「想定外の出来事」でパニックになってしまう6つの理由と対処法
更新日 2017年02月10日 |カテゴリ: 自分を変えたい
パニックになってしまう6つの理由
1 )自信過剰による「認知的不協和」
「認知的不協和」とは、アメリカの心理学者であるフェスティンガーが提唱した概念です。自分の認知と周囲の状況に矛盾や葛藤がある場合、自分自身の認知を変更することによって不調和を軽減しようとする心のメカニズムです。
自分に大きな自信がある人や、極端なポジティブシンキングの人の場合、“ネガティブな可能性”に考えが及ぶと不安が生じてしまう可能性があります。そうなると“自信たっぷりの自分像”を維持することが難しくなるため、想定外の出来事を“ないもの”にしてしまうのです。
2 )本能的にネガティブな想起を避ける
かなりの冷静さや客観性を兼ね備えた人は別かもしれませんが、たいていの人は「うまくいかないかもしれない」と考えるときに不快な感覚が自動的に生じます。人の本能として不快さを無意識に避けようとするので、想定外の可能性を想起する回数が少なくなると考えられます。
3 )自分をよく見せようとしている
「できる人と思われたい」「失敗したくない」という気持ちが強いと、知らず知らずのうちにそれまでの“うまくいった経験”からしか物事を考えなくなります。よって視野が狭くなり、物事に対する柔軟性を失ってしまうのです。
またそのような人は、何か想定外のことが起きると「どういう対応がベストなのか」という視点よりも、「どうすればダメな人間と思われないか」という自己中心的な対処法を優先してしまいがちです。よって、対応がうまく進まずかえってパニックが大きくなったり、失敗してしまったりするのです。
4 )人に頼れない
何かトラブルが起きたとき、自分だけの力で解決しようとしても限界があります。人に相談して異なる視点からのアイデアをもらったり、意見を取り入れたりしながら柔軟に対応していく姿勢も大切です。
5 )完璧主義
想定外の出来事があったとき「100パーセント正しく対処しなくては」と捉える傾向はありませんか?完璧主義の人は“答えがわからないと行動できない”という傾向があるため、考えれば考えるほど“はじめの一歩”が踏み出せなくなるという悪循環に陥りがちです。「そもそも“想定外”なのだから、やってみないとわからない」「とりあえず進めながら修正していこう」というくらいの柔軟な構えで取り組んでみてはいかがでしょうか。
6 )焦ってしまう
「とにかく早く対処しなくては」と焦る気持ちが、パニックを余計に大きくしているかもしれません。焦ってしまうときは、“どう対処するか”という直線的な解決法よりも、一見回り道のように思えても“いま、何を優先すべきか”という点を考えることのほうが大切かもしれません。
例えば仕事上のトラブルならば、まずは誰に連絡すべきなのか、時間の余裕はどれくらいあるのか、何か必要な物はあるのか、後回しにできる事柄は何か……といったことを一旦整理してから、優先順位を決めて取り掛かるほうがむしろ効率的でしょう。
パニックにならないための心のあり方とは?
レジリエンス(resilience)
レジリエンスとは、“逆境からの回復力”という意味をもつ心理学用語。逆境に陥らないような固い心をもつということではなく、逆境に陥っても折れることのないしなやかな心をもつことを意図しています。“想定外の出来事”が起きたときに「ああ、困った! 自分には無理だ!」と白黒思考で捉えるのではなく、「大変だけど、これを乗り越えれば成長できるはず」と柔軟に考えることを目指しましょう。
シンクロニシティ(synchronicity)
心理学者のユングによる概念で、「因果関係のない偶然の一致であるが、意味のある現象」という意味をもちます。思いがけず起きたネガティブな出来事であっても、「今このことが生じたのは、自分にとって乗り越えることが必要だからなのかもしれない」と意味付けしてみましょう。きっとチャンレジする勇気や意欲がわいてくるはずです。
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