航空自衛隊の次期戦闘機「F3(仮称)」について防衛省は、エンジンを担当するIHIの共同開発相手として英ロールス・ロイスを選ぶ方針を固めた。機体や戦闘システムの開発では米ロッキード・マーチンから支援を受ける一方、エンジンは「脱米国」へ旋回した。だが、IHIからは拙速な議論を憂慮する声も上がる。戦闘機で培った先端技術は民間機にも転用できるだけに、どこまで日本が主導権を握れるか、防衛産業にとっての試金石となる。
「次期戦闘機のエンジンはパートナーにロールス・ロイスが選ばれるということで決まりですね」
2021年6月、英国で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)。日本の政府高官は英国の政府首脳からこう念押しされた。英政府は以前からF3のエンジン開発への参画に猛烈なラブコールを送ってきたが、防衛省はこのほど、IHIと航空機エンジン大手ロールス・ロイスによる共同開発とする方針を固めたようだ。
IHIは海上自衛隊の哨戒機「P1」など、防衛省向けのエンジン開発・生産を長年にわたり手掛けてきた。民間機では米ボーイングの中大型機「787」や欧州エアバスの小型機「A320neo」などのエンジン開発プログラムにも参画。ファンブレードや低圧タービン部品の材料開発から、高度な流体解析技術を用いた設計、そして材料の加工まで幅広い技術力を持つ。ジェットエンジンの国内市場では6~7割のシェアを握る。
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30件のコメント
谷守
自営
護民官ペトロニウス・猫氏「MHIが米国の型式認証を舐めていたのが原因」
→当方には、アメリカが後出しジャンケンで、三菱重工に対して延々と“ここまで来い”を繰り返し、三菱にあきらめさせた、と見えます。
⇒日本の国交省が三菱ジェットを認定すれ
ばよいが、それは、日米安保によって、日本政府には到底できない限界規定があって、現在の日本には不可能なのです。...続きを読む護民官ペトロニウス
猫
>→当方には、アメリカが後出しジャンケンで、三菱重工に対して延々と“ここまで来い”を繰り返し、三菱にあきらめさせた、と見えます。
これもまた過去に指摘した事がだと思うけど、MHIは過去にMU-300というビジネスジェットで同様の失敗をして
いるのさ。...続きを読む開発段階でコメリカさんから型式証明取得の専門家を雇うか、HondaJetのようにコメリカに拠点をおいて開発を行うという選択肢もあった。
それをしなかったのはMHIの判断。
よって冷たいようだけど自業自得。
谷守
自営
護民官ペトロニウス・猫氏「自業自得」
当方は、三菱重工がアメリカの認証規定を守らなかった、とは思えません。認証規定を守っていたが、後出しジャンケンに負けた。アメリカは、日本の国産ジェット旅客機など、絶対に認めません。
今の日本の状況は、日
本の国交省さえ自国の旅客機の認証を、アメリカによってさせてもらえない、と言う状況です。この件で、日本の状況が、又しても露見した、と言う事です。...続きを読む護民官ペトロニウス
猫
このコメントは投稿者本人によって削除されました
護民官ペトロニウス
猫
>当方は、三菱重工がアメリカの認証規定を守らなかった、とは思えません。(以下どうでもいいので略)
だったら米国の何で最大のライバルであるエアバスの旅客機がFAAの型式認証を得ているのさ?
カナダのボンバルディアや、ブラジルのエンブラエルも
しかり。...続きを読む「オッカムの剃刀」という言葉を知っているかい?
「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」という考え方さ。
お前さんは「必要以上に多くを仮定」していると思うなー。
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