今回は、ちょい高ウイスキーシリーズとしては最初のバーボン、メーカーズマークを飲んでみます。

お手軽なクラフトウイスキー

_DSC4008_01メーカーズマーク蒸溜所は、アメリカのケンタッキー州ロレットにあります。
小規模な蒸溜所で、クラフトディスティラリーとして有名です。

1780年にロバート・サミュエルズが農業の傍らで自家製のウイスキーを作り始めたのがきっかけで、その後1840年に孫のテーラー・ウィリアム・サミュエルズの手によって蒸溜所が建設、本格的なウイスキー作りを始めました。

禁酒法の施行でバーボン作りは中断、廃止後に再スタートしたものの、なかなか軌道に乗りませんでした。
1951年に、6代目のビル・サミュエルズ・シニアがロレットの土地を購入、その地で古い蒸溜所と良質の水の湧く湖があることを知り、蒸溜所を改修、1954年に現在のメーカーズマーク蒸溜所が稼働しました。

メーカーズマーク蒸溜所は、従来の蒸溜所における一般的なバーボンを作るのでは無く、小規模でできるだけ手作りによるバーボンを作ることを目指しました。
機械による大量生産を行わず、ボトリングやラベル貼りも手で行っています。
特にキャップの上から封蝋をつける工程も手で行われていて、ボトルには上から垂れて固まった封蝋がそのまま着いているのが特徴的です。

現在、メーカーズマーク蒸溜所はビームサントリーの傘下にあり、日本への輸入もサントリーが手がけています。

メーカーズマークの原料の主体は冬小麦(秋に種をまいて冬を越して初夏に収穫する小麦)を使います。
一般的なバーボンではトウモロコシとライ麦を使いますが、ライ麦の代わりに小麦を用いることで、刺激を抑えて柔らかい味わいを実現しています。

通常のバーボンでは4~5年熟成が多いですが、メーカーズマークは6~7年と長い熟成期間を設けています。
その間、原酒に渋味がつきすぎないよう、定期的に数段に積み上げられた貯蔵庫の中で樽の入れ替えを行っています。
この作業も機械を使わず手作業で行っています。

現在、日本におけるメーカーズマークのCMキャラクターを、俳優の小栗旬が務めています。

いうほどまろやかとは言い切れず

ストレート

接着剤、メロン、レモンの香りが一気に広がりますが、アルコールの刺激は少なめです。後からナッツの香ばしさが続きます。

味わいは、アルコールからの辛みがしっかりやってきますが、その後は苦みがメインで、奥から甘さが感じられます。

ロック

メロンの香りが一気に広がり、後からレモンの爽やかさが加わります。奥からはナッツ、バニラと続きます。
味わいは、苦みが先行するものの、後から酸味が主体になり、奥から甘みも得られます。

水割り

メロンとヨードの香りが半々に訪れます。また、多少のアルコールの刺激も感じられます。
味わいは苦みが多少強めに感じられます。反面、ストレートやロックで感じられた甘さが得られません。

ハイボール

メロンの香りから始まり、海藻のような香りが続き、最後にウッディさで締められます。
味わいは、苦みが少なく、軽い酸味の後に甘みが広がります。

まとめ

一般的なバーボンの持つ接着剤のような香りは少々抑えめになり、メロンのような独特の香りが前に出てくる印象です。
宣伝されるほど刺激が抑えられている感じは無く、水割り以外では少々甘みが目立つものの、苦みがかなり邪魔をしている印象です。

バーボンを飲み慣れている人には問題ないレベルですが、そうでない人だと少々癖が目立って好みが分かれるかも知れません。

日本の輸入元であるサントリーでは、ハイボールで飲むことをお勧めしているようですが、実際に苦みが抑えられて飲みやすく感じました。

700mL、アルコール度数45度で2500円ほどで購入できます。
  • メーカー:ビーム・サントリー
  • 容量:700mL
  • アルコール度数:45度
  • 香り:メロンや接着剤、レモンの香りが主体。奥からバニラ、ナッツ。加水で海藻、樽香が目立つ。
  • 味わい:苦みが先行し、その後に酸味が前に出る。後味は甘い。
  • ストレート C: 香りが豊かだが、アルコールの刺激と苦みが少々きつい。
  • ロック B: アルコール感が消えて多少飲みやすくなる。ただ苦み強く感じる。
  • 水割り C: 海藻の香りが目立ってくるが、苦みも目立ち、少々飲みにくさがある。
  • ハイボール B: 苦みが抑えられ、酸味の後に甘さも感じられる。