「最近はほとんど見かけてないよ。たまに大型犬を散歩しているのを見たことがあるけど、容疑者は愛想が悪くてコワモテだし、おまけに犬も大きいから怖くてね……」

 福島県いわき市にある佐藤剛容疑者(44)の実家近くの住民は、眉を寄せてこう話す。この実家は容疑者が経営する建設会社の本社も兼ねている。

「ここらではひときわ大きな豪邸です。中古で買った住宅らしいですが、この辺りじゃ破格の金額だったらしいですよ。建設業のほか、人材派遣、木材運搬、不動産と手広くやっていたみたい。かなり儲かっていて、ベンツやポルシェなど高級外車をとっかえひっかえ乗り換えていましたね」(同・近所の住民)

ボートの同乗者に口止めしていた

 昨年9月、福島県会津若松市の猪苗代湖で、悲惨な事故が起きた。男女4人が水上スキーの順番待ちをするためにライフジャケットを付けて湖面に浮かんでいた。そこに大型ボートが突っ込んできて、男女4人を巻き込んだ。千葉県野田市の小学校3年生・豊田瑛大くん(当時8)が死亡し、その母親(36)ら2人が重傷を負うという大惨事となった。

 だが、事故を起こした大型ボートはそのまま走り去ってしまう。さらに事故当日は複数のボートが湖面を通行していて目撃証言も曖昧だったことから、ボートの特定は難航。

佐藤剛容疑者(いわき市SNSより)

 事故から数か月後、瑛大くんの両親は弁護士を通じてこんな悲しみに暮れたコメントを出した。

「学校が大好きでいつも明るく、お母さん思いの優しい子だった」

 そんな中、福島県警は1年かけてボートを特定。9月14日、ついに操縦していた佐藤容疑者を業務上過失致死傷の疑いで逮捕した。佐藤容疑者は“身に覚えがない”と否認しているが……。

「事故当日、ボートには約10人が同乗していたのですが、容疑者は彼らに“何もなかったよな”などと口止めしていたことが判明。さらに捜査関係者から船行中に撮影した動画も見つかっていると聞いています」(全国紙社会部記者)