2016年8月9日(火)
きょうの潮流
「生き地獄をみた。こんな残虐な兵器を禁止する条約をつくってほしい」。被爆者の願いと日本の原水爆禁止運動が世界に響きあい、国連の舞台に押し上げました▼その思いをさらに強くした、6日広島での「ヒバクシャ国際署名」推進交流イベント。世代、宗教、民族、国境を超えた数億もの共同の力で、核保有国と核の傘にある国を廃絶交渉のテーブルに、と迫る壮大な運動です▼よびかけた被爆者代表の一人、岩佐幹三さんは、「核保有国を包囲したい。みなさんが『核兵器の犠牲者にならない』と自分の問題として受け止め、広げてください」▼推進連絡会のキャンペーンリーダー、大学院生の林田光弘さんは長崎出身の被爆3世。高校生平和大使を務め、核兵器廃絶への祖父母の願いを行動で、国連の場で発信してきた若者です▼「関心の低いといわれる若い世代と世界にむけてウェブ版を重視します」。核保有国の代理人になっている日本政府も「黙っていられない活動にしたい」▼広島で被爆しロサンゼルスに住む笹森恵子さんは、「人類に落とされた原爆。生き残った被爆者が責任を果たし、世界に廃絶をアピールする意義ある署名です」と▼「署名活動をします」と話した平和活動家のエラ・ガンジー女史は、インド独立の父、マハトマ・ガンジーの孫です。バチカン正義と平和委員会のマイケル・チェアニー主席補佐官はその意義を話しました。「貧しい人、疎外された人たち、声なき声に呼びかければ、全人類を代表した署名になる」