起きている状態から、自覚した夢の中に入って夢見を行うことを、本ブログでは「白昼明晰夢」と呼びます。

大まかに言えば、「白昼明晰夢」に入るためには2種類の方法があります。
一つは、特定の夢の場面に入っていくように言い聞かせながら、半分夢の状態に入る方法です。
もう一つは、特定の場面をありありと思い描いてから、それを夢のように自動的に動くようにしていく方法です。

最初の方法では、夢見の状態に入る自分なりの方法を確立することが大切です。
一つは、特定のイメージのプロセスを通して夢に入るように訓練することです。

例えば、大きな古い家に入って、奥の部屋まで行き、その部屋の大きな扉を開くと夢の世界に入るとか。
地下への階段を一段づつ降りていき、地下に着くと夢の世界に入るとか。
あるいは、銀色の卵で自分が囲まれ、その内側の壁に夢が投影されてくるとか。

夢見の状態に入るには、普段眠りにつく時の意識の変化、感覚を十分よく覚えて、それを再現するようにすると良いでしょう。

音楽を使うのも方法です。
シャーマンがトランスに入る場合、多くは早いリズムのドラムを使います。
持続音中心のニューエイジっぽい音楽を使うのもありですが、イメージが限定されると、見れる夢も限定されてしまいがちです。

見る夢を方向付けるには、例えば、夜に見た夢の続きを見る(展開する)なら、その夢の漠然とした感覚を思い出したり、夢の中で印象が強かった感覚や、事物人物に集中しましょう。

夢見の対象(テーマ)が夜に見た夢でなく、過去の体験の記憶、特定の象徴世界、現実の自然物や人間などでも、そのテーマのイメージ、象徴、感覚などを、あらかじめしっかり心に思い描くことが重要です。

また、夢見に入るプロセスのイメージと、夢の場面設定を、あらかじめ「語り」として録音しておき、それを聞きながら夢見をすることも可能です。


「白昼明晰夢」に入るための2つめの方法は、特定の場面をありありと思い描いてから、それを夢にしていく方法です。

つまり、まず、眼を閉じて(開眼でもいいですが難しいです)、夢の中、あるいは現実と同じくらいに、ありありとイメージを思い描きます。
「観想」と呼ばれる瞑想法です。
その後、コントロールをゆるめて、その中に入りつつ、それが自然に動くようにします。

ありありとイメージを思い描くには訓練が必要です。

まず、色と形のはっきりした幾何学図形を紙に描きます。
そして、それを30秒ほど凝視した後、白い壁を見ると、補色で残像が見えます。
白い壁以外でも、ブラックミラー(ガラスにエナメルを塗ったもの)や、占い師のように水晶に投影する方法もあります。

例えば、赤い円を凝視した後に白壁を見ると、緑の円が見えます。
残像に集中しながらそれを保持し続けるように訓練すると、いつの間にか、内的に作り出されたイメージに置き替わっていきます。
この内的イメージは、目を閉じても見えます。

この時、単に視覚的に赤をイメージするだけではなくて、温かさ、情熱など、赤が象徴するものを全感覚的に感じるようにしてみましょう。
それができるようになったら、イメージを変えたり、複雑なイメージを投影したり、思い描きます。
これは西洋高等魔術で行う訓練です。

あるいは、いつまでも寝ずに我慢して起き続けていると、やがては、夢と覚醒の混ざった半睡の意識状態になり、勝手に夢のイメージが見えるようになります。
この意識状態の中で、イメージを思い描くことを訓練します。
これはチベット仏教で行う訓練です。

起き続ける以外にも、部屋を暗闇にして長時間(数日とか)いるとか、アイマスクを長時間していても、同様に 半睡の意識状態になるので、この状態でも訓練できます。