温かみあるタイトルロゴのように、ほっこり柔らかな物語だと感じました。人とのつながりが深く濃く描かれていて、この時代だからこそ響くものがあると思います。特に幼なじみ&みーちゃん(蒔田彩珠)とのシーンや永浦家でわいわい過ごす場面は、撮影しながらとても幸せな気持ちになりました。
2021.07.09りょーちんという存在が、誰かの背中を押せたらいいな
宮城県・気仙沼の島で生まれ育った永浦百音(清原果耶)が、登米で林業の仕事をしながら気象の世界に心ひかれ、やがて気象予報士としてさまざまな人の人生に関わっていく、連続テレビ小説『おかえりモネ』。今回は、百音(愛称:モネ)の幼なじみ・及川 亮を演じる永瀬 廉さんにインタビュー。さまざまな思いを抱えながら、漁師として暮らす亮。朝ドラ初出演となる永瀬さんに、役作りや現場でのエピソードについても伺いました。
――今回、初めての朝ドラ出演ですね。
出演が決定したときはオーディションで決まったということもあり、すごくうれしかったです。もちろん全力で挑みましたが、落ちてもしょうがないな……と思っていて。オーディションを受けられただけでもうれしかったので。
――脚本を読んだ印象はいかがでしたか? 漁師役の役作りについても教えてください。
役作りに関しては、見習いとしての漁師さんの仕事を学ばせていただきました。船を岸につなげるロープの結び方一つにしても何パターンもあったり、難しかったんですよ! 漁師さんの生活についてもいろいろと伺って、とても勉強になりました。皆さんに教えていただいたことを発揮できていたらいいなと思っています。
――演じる及川 亮(愛称:りょーちん)は、永瀬さんから見てどんな青年でしょうか。
自分よりも友達を優先するし、周りのことをよく見ている人ですね。いろいろな思いを抱えているからこそ一歩引いて見るようにしていると思いますし、りょーちんはそういった人に対する優しさや気遣いがすばらしい。ただ、つらいことがあっても平気なふりをするぶん、ため込んだ気持ちが溢れ出てしまうシーンもあります。
そんなりょーちんも、モネと二人になったときは自分の弱いところを見せていいのかな?と揺らいでしまう。モネも言いたいことを我慢するタイプだと思うので、りょーちんも直接「どうしたの?」って問いかけるのではなく、モネが話しやすい雰囲気を作ったり。こうした亮のさりげない優しさをかいま見ることができるシーンも多いですよね。
そんなりょーちんらしさについても、監督さんと細かく話しながら撮影しています。例えば、モネと二人で並んでいるときに「りょーちんだったらモネが横に来るのを待ってから歩き出すよね。」といったアドバイスをいただいたりしました。
――幼なじみたちとの撮影現場は、にぎやかだと聞きました。
みーちゃんも含め、本当の幼なじみのように楽しく撮影していますよ! 役柄とそんなに変わらない関係性なんじゃないかなぁ。第15回(6月4日放送)で浜辺に行ったシーンは、本当に青春だなぁって感じました。
後藤三生 役の前田航基くんが場を盛り上げてくれる人なので、撮影の合間にはみんなで前田くんの話に乗っかったり。幼なじみのみんなはボケてきてくれる人が多いので、僕が突っ込んで笑ってくれたときはすごくうれしいんです (笑)。そんな雰囲気が映像にも出ていると思います。
――みーちゃんは、亮にときめいているようですが……!
たぶん亮は、気が付いていません! かわいい妹のような感覚なので、そこに関しては鈍感を発揮していると思いますね(笑)。
明日美(恒松祐里)にも年1で告白されていますが、すっかり慣れてしまっていて、もはや行事のような感覚です(笑)。
――亮の父親・及川新次 役を演じる浅野忠信さんとは、共演されてみていかがですか?
お会いする前はすごく怖いイメージだったんですよ(笑)! でも実際はほんわかされた方で。いつも笑顔の浅野さんに絶賛ギャップ萌え中です。
また、前にご一緒したシーンで感情をうまく出し切れないことがあったのがとてもくやしくて。そのときも浅野さんが励ましてくださったのですが、思わず抱きつきたくなるくらい温かかったです。本当にいいお父さんです。
亮の視点から見る新次については、正直受け入れきれていません。第39回(7月8日放送)のシーンで、りょーちんが感情を爆発させるときに「俺は立ち直らねぇよ、絶対に立ち直らねぇよ!」って言われたので、余計に。
でも、気持ちは痛いほど分かるし、だからこそ立ち直ってほしいという思いがあります。そういう部分ではお父さんを信じているし、だからこそ、まずは俺らが前を向くしかないんだという気持ちに転換したのかなと思います。
――モネが帰省中の、第40回(7月9日放送)のシーンですね。
モネたちに話す「俺らが、前を向くしかないんだ。」という言葉は、りょーちんの考えや悩んでいたことがぎゅっと凝縮されたセリフの一つだと思っています。たくさん悩んだ亮が言うからこそ説得力があるし、僕自身にも刺さりましたね。
前を向こうとする亮の姿を通して、誰かの背中を押せたらなと思っています。