2021-11-02

立民大敗理由は「かさ上げされていたのが元に戻ったから」

 衆院選での立憲民主党大敗を受けてその理由は何かとあれこれ語られている。その中で多くある意見に「共産党との協力によって支持者が離れたからではないか」というものがある。これは妥当見解だろうか?

 仮にそれが正しいとするなら、小選挙区においては候補者調整によって地力以上のものが出たにしろ比例においては得票を減らしているはずだ。では前回の2017年衆院選比較してみよう。

 2017年衆院選では立憲民主党は比例で11,084,890票を得て37議席を獲得した。

 一方、今回の衆院選では11,491,737票を得て39議席を獲得している。

 

 つまり、比例においては得票数獲得議席数の双方においてほぼ横ばいで、今回のほうが少しだけ多いという結果になっている。(もちろん得票数に関しては投票率自体が今回のほうがやや高いため単純比較はできないが)

 そして小選挙区での獲得議席数は、前回18から今回57と大きく伸びる結果となった。比例においてほぼ横ばいであるにも関わらず小選挙区では躍進しているというのは候補者調整の賜物と見るのが自然だろう。

 さて、ここまでの話を読んで誰もが疑問に思ったはずだ。「躍進!? 立民は今回大敗したんじゃなかったの!?

 このような状況が生まれている理由ははっきりしている。立憲民主党の改選前議席選挙を経ない形でかさ上げされていたからだ。

 そもそも立憲民主党結党時のことを思い出してほしい。当時の民進党小池百合子率いる希望の党と合流するかで割れた。そうして希望の党立憲民主党に分裂したのだ。

 その後、希望の党解党し、国民民主党、新希望の党無所属割れた。

 そして去年立憲民主党国民民主党解党し、無所属議員も含めて新立憲民主党と新国民民主党が生まれた。現在立憲民主党は新立憲民主党である

 つまり、改選前の立民の議席数は109だったがこれは立憲民主党看板選挙で得た議席数ではない。選挙で得た議席数は55に過ぎず、残りの54議席野党再編によって選挙を経ずに得た議席なのだ

 

 立憲民主党という看板投票する人の数は4年前と比べて大きく増えも大きく減りもしなかった。その結果どうなったかというと、選挙を経ずに得た、かさ上げされていた議席を立民は失った。これが今回起きたことだ。

 もともとの議席数が選挙での得票力という実力を大きく上回ったものだったのだ。それが実力通りの議席数に戻った。それだけだ。得票力が下がったわけではない。ただ選挙以外で得たものを維持できるほど上がってもいなかった。(当然、4年が経ち人も大幅に増えたにも関わらず得票力が横ばいというのは党執行部の責任が問われるべきだろう)

 その上で言えることとしては、野党再編によって旧希望の党議席が立民のものになっていた以上2017年希望の党を支持した層の多くは立民支持に回るはずだった、という仮定が正しいとするなら共産党と組んだことはこの層の離反を招いた可能性が高く野党共闘デメリットが出たという見解には一定の理がある。一方この仮定が誤りであれば野党共闘デメリットはさほど大きくなかったと言える。

 個人的意見としては旧希望の党を支持した人たちは野党支持層というよりも第三極支持層であり、この仮定ちょっと無理があるんじゃないかと思っている。今回の維新の躍進も希望の党がなくなってぽっかり空いた第三極ポジション維新が得たと考えると説明がつく。

  • 維新大勝の理由も「前回安倍を怒らせて減らされた分が元に戻っただけ」て話が出てたな。 たし蟹グラフ見たら昔は今回ぐらい当選してたんだな。URLは貼ろうと探したけどわからなくな...

  • 2009年の政権交代で勘違いしちゃったんだな あのときは代表鳩山、選挙司令塔小沢、元代表岡田など自民党大物OBが何人もいて、有権者には第二自民党だと思われていたんだ 決してリベラ...

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