熱海土石流、県警が関係先を強制捜査 業過致死容疑など
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静岡県熱海市で7月に発生した大規模土石流で県警が28日、2011年まで起点の土地を所有していた不動産管理会社(神奈川県小田原市、清算)の元幹部と現所有者への強制捜査に乗り出したことが捜査関係者への取材で分かった。捜査関係者によると、同日、業務上過失致死容疑と重過失致死容疑でそれぞれの関係先を家宅捜索する。
遺族らは起点での不適切な盛り土が被害を拡大させたと主張。前代未聞の「人災」の全容解明に向けた動きが本格化する。
熱海市伊豆山に住む母親(77)を土石流で亡くした瀬下雄史さん=千葉県=は8月に熱海署へ刑事告訴。起点の土地を売買した際に現旧所有者が交わした書面に「旧所有者は崩れた盛り土を硬化処理する」との記載があったことなどから、双方が盛り土崩落の危険を認識していたと訴えている。
土石流発生後の取材に元幹部は、問題となるような造成はしていないと説明。現所有者は代理人弁護士を通じて「盛り土があったことも知らなかった」と主張した。
大規模土石流は7月3日に発生。26人が死亡し、依然1人が行方不明となっている。〔共同〕