2019.08.15
2021.03.15
なんとか内定を勝ち取り、やっと迎えた初出社の日。なんと実際に働いてみると、労働条件や仕事内容が事前に提示されていたものと違っていてた…実はこれ、意外とよくある話なんです。ママたちが実際にどう対応したのかをご紹介。労働者が泣き寝入りしなくてすむ方法です。
■即座に退職を決めました(美奈さん/32歳/事務員)
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これは以前、私が「2日間だけ」勤めた会社での話です。当時、育児と両立できる仕事を探し、複数の会社に応募していました。なかなか条件にあう会社が見つからないなか、1社だけ、私の条件をすべて飲んでくれる会社に出会ったんです。
「週末休みで残業はいっさいなし。あったとしても家庭優先で帰っていい」という夢のような労働条件。採用通知が出たと同時に入社を決めました。しかし実際に初出社の日を迎えると、私の夢ははかなく散ることに。
残業がないという話だったので、定時に帰る準備を始めていると「残業してもらわないと困るから」と上司に言われました。それはなかば強制で「あなたに断る権利はない」と匂わすような発言でした。しかたなく、その日は旦那に子どものお迎えを頼んで、2時間の残業をして帰宅しました。
翌日もまた同じようなことを言われ「これでは継続することは不可能だ」と判断し、即座に退職を告げました。「これだから女は…」みたいな小言を言われましたが、無視して帰宅。本当に最悪な会社でした。
■「労働条件通知書」を見せて直談判(明さん/30歳/パート)
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私が今のパートを始めてすぐのことです。入社前は土日祝休みで9~16時(休憩1時間)までという条件が伝えられ、そのときに渡された「労働条件通知書」にも、同様の内容が記載されていました。しかし実際に働き始めると、話がまったく違いました。
現場の上司から「朝は8時から出て欲しい」とか「20時までの夕方シフトや、週末出勤も少しはしてもらわないと雇った意味がない」と言われたんです。さらに、裏方業務だけだったはずが「店頭接客もしてほしい」ともた。
(これでは話が違う!)と思い、持参していた「労働条件通知書」を見せて「ここに明記してあること以外の条件で無理やり働かせるのは、労働基準法に違反します!」と言いました。するとその上司は「そんなのは現場には関係ない」と言い切ったんです。
この人では話にならないと思い、その上司を引き連れて面接をした部長のもとへ乗り込みました。そして、書面を見せながら先ほどと同じ話をしたんです。結果、無事当初の条件で仕事を継続することになりました。
たしかに腹は立ったけど、こんなに家の近くでいい条件の仕事はほかにないから、辞めるのがもったいなかったんですよね。
■明らかに条件違ってますよ(真希さん/38歳/看護師)
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以前、少しの間勤めていた職場は最悪でした。面接時に手取りで24~25万円くらいはあるだろうと言われたので入社を決めました。しかし実際に働いてみると、総支給で24万円くらい。手取りでは20万円を切っていました。これでは言っていた額と差がありすぎ。
私は「時給1600円のフルパート契約」で入社したので、1600円×8時間×22日の計算でいけば総支給28万円以上はあるはずです。勤務している時間や日数は間違っていないので、どう考えても時給が提示されたものより低いことになります。
でも契約書には「2か月の試用期間がある」とも書かれていたので、「もしかしたら試用期間中は少し時給が低いのかも」と、3か月は様子を見ることにしたんです。しかし3か月目も変わらず、総支給は24万円のまま。
私はすぐに事務所に乗り込み「契約違反ですので!」と会社を退職。ついでに契約書との差額も、3か月分回収しましたよ。
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労働基準法では、労働契約を結ぶにあたり、雇い主に労働条件や業務内容を明記する義務を課しています。もし、この条件と実際に働き始めてからの条件や仕事内容が異なる場合、従業員は会社と交わした労働契約を解除することができます。
さらに労働契約に記載された賃金と支払われた賃金に明らかな差がある場合は、その差額を請求することも可能です。条件や仕事内容が提示されたものと違っていたとしても、泣き寝入りする必要なんてありませんよ!
ライター:葛西 明