今回は、ちょい高ウイスキーとして、サントリーローヤルを飲んでみます。
サントリーローヤルは1960年、創業から60周年を記念して作られたウイスキーでした。
創業者でマスターブレンダーだった鳥井信治郎は、自らの名字と同じ音の「鳥居」の形をした栓と、名字に似た音の「酉」の形をしたボトルを採用し、40年近く携わったウイスキー作りの結晶をこのボトルに入れたのです。
当初このボトルの封印には、キャップをひもでくくりつける構造になっていて、これをナイフを使ってブチッと切るのが儀式のようなものでした。
現在のボトルはプラスチックフィルムでキャップと口の部分を封印しているため、かつての儀式が行えなくなっています。
このサントリーローヤルが、鳥井にとって最後の作品となりました。翌年に社長の座を次男の佐治敬三に譲り、その次の年に亡くなりました。
佐治敬三の代になると、インペリアル、ザ・ウイスキー、クレスト、響など、ローヤルよりも更に上のクラスのボトルが次々とリリースされ、フラグシップとしての地位は短くなってしまいました。
それでもローヤルは、1980年代頃から贈答用のウイスキーとしても宣伝されるようになり、ちょっと贅沢をしたいときのウイスキー、バーでボトルキープするウイスキーとして徐々に浸透していきました。
テレビCMにおいては、1970年代は様々な人生を積み上げた老人を題材にし、1980年代になると、ガウディ、マーラー、ランボーなどのエッジの効いたアーティストたちを題材にして、オールドやリザーブよりも上級のイメージを宣伝し続けました。
1990年代に入り、ウイスキーの消費が落ち込んで長期熟成の原酒が増えてきたことで、1995年には12年もののプレミアムが加わりました。さらに1997年には、プレミアムが15年ものにグレードアップし、レギュラーボトルが12年ものとなりました。
しかし2008年になって角ハイボールブームが巻き起こると、急激な原酒不足のため、ローヤルは再びノンエイジとなり、プレミアムの販売が終了して今に至ります。
味わいは、アルコールからの辛みがそこそこあり、後から酸味、甘みがやってきます。
味わいは、アルコールからの辛みがまだ残るものの、その後は軽い渋みを経て、酸味が中心になり、奥からほのかに甘みも感じられます。
味わいは、多少の苦みがあるものの、全体的には甘めです。
味わいは、苦みが強めに感じられ、後から酸味へと続き、甘みが控えめになります。
また、どちらかと言えばロック、水割りをターゲットにブレンドされている印象で、ハイボールだと苦みが目立って厳しいかも知れません。
フラグシップの座から降りて久しいものの、今でもその風格をしっかりと堪能できるボトルになっています。
角瓶やオールドを飲み親しんでいる人であれば、ちょっと贅沢をするボトルとしてローヤルがうってつけでしょう。
現在、独特の形をした700mLボトルの他、縦長のスリムボトル(660mL)もラインナップしています。
かつてのフラグシップ
創業者でマスターブレンダーだった鳥井信治郎は、自らの名字と同じ音の「鳥居」の形をした栓と、名字に似た音の「酉」の形をしたボトルを採用し、40年近く携わったウイスキー作りの結晶をこのボトルに入れたのです。
当初このボトルの封印には、キャップをひもでくくりつける構造になっていて、これをナイフを使ってブチッと切るのが儀式のようなものでした。
現在のボトルはプラスチックフィルムでキャップと口の部分を封印しているため、かつての儀式が行えなくなっています。
このサントリーローヤルが、鳥井にとって最後の作品となりました。翌年に社長の座を次男の佐治敬三に譲り、その次の年に亡くなりました。
佐治敬三の代になると、インペリアル、ザ・ウイスキー、クレスト、響など、ローヤルよりも更に上のクラスのボトルが次々とリリースされ、フラグシップとしての地位は短くなってしまいました。
それでもローヤルは、1980年代頃から贈答用のウイスキーとしても宣伝されるようになり、ちょっと贅沢をしたいときのウイスキー、バーでボトルキープするウイスキーとして徐々に浸透していきました。
テレビCMにおいては、1970年代は様々な人生を積み上げた老人を題材にし、1980年代になると、ガウディ、マーラー、ランボーなどのエッジの効いたアーティストたちを題材にして、オールドやリザーブよりも上級のイメージを宣伝し続けました。
しかし2008年になって角ハイボールブームが巻き起こると、急激な原酒不足のため、ローヤルは再びノンエイジとなり、プレミアムの販売が終了して今に至ります。
風格のある豊かな香り、味わい
ストレート
軽くアルコールの刺激が過ぎた後、レーズン、リンゴ、シナモン、カラメル、バニラ、ナッツの香りが広がります。味わいは、アルコールからの辛みがそこそこあり、後から酸味、甘みがやってきます。
ロック
アルコールの刺激の後にレーズンの香りが広がり、レモン、リンゴ、シナモン、バニラの香りが続きます。味わいは、アルコールからの辛みがまだ残るものの、その後は軽い渋みを経て、酸味が中心になり、奥からほのかに甘みも感じられます。
水割り
シナモンの香りが先にやってきて、リンゴ、ブドウ、レモン、カラメル、バニラの香りが続きます。味わいは、多少の苦みがあるものの、全体的には甘めです。
ハイボール
水割りに比べるとリンゴの香りが前に来る印象で、シナモンっぽさが後ろに引く感じです。味わいは、苦みが強めに感じられ、後から酸味へと続き、甘みが控えめになります。
まとめ
ノンエイジであるものの、香りが豊かでしっかりしており、味わいも癖を抑えて日本人好みの甘さが主体のブレンドになっています。また、どちらかと言えばロック、水割りをターゲットにブレンドされている印象で、ハイボールだと苦みが目立って厳しいかも知れません。
フラグシップの座から降りて久しいものの、今でもその風格をしっかりと堪能できるボトルになっています。
角瓶やオールドを飲み親しんでいる人であれば、ちょっと贅沢をするボトルとしてローヤルがうってつけでしょう。
現在、独特の形をした700mLボトルの他、縦長のスリムボトル(660mL)もラインナップしています。
- メーカー:サントリー
- 容量:700mL
- アルコール度数:43度
- 香り:ラムレーズン、シナモンの香りが主体で、リンゴ、バニラの香りが続く。
- 味わい:酸味が先に広がり、後から甘みがやってくる。
- ストレート B: アルコールの刺激が強めだが、甘みがそれをカバーする。
- ロック A: アルコール感が残るが、最も香りが豊かで開いてくれる。
- 水割り A: 比較的甘みがあり、嫌みな感じは少ない。
- ハイボール C: 苦み強く、癖のある印象。