電験2種に松阪工・水谷君が合格、初の快挙 三重
高度な知識が求められる「第2種電気主任技術者」の国家試験に、三重県立松阪工業高校電気工学科をこの春卒業した水谷唯樹(いぶき)さん(18)が合格した。難関とされる「第3種」で合格者を輩出する同校でも、2種は初の快挙。43人が挑戦した3種は3年2人、2年1人が合格し、高校の全国トップを3年連続に更新した。
昨年度、初挑戦で3種に合格した水谷さんは「満足せず、次は2種を取りたい」と歩みを止めなかった。3種をめざす仲間は、一昨年から朝の「0限補習」で学び合っているが、2種への道は「一人旅」。マークシート式の1次試験対策には平日2時間、記述式の2次対策では3~4時間、休日はそれぞれ5時間を費やし、黙々と過去問などの勉強を続けた。
電気工学科の太田孝一科長は「県内で高校生の合格は初めてではないか」と話す。コロナ禍による休校も、水谷さんは「自分の時間ができてプラスに作用した」といい、後輩には「最初にくじけず、毎日続けていけば合格できる」とエールを送る。春からは三重大工学部総合工学科の電気電子工学コースへ進む水谷さんは、宮下昌彦校長に「1種もめざす。将来は研究者になりたい」と話した。
3種の合格者は、ともに卒業を迎えた笠井優里さん(18)と鈴木広人さん(18)、3年に進級する川瀬勝太さん(17)。全国3万9010人の受験者の合格率は9・8%、同校の受験者は43人で合格率は7・0%だった。
笠井さんも、水谷さんと同じ三重大のコースに推薦合格しており、鈴木さんは中部電力パワーグリッドに就職する。川瀬さんは「来年2種に合格し(水谷)先輩に続きたい」と話した。
電気工学科が1988年度に創設されて以来、指導してきた3種合格者数での全国1位は13回目。90年度に1期生6人が合格して以降、全国でただ1校、合格者を出し続けている。(中川史)