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中国の「極超音速ミサイル」開発が示唆する“米中軍事同盟”という意外すぎる近未来

心配すべきことは他にある

「極超音速ミサイル」とは何か

中国の「極超音速(ごくちょうおんそく)ミサイル」(hypersonic missile)という舌を噛みそうな発音のミサイルが、日本で新たな脅威として、先月後半からしきりに取り沙汰されている。

音速は気温15度の場合、毎秒340mで、その5倍、すなわち毎秒1.7km以上進むミサイルのことを「極超音速ミサイル」と呼ぶ。ここまで高速かつ変幻自在な動きをするミサイルが飛んでくると、もはやアメリカの最新防衛システムでも、迎撃は不可能だ。

今回問題視されたきっかけは、英『フィナンシャルタイムズ』(10月16日付)の報道である。「中国が極超音速ミサイルで新たな宇宙空間の可能性を試験する 核搭載可能なロケットを8月に発射して地球を周回させ、アメリカの諜報機関を驚かせた」と題した記事が、反響を呼んだのだ。

この一件は、10月18日の中国外交部の定例記者会見で、米ブルームバーグと仏AFP通信の記者が、それぞれ質問した。それに対する趙立堅報道官の回答をまとめると、以下の通りだ。

「私の理解によれば、この試験は定例の航空機器のテストで、航空機器の複数回使用技術を検証するためのものだった。この試験は航空機器のコストを引き下げるのに重要な意義を持つ。人類が天空を平和利用するのを便利にし、引き返せる方式により廉価にするものだ。世界の多くの企業が類似の試験を行ってきた。

航空機器が帰還する前に分離したのは配電装置で、大気圏に落下する中で毀損解体され、公海の海域に落下する。中国は世界各国とともに宇宙空間を平和利用し、それは人類共通の努力に恩恵を与えるものだ。つまり、これはミサイルではなく航空機器だ」

 

このように趙立堅報道官は、「疑惑」を否定したのだった。スペースシャトルのように、宇宙空間に飛び立って何度でも使用できる航空機器の実験を行ったにすぎないというわけだ。

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