【やりたい仕事がない、分からない人へ】適職を探す5つの方法
「この先も今の仕事を続けていていいのか」「今の仕事にはなんとなく不満」と、現状にちょっとした違和感を覚えながらも、「やりたい仕事がない、分からない」と転職に踏み切れない人は多いもの。実際、仕事の目標や将来のビジョンが明確な人ばかりではありません。しかし、少しでも自分のやりたいことや得意分野が分かれば、より満足できるキャリアを進めるはずです。
この記事では、数多くの転職者を成功に導いたキャリアアドバイザーの話をもとに、悩んだときに陥りがちなパターンと、すぐに実践できる5つの対処法をご紹介。「やりたい」を見つける方法は、意外にも身近にあるかもしれません。
「やりたい仕事がない」「やりたい仕事が分からない」はよくあること
自分が何をしたいか分からない、やりたい仕事がないと考える人は多く、転職活動を行っている人でも、明確なゴールを定めた上で活動できている人は、実はそんなに多くはありません。誰もが悩み、迷っています。分からないからと焦らず、今の自分にできることから手を付けていきましょう。
また、「やりたい仕事」探しにとらわれ過ぎないことも大事だと、キャリアアドバイザーは言います。「やりたい仕事」が「できる仕事(自分が得意な仕事)」とは限りません。自分がこれまでのキャリアで培ってきたこと、得意なことを理解しないまま、漠然と「やりたい仕事」を考えてしまうと、やりたいことが思い当たらなかったり、まったく得意でないことを目指すことになったり、という事態につながりかねません。まずは自分が経験した業務から、何が得意なのか、やりたい仕事を切り離して考えてみることが大切です。
現状に不満を感じながら仕事を続けているようなら、転職もひとつの手段です。転職を考え始めたら、まずは自分の「やりたい仕事」のヒントを探してみましょう。ポイントは「自分自身をよく知ること」。どんなふうに働きたいか、その上で大切にしたいことは何か。過去の経験や他人の話などから掘り下げていく作業が、きっと道を広げてくれるでしょう。
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「やりたい仕事」が分からない人によくある4つの原因
転職活動で「やりたいこと」が分からなくなってしまう人には、いくつかのパターンがあるようです。例えば、将来のビジョンが描けない、自己分析に難しさを感じている、職種や業種の知識不足、条件ばかりにとらわれている…など、思い当たる点があれば考え方を変えることで気持ちが楽になり、より広い視点で自分のキャリアが描ける可能性もあります。
【原因1】立派な将来ビジョンが必要だと思っている
転職活動では応募書類や面接で「やりたい仕事」を語る場面があります。そのときに採用担当者をうならせるような立派なビジョンを語れないといけないのでは?と思い込み、「やりたい仕事」自体が分からなくなってしまう人もいます。
しかし、10年、20年先の自分がどうなっているかを想像するのは難しいことです。実際に、具体的な未来像まで描けている人はさほど多くありませんので過度に心配する必要はありません。
もし今までの仕事のなかで少しでも得意なことや苦に感じないことがあれば、そこを掘り下げることで「やりたい仕事」が見えてくるかもしれません。
【原因2】自己分析ができていない
考えてみたけれどとにかく「やりたい仕事が分からなかった」という人は、自己分析が十分ではないのかもしれません。「好きなこと」「やりたいこと」が思い浮かばないという人は、日ごろの業務で得意なことや仕事中の気持ちを探ってみましょう。
「自己分析」というとハードルが高く感じられるかもしれませんが、自分が普段仕事に抱いている不満やうれしかったこと、得意なこと、大切にしていることにスポットを当ててみましょう。「やりたい仕事を見つけること」だけに気を取られず、「できること」「苦ではないこと」がやりたい仕事につながる可能性も大いにあることも忘れないでください。
友人やキャリアアドバイザーに相談することで見えてくることもあるはずです。
【原因3】職種や業種を知らない
意外と多いのがこのケース。職種や業種は、どうしても自分や身近な人の経験・知識をもとにしたり、なんとなく知っている、知名度が高いなど「聞いたことのある会社」の中から探したりしてしまいがち。その結果、しっくりこないと悩む人も多いようです。一方、「合わなそう」「得意じゃない」と、先入観だけで候補から排除してしまうのはチャンスを逃すことになりかねません。
自分の思い込みや今ある知識の中だけで判断して、視野を狭めていないでしょうか? まずは視野を広く持って、どのような職種や業種があるかを調べてみること。イメージだけにとらわれず、世の中にあるさまざまな職を知ることが大きな一歩になります。また、転職活動としてキャリアアドバイザーに話を聞いたり、求人情報を検索したりすることで、今まで知らなかった職種や業界に興味を持つこともあります。
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【原因4】給与や休みなど、条件ばかりが気になっている
「年収○○○万円以上」「残業がなく、土日休み」「福利厚生や各種手当」「勤務地」など、求人を条件面で絞り込んで探す人は多いでしょう。求人を見ていくと、希望条件が100%すべてかなう求人はないことに気づくのではないでしょうか。働く上で条件は重要ですが、適職を見つける際には一度そのフィルターを外してみることも大切です。
「自分はなぜ転職をしたいのか」に改めて立ち戻ってみることがひとつのポイントです。例えば、年収に満足できずに転職を考えている場合、単純に年収がいくらか上がれば、その不満は解決できるでしょうか? 「年収を上げたい」という顕在化した希望の裏に本質的な希望があるかもしれません。
営業職であれば、「年収が上がらない」の裏に「成果は出しているのに評価されない」「成約しても利益率が低い」「庶務的な業務が忙しすぎて本来の営業活動の時間が削られる」などの本質的な「不満」が浮かび上がることもあります。
「どんな環境であれば転職を考えなかったか」=「不満」を裏返すと、本当にやってみたいことが見えてくるかもしれません。まずはこれまでの不満から、潜在的にある希望を探ってみましょう。
「やりたい仕事」の5つの探し方
ここまで紹介した4つの原因の中に思い当たるものはあったでしょうか? ここからは、すぐにできる適職の探し方を解説します。自分にとって着手しやすいものから進めていくのでもかまいません。少しずつ自分がどんな仕事がしたいのか、どんな人生を歩みたいのか、はっきりしてくるはずです。
【探し方1】これまでの仕事内容を振り返る
まずはこれまでの仕事での経験や気持ちの動きを洗い出してみてください。未来を考えるためのヒントは、過去にあるかもしれません。以下のような視点で、自分自身に問いかけ、振り返ってみましょう。
【これまでの仕事で…】
- うれしかったエピソードは?
- 苦労やストレスなくやり遂げられたことは?
- 嫌だったこと、大変だったことは?
- 「よくできた!」と褒められたことは?
- 上司やお客さんから言われて印象に残っている言葉は?
- よく頼まれる仕事は?
- 「自分の性格に合う」と感じた業務は?
回答の中に、何らかの共通点はないでしょうか。具体的なエピソードなどを書き出していくと、方向性がより明確に見えてくるかもしれません。このように過去の業務から「自分のトリセツ」を作ることもおすすめです。
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【探し方2】「どんなふうに仕事をしていたいか」数年後を考える
何十年も先のビジョンを描くのはなかなか難しいことなので、例えば「今年中にかなえたいこと」を考えてみましょう。1年単位で、「職場でどんな存在でありたいか」「どんなスキルを身につけたいか」をイメージしてみてください。
自分のことはイメージがわかない、というのであれば身近な人物にスポットを当ててみると、想像しやすくなるかもしれません。例えば、上司や同僚、仕事で付き合いのある人を見て「こんなふうに働きたい」と感じたことはないでしょうか。
会社に評価されたいのか、顧客に喜んでもらいたいのか、縁の下の力持ちでありたいのか、あるいは自身が楽しみながら働きたいのか…仕事を通じて「どんな私」でありたいかを考えてみてください。その理想像が実現できる仕事や働き方はどんなものか、逆算して探す中で適職が見つかることもあります。
壮大なキャリアプラン、ライフプランを今すぐ作る必要はありません。今の自分から手が届きそうなロールモデルを探してみて、どんな働き方をしているかをみてみましょう。
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【探し方3】人生でやりがいを感じたこと、心に残っている場面を思い出す
探し方1や2で今までの仕事を中心にすると考えづらい、または考えたけれどもピンとこないようであれば、今までの人生を振り返ることも有効な手段です。幼少期や学生時代から今に至るまでに、楽しかったこと、やりがいを感じながら達成できたことは何でしょうか。仕事に限らず、プライベートなことでもかまいません。
学園祭で実行委員としてクラスをまとめた、サークルや部活動でメンバーをサポートした、重要なプレゼンがうまくいった、友人の誕生日でサプライズパーティを企画した、など思いつく限り書き出してみましょう。
これらの体験は「なぜ」記憶に残っているのでしょうか。努力が認められたからなのか、人に喜んでもらえたからなのか。並べてみると好きなことや得意分野、やりがいを感じる要素が潜んでいるかもしれません。
例えば自分がおもてに出なくても、ほかのメンバーを支えることに喜びを感じられるのであれば、営業ではなくマネージャーが向いているのかも、などと仕事に当てはめて考えることもできます。公私問わずに「自分らしく輝くことができた瞬間」を考えてみると、キーワードが思い浮かぶでしょう。
【探し方4】人に話して、客観的に自分を知る
「自分を知る」ことはシンプルではありますが、非常に大切なプロセスです。人に相談することで、自分が何を大切にしていて、どんな強みを持っているのかが、客観的に分かることもあります。自分が思っている「私」と、周りから見えている「私」は意外と違うもの。自分では気づかない強みを発掘するいい機会です。
まずは、友人や家族、同僚など、気のおけない仲間に「どう見えているか」を率直に聞いてみましょう。思わぬ答えが返ってくるかもしれませんが、一つひとつを書き出すことによって自分を客観的にみることができるはずです。他人と話すことで、潜在的な思考が整理されることもあります。
特に得意なことであればあるほど、当たり前のようにこなせてしまいます。よくお願いされる業務は「あなただから」頼まれているのではないでしょうか。たとえ、それほどやりがいを感じていなくても、ストレスなくできている業務は強みかもしれません。
転職サポートの経験豊富なキャリアアドバイザーに相談することもおすすめです。対話を通して、自分では気づかない強みや、仕事に対する優先順位などを導き出してくれます。周囲から評価されていることやその理由を、第三者の視点から教えてもらうことで新しい景色が見えてくるはずです。
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【探し方5】求人情報を見てみる
転職サイトなどで、いろいろな業界の求人情報や必須条件を知るだけでも、やりたい仕事を見つけるための第一歩になります。求人情報をチェックする際に気をつけたいのは、「譲れない条件」とマッチしているかどうかです。
自己理解が深まっていない状態では「知っている会社だから」「条件がよいから」「興味のある商品だから」と、表面的な情報にとらわれ、本来やりたいことから遠ざかってしまうことも…。一方で、「〇〇業界で働きたい」といった思いが強すぎると、それ以外の業界の可能性を見落としがちです。
選択肢を広げるためには、自分の中で絶対に譲れない軸を定めることがポイント。もしその軸に合えば、希望の業界でなくても一度目を通してみてください。興味が持てるのであれば、応募を考えましょう。
また、転職エージェントを活用してキャリアアドバイザーに相談することもおすすめです。あなたの希望と経歴・スキルをもとに今後のキャリアプランまで提案するので、自分では思いつかなかった仕事にたどり着けるかもしれません。客観的な視点を取り入れつつ「転職軸」を持って進めていけば、徐々にやりたい仕事が見えてくるはずです。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
山賀 郁美(やまが・いくみ)
国家資格キャリアコンサルタント
米国CCE,Inc.認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー
【経歴】
英会話業界を2社経験し、個人営業やマネジメント業務を行った後、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)に転職し、dodaキャリアアドバイザーとして消費財領域の営業職の方を中心に転職サポートを行っています。営業としてのキャリア・スキルアップはもちろんのこと、がらりと職種を変えるサポートもいたします。今後長く働いていく中で、「一番大切にしたいことは何か?」を明確にした上で、少しでも将来のキャリアが楽しみになるようなカウンセリングや転職活動のサポートを心掛けています。
【メッセージ】
転職活動は、これまで歩んできた社会人経験の振り返りだけでなく、人生全体を振り返った上で未来をより豊かにするための活動だと思います。そのため、自分自身も気づかなかったような大切にしたい価値観やこれまで避けてきた弱みなどを目の当たりにし、新たな気づきがあり有意義に感じることもありますが、とことん自分と向き合うため非常に孤独に感じることもあります。そのような活動を行う上で、家族でも友人でもなくキャリアのパートナーとして常に寄り添い、ときにそれ以上の理解者として終始サポートさせていただければと考えています。まずはお気軽に何でもご相談ください!
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