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「非情」小泉前首相1人だけ応援

2007年07月15日

 小泉純一郎前首相(65)が14日、参院選公示後初めての遊説で群馬県高崎市に入り、1年3カ月ぶりに街頭演説した。応援したのは小泉内閣で官房副長官を務めた比例代表候補、上野公成氏(67)。自民党の比例候補で群馬に縁のある3陣営のうち、小泉氏が応援したのは上野氏だけ。「他候補に非情と言われる」と苦笑いしたが、ただでさえ逆風下で“群馬票”の獲得合戦をしている尾身朝子(46)、中山恭子(67)両陣営から悲鳴が上がりそうだ。

 高崎市で開かれた上野氏の出陣式。小泉氏は06年4月の衆院千葉7区補選以来、1年3カ月ぶりに街頭に立った。退任後初の「小泉劇場」に強い雨の中、約1500人が集まった。

 小泉氏は申し訳なさそうに切り出した。「群馬にはほかにも比例の候補がたくさんいる。1人だけ応援するのは、恨まれる。他の候補から『小泉は非情』と言われるだろう」。森、小泉内閣で官房副長官を務め、04年の参院選で落選した上野氏を「やっぱり特別だから」と、応援理由を説明。「群馬の下ネタ…じゃない、下仁田ねぎは、値段は高いが多くの注文がある」と、下ネタ交じりのご当地ネタで笑わせ「人生いろいろ。比例候補もいろいろだが上野さんをお願いします」と、呼び掛けた。

 群馬に縁のある自民党の比例候補は、上野氏、尾身幸次財務相(74)の長女朝子氏、中学、高校が群馬だった首相補佐官の中山恭子氏と3人いるが、小泉氏が応援したのは上野氏だけ。各陣営から応援依頼が殺到する小泉氏だが、街頭演説は今回限り。1度は断りながら引き受けたといい、まさに「上野さんは特別」だった。

 上野陣営によると、小泉氏の応援は6月に決定。会期延長がなく、公示が当初予定の7月5日なら、この日は投票日1週間前の大イベントだった。「日程がずれても、これほど心強いことはない」と話すが、裏を返せば「とにかく“群馬票”を取らなければ」(陣営)という危機感からだ。

 非拘束名簿式の比例代表では、個人得票数が当落を左右する。比例候補も選挙区並みに名前を書いてもらわなくては勝てず、縁のある地区での得票がかぎを握るだけに小泉氏の応援は「プラスアルファ」(同陣営)で、同日夜には森喜朗元首相(70)も上野氏の応援に入った。

 小泉氏の群馬入りに、中山陣営は「本人はおおらか。気にしないのでは」、前回、次々点で敗れた尾身陣営は「お互い切磋琢磨(せっさたくま)して当選すればいいこと」と話したが、“群馬票”の行方に神経をとがらせている。【中山知子】

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