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2021.08.06第12回 気仙沼 漁師から見た及川新次・亮親子

東京編がスタートして3週間。百音の故郷・気仙沼の海風が恋しいライターMです。

第57回(8月3日放送)では、宮城県に台風が迫り、及川新次(浅野忠信)が波から船を守るために、久しぶりに船に乗ることになりました。息子・亮(愛称:りょーちん/永瀬 廉)もうれしそうでしたね。

今回は、ドラマの撮影にご協力いただいた気仙沼の漁師さんにお話を伺ってきました。情にもろく豪快な“海の男たち”は、気仙沼のシンボル的存在。
本物の漁師さんから見た及川新次・亮親子の場面は、どのように見えていたのでしょうか?

漁師の視点その①「船のお披露目に、身が引き締まる」

お話を聞かせてくださったのは、19トン船の船頭で、マグロやメカジキ漁をする三浦恵一さん(42歳)です。毎朝6時、漁が終わったあとの船内で朝食をとりながら「おかえりモネ」をご覧になっているそうです。

第37回(7月6日放送)で 新次が新しい船をお披露目するシーンの撮影では、喜びにあふれる新次の姿に同じ漁師としての自分を重ねたといいます。

「新次さんの気持ちに自分の思いが重なりました。『この船でたくさん魚をとるぞ!』という初心を思い出させてくれた。18歳から海に出て24年になりますが、まだまだ学ぶことばかりの駆け出しです。改めて『がんばろう!』と身が引き締まりました。

進水式は、気仙沼にとって「お祭り」の一つ。「餅まき」のシーンで見せてくれた地元の人たちの満面の笑みは、「演技じゃない、本物の笑顔です!」と三浦さん。

漁師の視点その②「亮の気持ちが痛いほどわかる」

こちらは、三浦恵一さんの父で、漁師歴52年の兼男さん。そう、三浦さんは親子で漁師なんです!
がっしりとした太い腕、分厚い手。厳しい自然と向き合ってきた漁師の貫禄を感じます。

そんな “海の男” 兼男さんが好きなシーンが、第36回(7月5日放送)。亮が、船の寝台で母・美波(坂井真紀)の写真を見つめる場面。

「亮が母ちゃんの写真見て泣くシーンは、何度見ても泣けてくる。」
漁師にとって船の寝台は、仕事の疲れから解放される「自分だけの空間」だそうです。

「広い海の真ん中で、ふと孤独を感じる瞬間…自分と向き合う時間だね。人生、生きてりゃ誰だって苦労がつきもの。亮は、ふだんは明るく振る舞っているけど、誰も見ていないところで涙が出る気持ちは、痛いほどわかる。

漁師なら誰しも経験する状況だと教えてくれました。

漁師の視点その③「海にはロマンがある」

そして、兼男さんが何よりも気になったのは、亮の父・新次の言葉。

第39回(7月8日放送)で、「新次が『俺は立ち直らない!』と言い切った瞬間、震災で犠牲になった人たちのことが頭を駆け巡った。自分に強く言い聞かせているような言葉だったからね。考えさせられた。」

兼男さん自身、震災の日、船を助けようと沖に出て、津波に巻き込まれていました。 
10年たった今も、大切な親族や仲間たちを失った東日本大震災を忘れることはありません。

「大きな犠牲を払ったからこそ『命さえあれば、次につながる』と伝えたい。 俺は、天才漁師・新次の復活を信じているよ。だって俺たち漁師は、『海にロマンがある』ってことを知っているから。新次は海に戻ると信じています!

同じ漁師として、新次と自分たちを重ねる“海の男”は、人一倍厳しく、そして温かく、新次たちを見守っていました。

次回もお楽しみに!

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