時間切れ寸前は

 人生ではダイヤモンドタイムだ

 自分が体験したケースで

 解りやすい例を挙げよう

 何かの試験で苦しんで

 どう自分で甘く考えても

 合格ラインには届かないな

 と覚悟した

 時間切れ寸前 どうでもいいやと思いながら

 答案の見直しをしたら

 ちゃんとわかっている問題の見落としがあった

 慌ててそれに解答した時点で鐘が鳴った

 
 数年後

 たまたま試験官の1人と仕事を組んだ

 僕のことを覚えていて

 1問✖が増えていたら不合格だった

 と打ち明けた


 小説雑誌の新人賞に応募時代のこと

 候補作に連続してあげられて

 次こそと自信の作品が候補作止まりだった

 腐ってもうやめようと思ったが

 応募締切間近に

 追い立ててくるような意欲に襲われ書きだした

 当時はすべて郵送で

 締め切り当日の消印があれば有効だった

 その締め切り当日

 郵便局が閉まる直前

 タクシーに乗って駆けつけ

 車内で最後の10行を書き終えた


 その作品も候補作止まりだったが

 意欲は持続して次の作品で受賞した


 そういうことはその後も2,3回あった

 時間切れ寸前は

 きみの人生を決めるダイヤモンドタイムなのだ

 意欲と執念が結実する

 ゴールデンゾーンでもある