解説 |
オオムラサキは,森林がある程度連続していないと生息できないらしい。里やまを代表するチョウのように思われているが,渓畔林にも多く生息する。食樹がないような山頂で,午後に占有行動をとる雄の姿もよく見かける。全国版レッドデータリストでは準絶滅危惧にランクされているが,少し郊外に行けばまだその姿を見ることができる。30年ほど前までは,何十匹もの成虫が車座になって樹液を吸う光景は珍しくなかった。最近では,樹液が豊富に出る木もあまり見かけなくなった。それには,森が成長して樹液を出しやすい若い木が減っていることや,木の内部から傷をつけるカミキリムシ類などが少なくなったことなど,様々な要因が影響していると思われる。成虫は,紹興酒などの匂いの強い酒をトラップにすると良く集まる。ただし,スズメバチ類もやってくるのでご注意。ゴマダラチョウとオオムラサキの幼虫が,同じ落ち葉に止まって越冬していることもある。科学園記録種。 |
分布 | 北海道(南部),本州,四国,九州 |
年間の発生回数 | 夏1化 |
食草等 | エノキ |
成虫の出現時期 | 7-8月 |
越冬態 | 幼虫 |
レッドリスト | 準絶滅危惧(NT) |