「ゲームプログラマーになろう」と心に誓ったはいいものの、勉強しないといけないことが多すぎて何から勉強していいかわからない…!
そんな状況を打開すべく、身に付けておきたい開発ツールとおすすめのプログラミング言語を紹介します。
ゲームプログラマーに求められる技術スキルは、近年大きく変化しています。
以前はプログラミング言語の習得が必須でしたが、近年はゲームエンジンという効率化ツールを導入する開発現場が増えています。プログラミング言語を完全に習得していなくても、ゲーム開発に携わることができるようになってきているのです。
記事後半ではゲームエンジンやプログラミングを挫折せずに習得する勉強方法についても紹介しています。ぜひ参考にしてください。
まずはここから!おすすめのゲームエンジン
ゲームエンジンとは、ゲーム開発に必要ないくつもの機能とライブラリが組み合わさった統合的な開発環境のことです。ここでは全世界でシェアが高く、学習に適したコミュニティも充実しているゲームエンジンを2つご紹介します。
Unity(ユニティ)
ユニティ・テクノロジーズ社が提供する、無料のゲームエンジンです。
ゲームエンジンの中では一番のシェアを誇るといわれ、スタンダードになりつつあります。
特徴
- ユーザー数が多く国内普及も進んでいる。日本語の情報やコミュニティが充実。
- 2Dゲームもグラフィック重視の3Dゲームも、どちらにも対応している。
- 多種多様なOS、機器に対応している
- 高度な開発やカスタマイズにはC♯を用いる
- PCのスペックが低くても、簡易的なゲームならつくれる
こんなゲームがつくれる!
- コンシューマゲーム
- PCゲーム
- ブラウザゲーム
- スマホゲーム(Android / iOS)
- VRゲーム
Unreal Engine(アンリアルエンジン)
EpicGames社が開発したゲームエンジンです。2015年から無償提供が開始しました。
特徴
- 日本語の書籍や情報が少なめ。
- 写実的でリアルな3D映像をつくりやすい。
- 高度な開発やカスタマイズには、ビジュアル言語のBlueprint機能とC++を用いる。
こんなゲームがつくれる!
- コンシューマゲーム
- PCゲーム
- ブラウザゲーム
- スマホゲーム(Android / iOS)
- VRゲーム
高度な開発に挑戦するなら!おすすめのプログラミング言語
プログラミング言語を自在に使えると、さらにゲームの表現を追求することができます。
コンシューマゲームや大規模なソーシャルゲームのように、オリジナリティや技術力が求められる現場では重宝されるでしょう。
ゲーム開発に必要な言語は多岐に渡りますが、チームで作業にあたるので全ての言語を一人で使いこなせる必要はありません。勉強の進め方としては、まずは一つか二つの言語を集中的に習得することをオススメします。自分の思い通りの処理を実行できるくらいまで使い込みましょう。
ベースとなる得意言語をつくっておけば、仕事で他の言語が必要になったときもその知識を応用してスムーズ習得できます。
C++(シープラ)
C言語に様々な機能を追加した言語です。
特徴
- 「コンピューターが理解する機械語」に近い書き方をする言語。(コンパイル言語)
- 勉強の難易度は高いが、処理速度が速くなめらかに動くゲームをつくることができる。
- 大規模プロジェクトでも使用することができるなど、汎用性が高い。
- Unreal Engineでも使用される。
こんなゲームがつくれる!
- コンシューマゲーム
- PCゲーム
- ソーシャルゲーム
C♯(シ―シャープ)
マイクロソフト社によって作られたプログラミング言語で、C言語、C++、Javaのいい部分を取り入れて作られています。
特徴
- 「コンピューターが理解する機械語」に近い書き方をする言語。(コンパイル言語)
- Unityと組み合わせて開発することが非常に多く、人気が高まっている。
- 作成時に読みやすいコードに仕上げることができ、複雑なプログラムを効率よく安全に作成できる。
- C言語やC++とは互換性がない。
こんなゲームがつくれる!
- コンシューマゲーム
- PCゲーム
- ブラウザゲーム
- スマホゲーム(Android / iOS)>/li>
- ソーシャルゲーム>/li>
Java(ジャバ)
多くのOSに対応する汎用性の高さから、人気の根強い言語。
特徴
- 「コンピューターが理解する機械語」に近い書き方をする言語。(コンパイル言語)
- OSに依存せず安定的に動作できる。
- サーバー上で動くプログラムに使用されることが比較的多い。
こんなゲームがつくれる!
- スマホゲーム(Android / iOS)>/li>
- ソーシャルゲーム>/li>
JavaScript(ジャバスクリプト)
主にWebページ上で様々な機能や演出を実現するために使われますが、ゲームに適したライブラリがたくさんあります。
特徴
- スクリプト言語の一種で学習難易度はそれほど高くない。
- HTMLやCSSとの関連性が強いため一緒に学んだ方が良い。
- フロントエンド(クライアントサイド)でもバックエンド(サーバーサイド)でも使用できる。
- Javaとは異なるプログラミング言語。互換性もない。
こんなゲームがつくれる!
- ブラウザゲーム(画面上で動くフロント部分)
- スマホゲーム(Android / iOS)>/li>
PHP(ピーエイチピー)
WEBアプリケーションに特化した、バックエンド(サーバーサイド)用の言語です。
特徴
- スクリプト言語の一種で難易度はそれほど高くない。
- 初心者に扱いやすく、上級者にとってもさまざまな機能を盛り込むことができる。
- HTML内に埋め込める
こんなゲームがつくれる!
- ブラウザゲーム(システム部分)
Ruby(ルビー)
まつもとゆきひろ氏が開発した国産のバックエンド(サーバーサイド)用の言語です。
特徴
- スクリプト言語の一種で難易度はそれほど高くない。
- 柔軟性が高く、スムーズなプログラミングが可能
- DXRubyやGosuなどゲーム向けのライブラリが充実している
こんなゲームがつくれる!
- ブラウザゲーム(システム部分)
- スマホゲーム(Android / iOS)>/li>
- ソーシャルゲーム>/li>
Swift(スウィフト)
Apple社が提供するMacOSとiOSを対象にしたアプリ開発言語です。
特徴
- 難易度は少し高めだが、凝ったアプリをつくれるようになる。
- iOSアプリ開発用のソフト・Xcodeを併用することで、実際にゲームを作成しながら学びやすい。
こんなゲームがつくれる!
- PCゲーム(Macのみ)
- スマホゲーム(iOSのみ)
Python(パイソン)
文法を単純化しコードの可読性を高めた、初心者に優しいプログラミング言語です。
特徴
- スクリプト言語の一種で難易度はそれほど高くない。
- データ解析やAI(人工知能)の開発によく使われる言語
- ゲーム業界や映像業界では、ツールを使いやすくするためにもよく使われる
例:CGツールAutodesk Maya の面倒な繰り返し作業を自動処理させる
ゲームエンジンやプログラミング言語の勉強方法
プログラミングは、PCと開発環境さえあれば独学でも学ぶことができます。
まずは手軽に勉強を始めるなら、本やWebサイトを見ながら実際にプログラムを書いてみるのが良いでしょう。
ですが独学でモチベーションを維持し、スキルを上げるのはなかなか大変です。
ここでは、挫折せず学習を継続するために「誰かと一緒に頑張る」学習方法を3つご紹介します。
企業のインターンシップに参加する
企業がインターン開催するインターンシップに参加すると、現役エンジニアからプログラミングを学ぶことができます。プログラミングの実務を教えてもらえるだけでなく、業務の面白さや苦労話も聞けるかもしれません。また、将来働いてみたいと思える企業を探すにもインターンは有効です。
ぜひ活用しましょう。
オープンソースコミュニティに参加する
ソースコードが無償で公開され誰もが自由に利用・改変・再配布できるソフトウェアを、オープンソースソフトウェア(OSS)といいます。
OSS再配布の条件を定めたり、ソフトウェアの改良や品質評価を行うボランティアのエンジニアコミュニティがオープンソースコミュニティです。
「ハードルが高そう…」と心配しなくても大丈夫。コミュニティ内には初心者向けのプロジェクトもあります。
興味があるOSSコミュニティが見つかったら、サイトで「beginner」や「easy」などのラベルを探してみるとよいでしょう。
コミュニティに参加すればお手本となるソースに触れる機会ができ、さらに世界中にプログラミングの仲間ができます。活動を続けていくうちに、いつしかプログラミングのスキルが上がっていることでしょう。
自分のレベルや目的に合った勉強会へ参加する
プログラミングの勉強会は、あらゆる主催団体、テーマ、形式、料金のものがあります。
新しい知識が得られたりわからなかったことを教えてもらう以上に、同じ目的や悩みを持つ仲間ができることが勉強会参加の大きなメリットです。
プログラミングというのは孤独な作業です。いかに大規模なプロジェクトといえども、隣で作業をしている人は異なる目的のプログラムを書いています。
だからこそ、行き詰まったときに仕事を離れて、同じ業界の言葉で話せる仲間がいるということがとても大切なのです。
まずは無料の勉強会の中から興味が持てそうなものに参加してみることをおすすめします。
何を学びたいか目的をはっきりさせた上で、できる限り内容を吟味して受講できるとよいですね。
- 「初心者向け」と書いてあったが、レベルが合わなかった…。
予備知識がそこそこ求められる内容で話についていけなかった。 - 参加しただけで勉強したつもりになってしまった…。
習ったことを消化して落とし込むための時間がとれなくなってしまい本末転倒に。
プログラミングを勉強する際の心構え
プログラミングの勉強を始めたばかりの頃は、きっと挫折の連続です。
用語はちんぷんかんぷん、ツールの使い方もよくわからない、コードを書いて実行させてもあえなくエラーで弾かれる―――でもこれは皆が通る道。
一歩一歩進んである日後ろを振り返れば、ずいぶん高いところまできたと気付くものです。
ゲームプログラミングは、自分の書いたプログラムで多くの人を楽しませることができるという夢のある作業です。「ゲームが好き」「作ってみたい」というモチベーションのある方はぜひチャレンジしてみてください。