydroxy−5−oxo−4,8−dioxabicyclo[4.4.0]dec−6−en−9−yl)oxy]−4,5−dihydroxy−6−(hydroxymethyl)oxan−3−yl] 2,4−dihydroxy−6−(3−hydroxyphenyl)benzoate)として表現される化合物である。アマロスウェリンの分子構造は、下記構造式(2)で表される。

0029

0030

前記アマロスウェリンの由来としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チライトからの抽出物に含有されていたものであってもよく、化学合成されたものであってもよい。前記アマロスウェリンがチライトからの抽出物に含有されていた場合には、前記抽出物からアマロスウェリンを単離・精製して、使用される。

0031

なお、前記毛乳頭細胞増殖促進剤の有効成分として、前記アマロスウェリンそのものが含まれていてもよく、その薬理学的に許容される塩が含まれていてもよい。また、前記アマロスウェリン又はその薬理学的に許容される塩の、水和物又は溶媒和物が含まれていてもよい。また、前記アマロスウェリンは、毛乳頭細胞の増殖促進作用を損なわない限り、修飾又は置換されていてもよい。前記薬理学的に許容される塩は、前記したものと同様であるので説明を省略する。

0032

本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤における有効成分としては、前記チライトからの抽出物、アマロゲンチン又はアマロスウェリンを1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記毛乳頭細胞増殖促進剤中の有効成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記毛乳頭細胞増殖促進剤は、前記有効成分そのものであってもよい。

0033

<その他の成分>
前記毛乳頭細胞増殖促進剤における前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薬理学的に許容される担体が挙げられる。前記担体としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、例えば、前記有効成分を各種の剤型として用いる場合において、その剤型に応じて適宜選択することができる。前記剤型としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、投与方法に応じて適宜選択することができ、例えば、経口固形剤錠剤被覆錠剤顆粒剤散剤カプセル剤トローチ剤など)、経口液剤内服液剤シロップ剤エリキシル剤など)、注射剤溶液、懸濁液、用事溶解用固形剤など)、吸入散剤、軟膏剤外用液剤貼付剤点眼剤点鼻剤及び点耳剤が挙げられる。

0034

前記経口固形剤としては、例えば、前記有効成分に賦形剤、必要に応じて結合剤崩壊剤滑沢剤着色剤、矯味・矯臭剤などの添加剤を加え、常法により製造することができる。

0035

前記賦形剤としては、例えば、乳糖白糖塩化ナトリウムブドウ糖デンプン炭酸カルシウムカオリン微結晶セルロース珪酸などが挙げられる。

0036

前記添加剤としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記結合剤としては、例えば、水、エタノールプロパノール単シロップブドウ糖液デンプン液ゼラチン液カルボキシメチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルスターチメチルセルロースエチルセルロースシェラックリン酸カルシウムポリビニルピロリドンなどが挙げられ、前記崩壊剤としては、例えば、乾燥デンプンアルギン酸ナトリウムカンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウムステアリン酸モノグリセリド、乳糖などが挙げられ、前記滑沢剤としては、例えば、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂ポリエチレングリコールなどが挙げられ、前記着色剤としては、酸化チタン酸化鉄などが挙げられ、前記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸酒石酸などが挙げられる。

0037

前記経口液剤としては、例えば、前記有効成分に、矯味・矯臭剤、緩衝剤安定化剤などの添加剤を加え、常法により製造することができる。ここで、前記添加剤としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸などが挙げられ、緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウムなどが挙げられ、安定剤としては、例えば、トラガントアラビアゴムゼラチンなどが挙げられる。

0038

前記注射剤としては、例えば、前記有効成分に、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤局所麻酔剤などを添加し、常法により皮下、筋肉内及び静脈内用注射剤を製造することができる。ここで、前記pH調節剤及び前記緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムリン酸ナトリウムなどが挙げられる。

0039

また、前記安定化剤としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウムEDTAチオグリコール酸チオ乳酸などが挙げられる。前記等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、ブドウ糖などが挙げられる。前記局所麻酔剤としては、例えば、塩酸プロカイン塩酸リドカインなどが挙げられる。

0040

<製造方法>
−チライトから抽出物を抽出する方法−
チライトから抽出物を抽出する方法としては、特に制限はなく、一般に植物からその成分を抽出する際に用いられる抽出方法を適用することができ、例えば、抽出原料を乾燥した後、乾燥物をそのまま又は粗砕機を用いて粉砕して、抽出溶媒による抽出に供する方法が挙げられる。前記乾燥方法としては、特に制限はなく、例えば、天日で乾燥してもよく、通常使用される乾燥機を用いて乾燥してもよい。前記抽出原料としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、採取したままのチライトを抽出原料として用いてもよく、また、採取したチライトを、ヘキサンベンゼンなどの非極性溶媒によって脱脂などの前処理を施した後に、抽出原料として使用してもよい。抽出溶媒として極性溶媒を用いた場合には、チライトからの抽出処理が効率よく行うことができる点で、前記脱脂などの前処理を施すことが好ましい。

0041

前記抽出溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水、親水性有機溶媒、又は、水と親水性有機溶媒との混合液を、室温又は溶媒沸点以下の温度で用いることが好ましい。
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、純水、水道水井戸水鉱泉水鉱水温泉水湧水淡水、これらの水に各種処理を施したものなどが挙げられる。前記各種処理としては、特に制限はなく、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換浸透圧の調整、緩衝化などが挙げられる。したがって、前記水には、精製水熱水イオン交換水生理食塩水リン酸緩衝液リン酸緩衝生理食塩水なども含まれる。

0042

前記親水性有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール(EtOH)、プロピルアルコールイソプロピルアルコールなどの炭素数1〜5の低級アルコールアセトンメチルエチルケトンなどの低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコールプロピレングリコールグリセリンなどの炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられる。

0043

前記水と親水性有機溶媒との混合液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記親水性有機溶媒が低級アルコールの場合には、水10質量部に対して1〜90質量部添加することが好ましく、前記親水性有機溶媒が低級脂肪族ケトンの場合には、水10質量部に対して1〜40質量部添加することが好ましく、前記親水性有機溶媒が多価アルコールの場合には、水10質量部に対して1〜9質量部添加することが好ましい。

0044

前記抽出溶媒の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、抽出原料の5〜15倍量(重量比)が好ましい。

0045

チライトから抽出物を抽出する際の抽出手順としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、室温又は還流加熱下で、任意の装置を用いて抽出することができる。具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、必要に応じて時々攪拌しながら、30分から3時間静置して可溶性成分溶出した後、ろ過して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより、抽出物を得ることができる。

0046

前記室温又は還流加熱下における温度(抽出温度)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、常温〜95℃が好ましい。
また、前記任意の装置としては、例えば、ジムロート冷却管ナス型フラスコ三角フラスコマントルヒーターなどを組み合わせた装置などが挙げられる。

0047

前記抽出液から希釈液、濃縮液、乾燥物、又は、これらの粗精製物若しくは精製物の調製方法としては、特に制限はなく、常法に従って前記抽出液を希釈濃縮、乾燥、精製することで調製することができる。前記精製の方法としては、特に制限はなく、例えば、活性炭処理吸着樹脂処理イオン交換樹脂処理が挙げられる。

0048

−アマロゲンチン及びアマロスウェリンの製造方法−
前記アマロゲンチン及びアマロスウェリンの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チライトからの抽出物からの単離・精製や、化学合成などにより製造することができる。

0049

前記単離・精製する方法としては、特に制限はなく、常法により行うことができる。以下に、前記単離・精製する方法の具体例を示す。
まず、乾燥したチライトをエタノールなどの抽出溶媒に浸漬して得られた抽出液を濃縮し、多孔性樹脂などを用いたカラムクロマトグラフィーに供して、水、アルコール(メタノールなど)の順で溶出させ、アルコール(メタノールなど)で溶出される分画物として得る。このとき、前記分画物に対して、さらにODS(オクタデシルシリル化シリカゲル)を用いた逆相シリカゲルクロマトグラフィー再結晶などに供することで、粗精製物を得ることができる。
そして、前記分画物又は粗精製物を、例えば、液体クロマトグラフィーなどを用いて分離・精製することにより、精製されたアマロゲンチン及びアマロスウェリンを得ることができる。

0050

また、前記合成方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法により合成することができる。

0051

<用途>
本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤は、チライトからの抽出物、アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを有効成分として含有し、前記有効成分は毛乳頭細胞の増殖促進作用を有するものである。また、本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤は、毛乳頭細胞の増殖促進作用を介して、毛乳頭活性化することができる。したがって、前記毛乳頭細胞増殖促進剤は、毛乳頭細胞増殖促進作用を発揮すること、又は、毛乳頭を活性化することに意義のある、全ての用途に用いることができる。例えば、前記毛乳頭細胞増殖促進剤は、毛乳頭細胞の増殖促進機構、毛乳頭細胞の増殖促進により改善される症状の研究、毛乳頭細胞の増殖促進により改善される症状の予防や治療に利用することができる。

0052

前記毛乳頭細胞増殖促進剤の具体的な態様としては、例えば、試薬用途の促進剤や、症状(疾患や、脱毛などの「好ましくない症状」を含む)の予防・治療用途の促進剤が挙げられる。
前記症状としては、例えば、薄毛、脱毛、男性型脱毛症などが挙げられる。
また、前記毛乳頭細胞増殖促進剤は、例えば、毛包上皮細胞の増殖や分化、毛乳頭細胞の増殖促進を介したVEGFの産生促進などに好適に利用することができる。
前記毛乳頭細胞増殖促進剤の使用対象となる動物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することできるが、特に哺乳類が好ましい。前記哺乳類としては、例えば、ヒト、サルウシウマブタマウスラットなどが挙げられ、中でも、ヒトが好ましい。

0053

前記毛乳頭細胞増殖促進剤の使用方法としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、毛乳頭細胞に任意の方法で直接接触させることにより使用したり、頭髪(頭皮)に任意の方法で接触させることにより使用したりすることができる。

0054

なお、本発明者らは、チライトからの抽出物、アマロゲンチン又はアマロスウェリンが、毛乳頭細胞促進作用だけでなく、例えば、テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用、アンドロゲン受容体結合阻害作用、血管内皮増殖因子(VEGF)産生促進作用、骨形成タンパク質−2(BMP−2)産生促進作用、インスリン様増殖因子−1(IGF−1)産生促進作用、育毛効果など、育毛に関する様々なメカニズムに関与することを明らかにした。

0055

具体的には、チライトからの抽出物は、前記毛乳頭細胞促進作用以外に、VEGF産生促進作用、BMP−2産生促進作用などを有している。アマロゲンチンは、前記毛乳頭細胞促進作用以外に、テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用、アンドロゲン受容体結合阻害作用、VEGF産生促進作用、BMP−2産生促進作用、IGF−1産生促進作用、育毛効果などを有している。アマロスウェリンは、前記毛乳頭細胞促進作用だけでなく、テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用、アンドロゲン受容体結合阻害作用、VEGF産生促進作用、BMP−2産生促進作用、育毛効果などを有している。

0056

したがって、前記チライトからの抽出物、アマロゲンチン又はアマロスウェリンは、毛乳頭細胞増殖促進剤の有効成分としてだけでなく、例えば、以下に示す用途の有効成分として使用することが出来る。なお、以下に示す各剤において、各有効成分やその他の成分の特性や製造方法については、前記した毛乳頭細胞増殖促進剤と同様であるので、重複する説明は省略する。

0057

(テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤
本発明のテストステロン5α−レダクターゼ阻害剤は、アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくともいずれかを有効成分として含有することを特徴とする。もちろん、必要に応じて、その他の成分などを、適宜選択することができる。前記テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤は、テストステロン5α−レダクターゼ阻害作用を発揮することに意義のある、全ての用途に用いることができる。例えば、前記テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤は、テストステロン5α−レダクターゼの阻害機構、テストステロン5α−レダクターゼの阻害により改善される症状の研究、テストステロン5α−レダクターゼの阻害により改善される症状の予防や治療に利用することができる。

0058

前記テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤の具体的な態様としては、例えば、試薬用途の阻害剤や、症状の予防・治療用途の抑制剤が挙げられる。
前記症状としては、例えば、男性型脱毛症、多毛症、脂漏症、座瘡(ニキビなど)、前立腺肥大症、前立腺腫瘍、男児性早熟などが挙げられる。
また、前記テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤は、例えば、5α−ジヒドロテストステロンを介する性分化機構の研究などに好適に利用することができる。

0059

(アンドロゲン受容体結合阻害剤)
本発明のアンドロゲン受容体結合阻害剤は、アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくともいずれかを有効成分として含有することを特徴とする。もちろん、必要に応じて、その他の成分などを、適宜選択することができる。前記アンドロゲン受容体結合阻害剤は、アンドロゲン受容体結合阻害作用を発揮することに意義のある、全ての用途に用いることができる。例えば、前記アンドロゲン受容体結合阻害剤は、アンドロゲン受容体への結合を阻害する機構、アンドロゲン受容体への結合を阻害することにより改善される症状の研究、アンドロゲン受容体への結合を阻害することにより改善される症状の予防や治療に利用することができる。

0060

前記アンドロゲン受容体結合阻害剤の具体的な態様としては、例えば、試薬用途の阻害剤や、症状の予防・治療用途の抑制剤が挙げられる。
前記症状としては、例えば、男性型脱毛症、多毛症、脂漏症、座瘡(ニキビなど)、前立腺肥大症、前立腺腫瘍、男児性早熟などが挙げられる。
また、前記アンドロゲン受容体結合阻害剤は、例えば、性分化機構の研究などに好適に利用することができる。

0061

(VEGF産生促進剤)
本発明のVEGF産生促進剤は、チライトからの抽出物、アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくともいずれかを有効成分として含有することを特徴とする。もちろん、必要に応じて、その他の成分などを、適宜選択することができる。前記VEGF産生促進剤は、VEGF産生促進作用を発揮することに意義のある、全ての用途に用いることができる。例えば、前記VEGF産生促進剤は、VEGF産生の促進機構、VEGF産生の促進により改善される症状の研究、VEGF産生の促進により改善される症状の予防や治療に利用することができる。

0062

前記VEGF産生促進剤の具体的な態様としては、例えば、試薬用途の促進剤や、症状の予防・治療用途の促進剤が挙げられる。
前記症状としては、例えば、脱毛症冠動脈疾患閉塞性末梢動脈硬化症軟骨損傷血管形成不全虚血性脚部疾患などが挙げられる。
また、前記VEGF産生促進剤は、例えば、血管内皮細胞の増殖や遊走の促進、血管新生の促進、血液凝固血圧調節、皮膚におけるリンパ管の成長などに好適に利用することができる。

0063

(BMP−2産生促進剤)
本発明のBMP−2産生促進剤は、チライトからの抽出物、アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくともいずれかを有効成分として含有することを特徴とする。もちろん、必要に応じて、その他の成分などを、適宜選択することができる。前記BMP−2産生促進剤は、BMP−2産生促進作用を発揮することに意義のある、全ての用途に用いることができる。例えば、前記BMP−2産生促進剤は、BMP−2産生の促進機構、BMP−2産生の促進により改善される症状の研究、BMP−2産生の促進により改善される症状の予防や治療に利用することができる。

0064

前記BMP−2産生促進剤の具体的な態様としては、例えば、試薬用途の促進剤や、症状の予防・治療用途の促進剤が挙げられる。
前記症状としては、例えば、脱毛症、皮膚老化骨粗鬆症骨折などの骨疾患などが挙げられる。
また、前記BMP−2産生促進剤は、例えば、骨形成の誘導、細胞全般の分化や増殖の調節、体軸形成やほとんど全ての器官形成、神経細胞の分化や機能維持などに好適に利用することができる。

0065

(IGF−1産生促進剤)
本発明のVEGF産生促進剤は、アマロゲンチンを有効成分として含有することを特徴とする。もちろん、必要に応じて、その他の成分などを、適宜選択することができる。前記IGF−1産生促進剤は、IGF−1産生促進作用を発揮することに意義のある、全ての用途に用いることができる。例えば、前記IGF−1産生促進剤は、IGF−1産生の促進機構、IGF−1産生の促進により改善される症状の研究、IGF−1産生の促進により改善される症状の予防や治療に利用することができる。

0066

前記IGF−1産生促進剤の具体的な態様としては、例えば、試薬用途の促進剤や、症状の予防・治療用途の促進剤が挙げられる。
前記症状としては、例えば、脱毛症、皮膚老化、糖尿病下垂体機能低下症下垂体性小人症などが挙げられる。
また、前記IGF−1産生促進剤は、例えば、細胞全般の分化・増殖・成長の促進、老化の進行抑制血糖降下生殖機能の調節、軟骨への硫酸イオン取込みなどに好適に利用することができる。

0067

(育毛剤)
本発明の育毛剤は、アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを有効成分として含有することを特徴とする。もちろん、必要に応じて、その他の成分などを、適宜選択することができる。前記育毛剤は、育毛効果を発揮することに意義のある、全ての用途に用いることができる。例えば、前記育毛剤は、育毛機構、育毛により改善される症状の研究、育毛の促進により改善される症状の予防や治療に利用することができる。

0068

前記育毛剤の具体的な態様としては、例えば、試薬用途の育毛剤や、症状の予防・治療用途の育毛剤が挙げられる。
前記症状としては、例えば、男性型脱毛症などが挙げられる。

0069

なお、前記育毛剤は、アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを有効成分として含有しているので、前記したような、毛乳頭細胞増殖促進作用、テストステロン5α−レダクターゼ阻害作用、アンドロゲン受容体結合阻害作用、VEGF産生促進作用、BMP−2産生促進作用及びIGF−1産生促進作用を有している。このような作用を介して、及び/又は、これら以外の作用を介して、前記育毛剤は、男性型脱毛症、多毛症、脂漏症、座瘡(ニキビなど)、前立腺肥大症、前立腺腫瘍、男児性早熟などの、疾患や好ましくない症状を予防又は治療することができる。なお、前記治療とは、改善の意味も含む。

0070

(頭髪化粧料)
本発明の頭髪化粧料は、アマロゲンチン及びアマロスウェリンのうち少なくとも1つを、毛乳頭細胞増殖促進作用、テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用、アンドロゲン受容体結合阻害作用、VEGF産生促進作用、BMP−2産生促進作用、IGF−1産生促進作用及び育毛効果のうち少なくとも1つの有効成分として含有することを特徴とする。もちろん、必要に応じて、その他の成分などを、適宜選択することができる。

0071

前記したように、アマロゲンチン及びアマロスウェリンは、毛乳頭細胞増殖促進作用、テストステロン5α−レダクターゼ阻害作用、アンドロゲン受容体結合阻害作用、VEGF産生促進作用、BMP−2産生促進作用及びIGF−1産生促進作用及び育毛効果を有している。このような作用を介して、及び/又は、これら以外の作用を介して、前記頭髪化粧料は、男性型脱毛症、多毛症、脂漏症、座瘡(ニキビなど)、前立腺肥大症、前立腺腫瘍、男児性早熟などの、疾患や好ましくない症状を予防又は治療に利用することができる。中でも、男性型脱毛症の予防又は治療に好適に利用することができる。さらに、前記有効成分は天然の成分であるので、頭髪(頭皮)に適用した場合の使用感と安全性とに優れている。

0072

前記頭髪化粧料中の有効成分の配合率としては、特に制限はなく、頭髪化粧料の種類に応じて適宜選択することができるが、標準的な抽出物に換算して約0.0001〜10質量%が好ましく、標準的な抽出物に換算して約0.001〜1質量%がより好ましい。前記標準的な抽出物としては、例えば、抽出溶媒として水、又は、水と親水性有機溶媒との混合液を用いた抽出物が挙げられる。

0073

なお、前記頭髪化粧料における前記有効成分としては、アマロゲンチンやアマロスウェリンそのものが含まれていてもよく、前記毛乳頭細胞増殖促進剤、テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤、アンドロゲン受容体結合阻害剤、VEGF産生促進剤、BMP−2産生促進剤、IGF−1産生促進剤又は育毛剤として、一旦製剤化されたものが含有されていてもよい。

0074

前記頭髪化粧料における前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常の頭髪化粧料の製造に用いられる主剤助剤が挙げられる。また、前記その他の成分としては、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤紫外線吸収剤保湿剤細胞賦活剤消炎抗アレルギー剤抗酸化活性酸素除去剤油脂類ロウ類炭化水素類脂肪酸類アルコール類エステル類界面活性剤香料などが挙げられる。

0075

このように、前記頭髪化粧料に前記その他の成分が含有されることで、一般的に頭髪化粧料として好適とされている性質を付与することができる。さらに、前記頭髪化粧料に前記その他の成分が含有されることで、互いの効果を助長し合い、想像以上の相乗効果をもたらすことが期待される。

0076

前記頭髪化粧料の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘアトニックヘアローションヘアリキッドヘアクリーム整髪剤シャンプーリンストリートメントポマードなどが挙げられる。

0077

以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。

0078

(実施例1)
実施例1は、チライトから抽出物を抽出した実施例である。
チライトの地上部の乾燥物を粗砕したものそれぞれ100gに対し、抽出溶媒(水、80%エタノール又はエタノール)1,000mlを加え、還流抽出器で3時間加熱抽出し熱時濾過した。その後、得られた抽出液を40℃で減圧下に濃縮し、凍結乾燥機で乾燥して、チライトからの抽出物を得た。なお、前記80%エタノールにおけるエタノールと水との混合比は、重量基準による。
表1は、各抽出溶媒によるチライトからの抽出物の収率を示す表である。

0079

0080

(実施例2)
実施例2は、実施例1で得られたチライトからの抽出物から、アマロゲンチン及びアマロスウェリンを精製した実施例である。
実施例1のチライトからの抽出物100.0gに対して水500mLを加え、懸濁した。これを、多孔性樹脂(DIAION HP−20,1.0L)上に付し、水5L、メタノール3Lの順で溶出させた。前記メタノール3Lで溶出させた画分からメタノールを留去して、メタノール溶出画分32.0gを得た。このメタノール溶出画分のうち、10.0gをメタノール:水=40:60(容量比)の混合溶液に溶解し、ODS(商品名:クロマトレックスODSDM1020T、富士シリシア化学(株))を充填したガラス製のカラム上部より流入させて、前記ODSに吸着させた。移動相としてメタノール:水=40:60(容量比)を流し、その溶出液を集め、脱溶媒して、分画物1.7gを得た。前記分画物1.7gをクロロホルム:メタノール=10:1(容量比)の混合溶液に溶解し、SiO2(商品名:シリカゲル60、富士シリシア化学(株)製)を充填したガラス製のカラム上部より流入させて、前記SiO2に吸着させた。移動相として、クロロホルム:メタノール=10:1(容量比)を流し、その溶出液を集め、脱溶媒して、アマロゲンチンとアマロスウェリンの濃縮物1.0gを得た。前記濃縮物を、液体クロマトグラフィーを用いて分画した。前記液体クロマトグラフィーの条件は以下の通りである。

0081

−液体クロマトグラフィーの条件−
固定相:YMC−Pack Pro C18((株)ワイエムシィ製)
カラム径:20mm
カラム長:250mm
移動相流量:9mL/min
検出:RI(Refractive Index、示差屈折率

0082

ここで、保持時間14分〜16分及び20分〜22分に流出する画分を分取し、アマロゲンチンとアマロスウェリンとを単離した。この操作を数回繰り返し、アマロゲンチンとアマロスウェリンを各々180mg、150mg得た。
前記アマロゲンチン及びアマロスウェリンについて、13C−NMR(Nuclear Magnetic Resonance)分析を行った。下記にその結果を示す。

0083

−アマロゲンチン−
〔13C−NMRケミカルシフト・(帰属炭素,CD3OD)〕171.3(7’’−C),167.4(11−C),165.8(5’’−C),163.7(3’’−C),157.3(3’’’−C),153.5(3−C),148.4(1’’−C),146.4(1’’’−C),132.7(8−C),129.2(5’’’−C),121.1(6’’’−C),120.9(10−C),116.4(4’’’−C),114.4(2’’’−C),112.7(6’’−C),105.5(2’’−C),104.0(4−C),103.1(4’’−C),97.1(1’−C),96.7(1−C),78.2(5’−C),74.8(2’−C),74.6(3’−C),71.6(4’−C),69.5(7−C),62.4(6’−C),43.4(9−C),28.7(5−C),25.8(6−C).

0084

−アマロスウェリン−
〔13C−NMRケミカルシフト・(帰属炭素,CD3OD)〕171.3(7’’−C),167.2(11−C),166.2(5’’−C),163.9(3’’−C),157.4(3’’’−C),153.7(3−C),148.6(1’’−C),146.4(1’’’−C),133.1(8−C),129.4(5’’’−C),121.3(10−C),121.1(6’’’−C),116.4(4’’’−C),114.5(2’’’−C),112.6(6’’−C),109.3(2’’−C),103.9(4−C),103.2(4’’−C),98.9(1’−C),98.2(1−C),78.4(5’−C),74.9(2’−C),74.8(3’−C),71.3(4’−C),65.7(7−C),64.2(5−C),62.3(6’−C),51.9(9−C),33.5(6−C).

0085

実施例2の結果によれば、チライトからの抽出物から、アマロスウェリンとアマロゲンチンとを精製できることが示され、さらに、前記精製されたアマロスウェリン及びアマロゲンチンは、それぞれ、前記構造式(1)及び(2)で表される化学構造を有していたことが示された。

0086

(実施例3)
<毛乳頭細胞増殖促進作用試験
実施例3は、実施例1、2で調製されたチライトからの抽出物、アマロスウェリン及びアマロゲンチンに対し、毛乳頭細胞増殖促進作用試験を行った実施例である。

0087

毛乳頭細胞増殖促進作用試験の具体的な手順は、以下の通りである。
まず、正常ヒト頭髪毛乳頭細胞(TOYOBO社、CA60205)を毛乳頭細胞増殖培地(TOYOBO社、TPGM−250)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞は10%FBS(Fetal Bovine Serum)含有DMEM(Dulbecco’s modified minimal essential medium)を用いて1.0×104 cells/mLの濃度に希釈した後、コラーゲンコートした96wellプレートに1well当り200μL播種し、3日間培養した。培養後、培地を抜き、無血清DMEMに溶解した被験試料を各wellに200μL添加し、さらに4日間培養した。

0088

毛乳頭細胞増殖作用MTアッセイを用いて測定した。具体的には、培養終了後、培地を抜き、終濃度0.4mg/mLで無血清のDMEMに溶解したMTT((3−(4,5−Dimethyl−2−thiazolyl)−2,5−diphenyltetrazolium Bromide、同仁化学研究所)を各wellに100μL添加した。2時間培養した後に、細胞内に生成したブルーホルマザン2−プロパノール100μLで抽出した。抽出後、波長570nmにおける吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。そして、毛乳頭細胞増殖促進率を、下記(1)式に従って算出した。

0089

毛乳頭細胞増殖促進率(%)=(A/B)×100 ・・・(1)
〔ただし、前記(1)式中、Aは被験試料添加時の吸光度を表す。Bは被験試料無添加時の吸光度を表す。〕

0090

表2は、各有効成分による毛乳頭細胞増殖促進率を示す表である。

0091

0092

実施例3の結果によれば、チライトからの抽出物、アマロスウェリン及びアマロゲンチンが、毛乳頭細胞増殖促進作用を有することが示された。

0093

(実施例4)
<テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用試験>
実施例4は、実施例1、2で調製されたチライトからの抽出物、アマロスウェリン及びアマロゲンチンに対し、テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用試験を行った実施例である。

0094

テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用試験の具体的な手順は、以下の通りである。
まず、蓋付V底試験管にて、プロピレングリコールで調製した4.2mg/mL テストステロン 20μL、1mg/mLNADPH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)含有5mmol/mL Tris−HCl緩衝液(pH7.13)825μLを混合した。これに、エタノール、80%エタノール又は精製水で調製した被験試料80μL及びS−9(オリエンタ酵母工業株式会社) 75μLを加え再び混合し、37℃にて30分反応させた後、塩化メチレン1mLを加え反応を停止した。これを遠心(1,600×g、10分)し、塩化メチレン層ガスクロマトグラフィーにより分析した。前記ガスクロマトグラフィーの条件は以下の通りである。また、同様の方法で空試験を行った。
なお、前記S−9とは、SDラットの雄に酵素誘導剤フェノバルビタール、5,6−ベンゾフラボン)を腹腔内投与したのち肝臓すりつぶして、9,000×gで遠心した上清である。

0095

−ガスクロマトグラフィーの条件−
使用機器:ShimadzuGC−7A
カラム:DB−1701(φ0.53mm×30m,膜厚;1.0μm)
カラム/注入温度:240℃/300℃
検出器:FID
キャリアガス:窒素ガス

0096

あらかじめ、3α−アンドロスタンジオール(SIGMA社)、ジヒドロテストステロン(DHT、東京化成工業株式会社)及びテストステロン(東京化成工業株式会社)の標準品塩化メチレン溶液をガスクロマトグラフィーにより分析し、これら3化合物の精量とピーク面積よりピーク面積あたりの化合物量を算出した。
そして、S−9による反応後の3α−アンドロスタンジオール、ジヒドロテストステロン(DHT)及びテストステロンをガスクロマトグラフィーにより分析し、それぞれのピーク面積あたりの濃度を、下記の(2)式に従って算出した。次に、被験試料の変換率を下記の(3)式に従って算出した。そして、前記変換率に基づいて、テストステロン5α−リダクタゼ活性阻害率を、下記の(4)式に従って算出した。

0097

濃度(%)=(被験試料のピーク面積×標準品濃度)/標準品のピーク面積 ・・・(2)

0098

変換率(%)=(A+B)/(A+B+C) ・・・(3)
〔ただし、前記(3)式中、Aは、3α−アンドロスタンジオールの濃度を表す。Bは、ジヒドロテストステロン(DHT)の濃度を表す。Cは、テストステロンの濃度を表す。〕

0099

テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害率(%)=(1−E/D)×100 ・・・(4)
〔ただし、前記(4)式中、Dは、空試験での変換率を表す。Eは、被験試料添加での変換率を表す。〕

0100

表3は、各有効成分によるテストステロン5α−レダクターゼ活性阻害率を示す表である。

0101

0102

実施例4の結果によれば、チライトからの抽出物、アマロスウェリン及びアマロゲンチンが、テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用を有することが示された。また、テストステロン5α−リダクターゼ阻害作用の程度は、チライトからの抽出物、アマロスウェリン及びアマロゲンチンの濃度によって調節できることが示された。

0103

(実施例5)
<アンドロゲン受容体結合阻害作用試験>
実施例5は、実施例1、2で調製されたチライトからの抽出物、アマロスウェリン及びアマロゲンチンに対し、アンドロゲン受容体結合阻害作用試験を行った実施例である。

0104

アンドロゲン受容体結合阻害作用試験の具体的な手順は、以下の通りである。
まず、マウス自然発生乳がん(シオノギ癌:SC115)よりクローニングされたSC−3細胞を2%DCC−FBS(Dextran−coated charcoal fetal bovine serum)及び10−8mol/Lテストステロン含有MEM(Minimum Essential Medium、MEM)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1.0×105cells/mLの濃度に2%DCC−FBS含有MEM(MEM)で希釈し、96wellプレートに1well当たり100μLずつ播種し、一晩培養した。培養終了後、培地を抜き、10−9mol/L DHTを含む0.5%BSA(Bovine Serum Albumin)含有Ham F12+MEM(HMB)に溶解した被験試料を100μL添加し、48時間培養した。その後、終濃度0.4g/mLで2%DCC−FBS含有MEMに溶解したMTTを各wellに100μL添加した。2時間培養した後に、細胞内に生成したブルーホルマザンを2−プロパノール200μLで抽出した。抽出後、波長570nmにおける吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。空試験として、HMBのみで培養した細胞を、陽性対照として10−9mol/L DHTのみを含有したHMBで培養した細胞を用い、同様の方法で試験を行って補正した。
そして、アンドロゲンレセプター拮抗率を、下記(5)式に従って算出した。

0105

アンドロゲンレセプター拮抗率(%)=[1−(C−D)/(A−B)]×100 ・・・(5)
〔ただし、前記(5)式中、Aは、DHT添加、被験試料無添加での570−650nmにおける吸光度を表す。Bは、DHT無添加、被験試料無添加での570−650nmにおける吸光度を表す。Cは、DHT添加、被験試料添加での570−650nmにおける吸光度を表す。Dは、DHT無添加、被験試料添加での570−650nmにおける吸光度を表す。〕

0106

次いで、試料溶液の濃度を段階的に減少させて前記阻害率の測定を行い、各濃度におけるアンドロゲンの結合阻害率(%)を求めた。
表4は、各有効成分によるアンドロゲン結合阻害率を示す表である。

0107

0108

実施例5の結果によれば、チライトからの抽出物、アマロスウェリン及びアマロゲンチンが、アンドロゲン受容体結合阻害作用を有することが示された。また、アンドロゲン受容体結合阻害作用の程度は、チライトからの抽出物、アマロスウェリン及びアマロゲンチンの濃度によって調節できることが示された。

0109

(実施例6)
<VEGF、BMP−2及びIGF−1の産生促進試験>
実施例6は、実施例1、2で調製されたチライトからの抽出物、アマロスウェリン及びアマロゲンチンに対し、VEGF、BMP−2及びIGF−1の産生促進試験を行った実施例である。前記産生促進試験は、mRNAの発現を評価するmRNA発現促進作用試験により行った。
各mRNA発現促進作用試験の具体的な手順は、以下の通りである。

0110

一本鎖DNAの調製−
まず、正常ヒト頭髪毛乳頭細胞(TOYOBO社、CA60205)を毛乳頭細胞増殖培地(TOYOBO社、TPGM−250)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2×105個/mLの濃度になるように10%FBS含有DMEM培地で希釈した後、直径60mmシャーレに5mLずつ播種し、一晩培養した。培養終了後、被験試料を添加した無血清DMEM培地に交換し6時間培養した後、細胞を1mLのRNA抽出用試薬(ISOGEN:株式会社ニッポンジーン)で溶解し、クロロホルムを200μL添加後、遠心(12,000回転、4℃、15分間)にて上層RNA層を単離し、さらにイソプロパノールで濃縮を行った。濃縮沈殿させた総RNAをTE溶液(10mM Tris−HCl/1mMEDTA, pH8.0)に溶解して総RNA標品とし、PCR装置(TaKaRaPCRThemal Cycler MP:タカラバイオ社)及びリアルタイムPCRキット(TaKaRa ExScriptTMRTreagent Kit,RR035A:タカラバイオ社)を用いてVEGF、BMP−2及びIGF−1のmRNA発現量を測定するための鋳型に使用する一本鎖DNAを合成した。

0111

サイバーグリーン法を用いたリアルタイム−PCR反応
VEGF遺伝子増幅用プライマーとして下記の配列を有するセンスプライマー及びアンチセンスプライマーを作製した(タカラバイオ社)。
センスプライマー :5’−gagccttgccttgctgctctac−3’
アンチセンスプライマー:5’−caccagggtctcgattggatg−3’

0112

BMP−2遺伝子増幅用プライマーとして下記の配列を有するセンスプライマー及びアンチセンスプライマーを作製した(タカラバイオ社)。
センスプライマー :5’−aacactgtgcgcagcttcc−3’
アンチセンスプライマー:5’−cctaaagcatcttgcatctgttctc−3’

0113

IGF−1遺伝子増幅用プライマーとして下記の配列を有するセンスプライマー及びアンチセンスプライマーを作製した(タカラバイオ社)。
センスプライマー :5’−tcttcagttcgtgtgtggagacag−3’
アンチセンスプライマー:5’−gggtgcgcaatacatctccag−3’

0114

また、内部標準としてのG3PDH(Glyceraldehyde−3−phosphate dehydrogenase)遺伝子増幅用プライマーとして下記の配列を有するセンスプライマー及びアンチセンスプライマーを作製した(タカラバイオ社)。
センスプライマー :5’−gcaccgtcaaggctgagaac−3’
アンチセンスプライマー:5’−atggtggtgaagacgccagt−3’

0115

「被験試料無添加」、「被験試料添加」でそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品をもとに調製した一本鎖DNA及び検量線作成用一本鎖DNA溶液用いて、リアルタイムPCR装置(Real TimePCRSystem Smart Cycler II:Cepheid社)及びリアルタイムPCRキット(SYBR Premix Ex TaqTM,RR041A:タカラバイオ社)でリアルタイムPCR反応を行った。なお、検量線作成用一本鎖DNA溶液は、原液濃度相対値を便宜的に「10,000」とし、以降5倍希釈を繰り返して濃度値「2,000」、「400」、「80」及び「16」の5段階の希釈系列とした。反応は、95℃で10秒間保温の後、95℃で5秒間、60℃で20秒間の反応を45サイクル繰り返し、1サイクル毎にサイバーグリーン色素の発光量を測定した。

0116

解析
各サイクルのサイバーグリーン色素の発光量からVEGF、BMP−2、IGF−1及びG3PDHのそれぞれをコードするDNA断片増幅曲線を作成した。検量線作成用一本鎖DNA溶液の希釈系列の増幅曲線から横軸に濃度、縦軸に増幅曲線の2次導関数が最大となるサイクル数をとった検量線を作成した。各発現定量用サンプルについては増幅曲線の2次導関数が最大となるサイクル数を検量線上にプロットし、相対的な発現量を算出した。VEGF、BMP−2及びIGF−1の発現量は、同一サンプルにおけるG3PDHの発現量の値で補正を行った後、さらに「被験試料無添加」の補正値を100とした時の「被験試料無添加」の補正値を算出した。

0117

VEGF、BMP−2及びIGF−1のmRNA発現促進率(%)は以下の式により求めた。
mRNA発現促進率(%)=B/A×100
A :「被験試料無添加」の補正値
B :「被験試料添加」の補正値

0118

0119

実施例6の結果によれば、チライトからの抽出物が、VEGF及びBMP−2のmRNA発現を促進させる作用を有することが示された。また、アマロゲンチンが、VEGF、BMP−2及びIGF−1のmRNA発現を促進させる作用を有することが示された。また、アマロスウェリンが、VEGF及びBMP−2のmRNA発現を促進させる作用を有することが示された。

0120

(実施例7)
下記組成養毛用のヘアトニックを常法により製造した。
チライト80%エタノール抽出物1.0g
塩酸ピリドキシン0.1g
レゾルシン0.01g
D−パントテニルアルコール0.1g
グリチルリチン酸ジカリウム0.1g
l−メントール0.05g
1,3−ブチレングリコール4.0g
ニンジンエキス0.5g
エタノール25.0g
香料適量
精製水残部
合計 100.0g

0121

(実施例8)
下記組成の養毛用のヘアトニックを常法により製造した。
アマロゲンチン0.1g
酢酸トコフェロール適量
セファランチン0.002g
イソプロピルメチルフェノール0.1g
ヒアルロン酸ナトリウム0.15g
ビワ葉エキス1.0g
グリセリン15g
エタノール15g
香料適量
キレート剤エデト酸ナトリウム) 適量
防腐剤ヒノキチオール) 適量
可溶化剤ポリオキシエチレンセチルエーテル) 適量
精製水残部
合計 100.0g

0122

(実施例9)
下記組成の育毛用の透明シャンプーを常法により製造した。
チライト水抽出物1.0g
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム10.0g
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン10.0g
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム20.0g
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド4.0g
プロピレングリコール2.0g
香料適量
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.15g
精製水残部
合計 100.0g

0123

(実施例10)
下記組成の育毛用のコンディショニングシャンプーを常法により製造した。
アマロスウェリン0.2g
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム30.0g
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン30.0g
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム20.0g
ヤシ油ジエタノールアミド3.0g
ジステアリン酸エチレングリコール2.0g
香料適量
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.15g
1,3−ブチレングリコール3.0g
精製水残部
合計 100.0g

0124

本発明の毛乳頭細胞増殖促進剤、テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤、アンドロゲン受容体結合阻害剤、VEGF産生促進剤、BMP−2産生促進剤、IGF−1産生促進剤、育毛剤及び頭皮化粧料は、脱毛症をはじめとする好ましくない症状の予防及び治療に利用することができ、例えば、ヘアトニック、ヘアリキッド、シャンプー、ポマード、リンスなどに含有させることで、幅広く利用することができる。

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