微生物発酵でシーフードを開発する米Aqua Cultured Foodsがプレシードで210万ドル(約2億4000万円)を調達した。調達した資金で、チームの拡充、質感・形状・栄養価などの改善を図り、2022年の商用化を目指す。
同社は4月にもBig Idea Venturesが主導したプレシードで約2200万円を調達している。
今回のラウンドには新たに、ビーガンペットフードWild Earthのライアン・ベザンコート氏らが立ち上げたSustainable Food Ventures、ニュージーランドのAera VC、カリフォルニアのConscience VC、Supply Change Capital、ニューヨークのHanfield Venture Partnersなどが参加した。
植物ベースの代替シーフードにない強みを持つ
出典:Aqua Cultured Foods
2020年に女性創業者2名(Anne Palermo氏とBrittany Chibe氏)によって設立されたAqua Cultured Foodsは、独自菌株を用いた微生物発酵により塊状のシーフードを開発している。バイオマス発酵により、特別な加工、遺伝子組換えをすることなく、外見も質感も本物を模倣したシーフードを開発している。
一般に植物性素材を使う代替食品では、植物素材由来の風味、匂いが製品に残ることがある。これらの異味をマスキングするために食塩が使用されるが、代替肉、代替魚に使用される塩分を懸念する声は多い。
Palermo氏によると、同社の代替シーフードは微生物発酵によるタンパク質源を使うため、植物性食品で直面する課題を回避することができる。同氏は自社の代替シーフードは「無味である」ため、汎用性が高いとコメントしている。
Anne Palermo氏(左)とBrittany Chibe氏(右) 出典:Aqua Cultured Foods
Aqua Cultured Foodsはこれまでにマグロ、白身魚、イカ、エビ、ホタテの代替品を開発してきた。
Palermo氏によると、素材として同じタンパク質を使うが、製造プロセスの後半で「微調整」することでターゲット別の歯ごたえや風味の再現が可能になるという。例えば、食物繊維の含有量を増減することで、イカのような歯ごたえのある質感や、刺身のようなより繊細な質感を再現できる。
2022年の市販化を目指しており、すでにパートナー候補となる企業からの問い合わせは増えているという。最初はレストランなどで期間限定で販売する予定だ。
2021年上半期の投資額が前年を上回った代替シーフード
出典:Aqua Cultured Foods
国連は、世界の魚資源の80%以上が「完全に利用または乱獲されている」と推定している。2050年には世界人口が100億人に達すると予想される中、高まるシーフード需要を解決する手段として、代替シーフードの開発に取り組む企業は増えている。
代替食品の開発が盛んなアメリカ市場において、代替シーフードは開発・投資いずれにおいても代替肉に遅れを取っているが、代替シーフードに対する関心度は着実に上昇している。
GFIによると、植物ベース、細胞ベース、発酵ベースの代替品を開発する代替シーフード企業は、2021年上半期の時点で1億1,600万ドル(約132億円)を調達した。これは昨年の合計額2600万ドル(約29億円)を上回る額となる。
出典:GFI
市場に「空白」があるとされた代替シーフード業界では、すでに市場投入しているGood Catch、Ocean Hugger Foods など植物ベースのスタートアップが主流となるが、細胞培養によりサーモンを開発するWildtype、3Dプリンターを活用して刺身開発を手掛けるRevo Foods、微生物発酵を活用するAqua Cultured Foodsなど使用技術の多様化も目立つ。
国内でもDAIZ、ネクストミーツ、グリーンカルチャーなど主要植物肉企業の参入が相次ぎ、今後の動向が注目される。
参考記事
BREAKING: Aqua Cultured Foods closes $2.1m pre-seed round for fungal alt-seafood
Aqua Cultured Foods Reels In a Big One: $2.1M In Oversubscribed Pre-Seed
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アイキャッチ画像の出典:Aqua Cultured Foods
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