養徳園という存在
~児童養護施設で働きたい方へのメッセージ~
総合施設長 福田雅章
人生の原点として
養徳園に43歳になる卒園生のK君が大勢の仲間を連れてボランティアにやってきた。
彼は、実父からひどい虐待を受けて5歳の時に養徳園に入所した。当時はまだ集団養護の時代で、そのことが原因なのか、虐待の影響なのかはわからないが、小学校の高学年になると年下の子への暴力が目立ってきた。定期的に児童相談所への通所、そして服薬もしていたが、問題が改善されることはなかった。中学生になると、K君の行動化は顕著になり、ついには中学3年のときに傷害事件を起こし、施設を離れることになった。彼のために手を尽くしたと思うのだが、何もうまくいかなかった。私は自身の無力さを痛感した。それから10年後、K君の結婚式に招待された。さらに最近はそれなりの額の寄付金を定期的に頂戴している。そして今回は仲間とボランティアにやってきたのだ。彼の立派になった姿をみることや施設に感謝の気持ちを寄せてくれることはうれしい限りだが、私は彼にどれほどのことをしてやれたのかと自問自答してしまうのだ。ただ彼はこういってくれる。「ここが人生の原点だから」と。
今日の児童養護施設には、愛着障害や発達障害、それに虐待が重なるなど大きな困難を抱えた子どもが多数生活している。施設の職員として、日々勃発する不測の出来事にいかに対応していったらよいのか悩ましい限りである。ゆえに「子どもの問題をいかに理解し、いかに対応するのか」に関心が行きがちであるし、自分たちの力量を過大に評価して「成功事例、失敗事例」などと安易に口にしてしまうこともある。しかし、長く養育の現場にいると、子どもを尊厳ある一人の人間として理解し関わっているのかなど養育する側の姿勢の問題を突き付けられることがよくある。K君の事例は成功なのか、それとも失敗なのか。というよりも、彼の変容はひとえに彼自身の力によるところが大きいし、さらには退所後に良い人間関係に恵まれたことが影響していると理解した方がよいのだろう。では、なぜ彼は養徳園に感謝の気持ちを寄せてくれるのであろうか。敢えていえば、成長発達に重要な時期を施設で過ごし、それに関わった私たちは試行錯誤しながらも「どんなに荒れていても真剣に向き合い続けた」ことぐらいしか思い浮かばないのである。
養徳園を頼って
66歳(当時)になるOBの方(Iさん)より連絡があった。内容は「高齢者向きの市営住宅が当選した。今のアパートと比べ広くて眺めも良い。何とか入居したいのだが連帯保証人になってくれるような身内はいない。なっていだだけないでしょうか。」というものだった。中卒で都会に就職し20歳ごろまでは施設とのやりとりあったようだが、その後のやりとりは確認できないまま今日に至っていた。私は、身寄りのないなか15歳で一人都会に出て、高齢になるまで生き抜いてきたIさんの苦労に思いを馳せ、連帯保証人を引き受けた。もちろん施設にはIさんの養育に携わった者は誰もいない。にもかかわらず人生の終盤になって施設を頼ってきた姿に、養徳園が存在する意味を感じずにはいられなかった。
養徳園と繋がる
70歳を超えたOBの方(Tさん)からは今も頻繁に電話がかかってくる。Tさんは小学生時代の3年間養徳園に在籍したが、障害を持っていたようで別の施設に移っていった。Tさんは長期にわたって入院されていて、電話はいつも病院の公衆電話からだ。「園長先生、元気ですか。頑張ってね。」など、電話の内容はいつも他愛のないこと。通話時間が尽きて突然切れてしまうこともしばしばである。
時間を大切に
児童養護施設は24時間365日、途切れることなく子どもを養育している稀有な存在である。そこに幼少期より壮絶な体験をしてきた子ども達がやってくる。子ども達との付き合いは、無力感を感じることもしばしばであるし、子どもからの言動に辟易しながらの付き合いにもなる。問題は解決しないかもしれないけど、とにかく子どもの現実と向き合い、時を刻んでいく。この時間こそが大切なのである。
K君、Iさん、Tさんにとって、これからも養徳園は大切な存在として彼らのなかにあり続ける。そして「私」もまた養徳園を通して彼らのなかにあり続ける。このことを「重い仕事」と評する人がいるが、これが児童養護施設のやりがいの本質である。そしてやりがいを実感できるために必要なことは、やはり「時間」なのだ。
資格よりも「まなざし」や「姿勢」
児童養護施設のケアワーカーには、保育士や児童指導員などの資格が求められる。資格があるほうがない者よりもわかっていることやできることは多い。しかし、資格以前に求められるのは、子どもの幸せを願う「まなざし」であり子どもに真摯に向き合おうとする「姿勢」である。資格はなくとも「まなざし」や「姿勢」を共有できる方を求めています。
①保育士・児童指導員(正社員)
②ケアワーカー補助(臨時職員)
③学童保育指導員(臨時職員)
保育士・児童指導員
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【勤務地】
・養徳園
・氏家養護園
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【資格】保育士、社会福祉士、児童指導員、教職
(資格の無い方も応相談)
【給与】大学卒/198,880円〜+諸手当
短大卒/179,960円〜+諸手当
※諸手当は国家公務員に準じる。
社会福祉士に資格手当支給。
〈月収例/大学新卒:251,000円〉
【時間】早番/6:30〜15:15
遅番/13:00〜21:45
平常/8:30〜17:30
B直/6:30〜9:30、
16:00〜21:00
宿直/13:00〜21:45、
6:00〜10:00
※交替制
【休日】月8日(当園カレンダーによる)
【待遇】社会保険完備、退職金制度有、
通勤・住居手当有、
賞与年3回(前年実績計約5ヶ月)
ケアワーカー補助
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【勤務地】
・養徳園
・氏家養護園
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【時給】1,100円〜
※有資格者優遇/1,200円〜
【時間】早番/6:30〜15:15
遅番/13:00〜21:45
平常/8:30〜17:30
断続勤務/6:30〜9:30、
16:00〜21:00
【休日】週休二日制(シフト制)
【待遇】交通費支給、社会保険完備、
住宅手当
学童保育指導員
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【勤務地】
・南小学童保育センター
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【時給】1,050円〜1,200円
※経験者優遇
【時間】14:00~18:00
【待遇】交通費支給、住宅手当あり
★社会保険加入を希望される方は
働き方について相談に応じます。
【令和4年 新卒さんも募集中】
保育士/児童指導員/心理士
(下記フォームからご応募ください)
施設見学会を随時開催します。
お仕事内容や、
養徳園の雰囲気がよくわかる動画も
ぜひご覧ください。
無資格・未経験でも
働けます
無資格・未経験でも
働けます!
無資格・未経験からスタートした
スタッフが沢山います。
そんな中で必要なのは、
志の部分かもしれません。
「子供が好き」
「子供たちを支援したい」以上の
乗り越えなければならない現実や、
自らを省みる場面も
多々出てくると思います。
温かい視点と、強さを持って、
スタートしてください。
サポートする仲間は、沢山おります!
★資格支援制度もあり
職場見学会
随時募集
職場見学会は
随時募集しています!
養徳園では、職場見学会を
随時募集しています。
実際の職場の様子、職員や
子供たちの様子を見て、
肌で感じることができる
貴重な機会だと思います。
随時受け付けてはおりますが、
まずはお問い合わせください。
どんな負い目も
どんな肩身の狭い思いも
する必要がない。
いつも同じ目線に立って
理解し、感じ取りたい。
園長/加藤さん(勤務30年目)
大卒からスタートして
勤務30年。
昔と今、時代と共に
社会の課題に直面しながら。
元々は大卒からスタートしました。
現在は副施設長として
勤務も30年となり、
現在はユニットに入って
親御さんとのやりとりを連携しつつ、
子供たちの対応をしております。
学卒業後に養徳園に入社しました。
動機は本当に単純なもので、
自宅から近かったというご縁です(笑)。
「子供が好き」という気持ちは
強かったですが、高い志が
あったわけではなく、
児童養護施設を強く志望していた、
というほどでもありませんでした。
入社当時は養護施設に在籍している
子供たちの人数は、実は
減少傾向にありました。
40人定員のところ、半分くらい。
当然、今とは時代も問題点も違いました。
経験もない僕が出会った
子供たちの中で、
当時忘れられない子としては、
とある小学2年生の男の子がいました。
なかなか心を開いてくれず、
近づいてきてもくれなかった
子でしたが、
「ものづくり」が好きという
特徴がありました。
一緒に関わる時間が長くなるにつれ、
関係が深まってきて、
「この子が卒園するまでは頑張ろう」
というのが、
目の前の目標だったように思います。
大変なこと、辛いこともありますが、
「この子が卒園するまで」を
繰り返しながら、
ここまでやって来た気がします。
多分これは、他のスタッフ達にも
共通する思いのようです。
時代が変われば課題も変わります。
昔も「家庭内暴力」はありましたが、
「虐待」という認識が、今ほどは
なかったかもしれませんね。
また「発達障害」という認識が
増えたのも近年と言えます。
知識がなく、学ぶにも十分な
資料などもなかったので、
20年前などは1~2冊の
関連書籍を入手したら、
みんなで回し読みをしていました。
「児童虐待」の問題などは、
アメリカの方が日本よりも
10年分くらい先に進行していました。
今では予測通りに、日本でも後を
追うように増加傾向にありますね。
なんの負い目も
感じる必要がない。
肩身の狭い思いを
しなくてもいい。
そんな連携対応の出来る
社会を目指して。
働いている私が言うのもなんですが、
職場としての養徳園の雰囲気は
とてもいいと思います。おおらかで、
現園長の人柄が反映されています。
細かく監視するというような雰囲気は
一切なく、流れに沿って柔軟に対応し、
いい意味で「なんとかなる」、
安心して課題に向き合える
懐の深さがあります。
臨機応変に対応していく風土が、
養徳園の良さですね。
これからの発展系としては、
時代の流れもあり、
「地域の子育て支援」が求められる
一つの役割だと認識しています。
子供達の専門的ケアが
求められていますので、
私たちもより専門性の高い知恵と
経験を積まなくてはなりません。
特別なスキル、アタッチメント、
トラウマとの向き合い方、
親御さんとのやりとりにおいては
ファミリーソーシャルワーカー
としての役割など…
それぞれの関係性を連携を取りながら、
うまく機能を構築して
いかなければなりません。
私個人的には、施設で育った子が
負い目を感じない社会を目指しています。
肩身が狭い思いはさせたくない、
社会や学校、我々のような施設が
一体となって子育てをする仕組みが、
ぶれてはならないと思っています。
子供達の立場に立って、
同じ目線に降りて気持ちを組んだり、
時には枠を超えて飛び越えていく
勇気も大切だと思っています。
ここに来る子供達は
常に同じ目線に立って見ていきたい。
苦しさ、寂しさにも
寄り添い続けたいと思っています。
自分を振り返る作業もとっても大事で、
他の職員同士とも連携を取りながら、
ヒントをもらいながら、
前に進んでいきたいですね。
養徳園のモットーは
「子供ファースト」。
子どもたち、一人一人と
出会えたことは
奇跡だと思っています。
菅原さん(勤務12年目)
子供ファーストで、
一生懸命なスタッフたち。
明るい雰囲気に、
働く私達も救われています。
元々保育士資格を持っており、
以前も児童養護施設での
勤務経験がありました。
今は小規模施設で、5名の
子供達のお世話をしています。
養徳園との出会いは、
HPで求人情報を
見つけたことがきっかけです。
養護施設の求人を
ずっと探していたところ、
年齢制限などが特になかったのが
条件にぴったりでした。
何よりも「子供ファースト」の
取り組みに共感しました。
見学に来た際も、スタッフの皆さんが
一生懸命だったことも印象的でした。
職場は雰囲気も明るく、
若い世代も多く、年齢層の
バランスもいいと思います。
施設の数や規模も
県内で一番大きいですが、
研修会議などは全員で
集まる機会もあり、
人生経験が豊富な先輩社員にも
いつも助けてもらい、
たくさんのことを
教えてもらっています。
子供達一人ひとりに
出会えた奇跡に感謝しながら、
「ごめんなさい」
「ありがとう」を
素で言える出会いにしたい。
のびのびと子供らしく、を
一番の目標に、仕事には
日々取り組んでいます。
子供達一人一人には
本当に無限の可能性があって、
力はあるんです。私が言うのも
おこがましいことではありますが、
環境や経験の違いで
大きな差にならないように、
ケアしたいと考えています。
社会に出た時に生きる目標、
夢、生き生きと自分らしく
自己実現できるように…
居場所を確保し、目標を設定し、
強みを生かせるように、
力になれたらと願います。
以前、私自身の欠点を
ダメ出しされたこともあったりして、
子供達の声は本当にストレートに、
大人達を問うんだなと
実感した出来事がありました。
言われて初めて、気が付いた
こともあったんですね。
そんな時私は、
「たまたま私の方が
先に生まれただけで、
養育される側、される側という
出会いになっただけ。」と
自分に言い聞かせるんです。
ダメなところを素直に
「ごめんなさい」と言い、
「ありがとう」を言えることを
大事にしていきたいですね。
大人だって間違いを起こすことを
子供達にも見てもらいながら、
せっかく出会えた一人一人を
「プラスの出会い」に
していきたいと思っています。
卒園後の子どもたちが
いつか園を訪ねてきてくれる
姿をいつも想像します。
「ここはみんなのお家だよ。」
齋藤さん(勤務7年目)
大学卒業後、保育士ではなく、児童養護施設を選択しました。
大学卒業後、新卒で入社しました。
保育園や幼稚園への
就職の選択肢もありましたが、
2年生の実習の時、
児童養護施設に出向きました。
その時の体験がとても印象的で、
自分は生活全般に関われる
養護施設への就職を希望しました。
養徳園は、職員と子供の距離が
適度に近い園だと思います。
以前は私自身も、養護施設というと
暗いイメージがありましたが、
そんなことは全く無く 、
明るく和気あいあいとしています。
職員同士の関わりも活発ですし、
子供たちと全力で遊んでいますね。
出来るようになったことを、
みんな一緒になって喜び合います。
私も入社1年目は、子供たちと
しっかりとした関係性が出来ている
スタッフが羨ましかったです。
当時22歳の自分の場合は、
「親代わり」よりはお姉さん的
関わりが精一杯でしたね。
子供たちが抱えている問題、
トラウマなども一緒に乗り越えて
いける存在でありたいです。
養徳園は
子どもたちが帰るお家。
いつか立派な社会人になって、
帰ってきてくれる瞬間を
よく想像しています。
私は性格的にも負けず嫌いで、
たとえ失敗しても諦めない
タイプですが(笑)、
この仕事は「子供が好き」
だけではとても出来ません。
複雑な要素が絡み合っていたり、
単純に片付けられないこともあり、
また保育ではなく「生活」であり、
ゆくゆくはここを離れて、
「自立」を目指していきます。
子供たちが一人で
歩いていけるように、
自立を支援し、教育を
根気強くしていきます。
仲間たちには度々、
助けられることが多いですね。
どう接していいか、
どう言葉をかけるべきか…
迷う度に、園長始め、
ヒントを下さいます。
園全体や他の職員との連携で、
助けられ、救われています。
私が関わった子供たちが
自立して、立派な社会人になって、
いつか園に帰ってきたくれた時…
想像しただけでも泣きそうになりますが、
その時の感慨深さは、とても
語り尽くせるものではありません。
「ちひろちゃん!」と立派な姿で
呼んでくれる瞬間を
一心に願いながら、励む毎日です。
「ここがみんなのお家だよ」と、
信頼関係を築くことに、これからも
力を尽くしたいと思っています。
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