「何をやってもうまくいかない…」という状況は誰もが体験するもの。そんなときには、何に対しても無意味に感じて仕事や学業にも精が出ず、家に引きこもってしまうことも。
そんな出口の見えない苦しみから脱するために、プロの心理カウンセラーが「絶望感を抱いてしまう理由と対処法」を伝授。希望が持てない状態をずっと引きずっていると、深刻な精神疾患にも繋がる可能性もあるので、医療機関への受診も検討してみてくださいね。
なぜ「絶望感」が生まれるのか
絶望感は、現状を変えたくても変えられないという気づきによって希望を失くしてしまうこと。
「現状を打破するためのキッカケを待ち続けていて、それが叶わなかったときに絶望感を感じてしまいます。将来に対して楽観視できなくなり『何をしても決してうまくいくはずない』と思い込んでしまうのです」と説明するのは、プロの心理カウンセラーであるダニエル・フリードマンさん。
絶望感は急に湧き上がってくるものではなく、心の中で徐々に芽生えてくるもの。そのため、心に深く根を張ってしまっていて、簡単に摘み取れるものではないのだそう。溜まってきたモヤモヤを見て見ぬふりをし続けていると、気づいた時にはどこにも逃げ場がなくなっていた…というのは、絶望感の始まりなのだとか。
無気力と自墜落の原因に
フリードマンさんによると、絶望感に苦しむ人々は、結果としてうつ症状を呈するか自墜落な行動に走るかの2パターンに分けられる傾向があるとのこと。
「絶望感によってうつのような症状を呈する人は、無気力になり、仕事や人間関係に意欲を失い、身の回りの衛生環境にも興味を示さなくなります」
「一方で向こう見ずな振る舞いを見せる人々は、同じように無気力ですが、時々爆発するように軽率でリスクを伴う行動に走る傾向があります。例えば、過度なアルコール摂取であったり、不特定多数との性行為、そして最悪の場合、麻薬や覚せい剤などに手を伸ばしてしまう人もいます」
克服するためにできること
サポートしてくれる人を見つける
一番大切なことは、自分をサポートしてくれる人々を頼ることです。心を許せる家族や友達のサポートも大切ですが、第三者の視点から支えてくれるプロのカウンセラーが大きな助けになることも。
自分の心を開ける身内だと、“この状況は絶対よくなる”という前提で励ましてくれはしますが、決して建設的とはいえません。一方で、カウンセラーだと自分の置かれている状況や感じていることを、客観視できるような手助けをしてくれ、それが絶望感を少しずつ薄めてくれるのだそう。
しかし、フリードマンさんは、自分に合うカウンセラーに出会うには時間がかかることもあると指摘します。
「カウンセラー側のの特徴も、人それぞれ違います。そのため、初めて受けるカウンセリングが自分に合わないこともあるんです。しかし、それはあなたに問題があるわけではないので、自分に合ったカウンセラーを見つけると心をさらけ出しやすくなるはずです」
短期ゴールを決めて少しずつ前へ
大きい目標に向かって進もうとすると、さらに絶望感を抱いてしまう原因となってしまいますが、短期で達成できる小さなゴールを設定することは、絶望感を克服するために大切なこと、とフリードマンさんはアドバイス。
短期のゴールを設定する意義は、達成感をすぐに感じることができ、自分の進歩をトラッキングすることができることだそう。また、小さなステップを積み重ねることで、大きな達成を得ることができるので、今後への希望を見出す糧となるのだとか。
「小さなステップを着実に踏むことで、自分がどれだけ前に進めたかを確認することができ、もっと前に進むモチベーションにもなります」
過去を振り返る
過去に縛られることがいいのではなく、希望を持てたときの感覚を思い出しながら、何が絶望感を引き起こしたかを向き合うことが大事なのだとか。
「希望が持てた時には何がうまくいっていたのか、そしていつどのように希望を持てなくなったのかを認識することが、克服への第一歩です」
回復のプロセスは直線ではない
絶望感は消えたり現れたりするもので、回復のプロセスは始まりから終わりまで一直線ではないということ受け入れることも大切だそう。
「時には同じ場所に戻ってきたと感じるときもあれば、道を見失ってしまうこともあります。要するに、絶望感を感じなくなったと思っても再発することもあれば、前は効果のあった回復方法が急に効かなくなったと感じることもあるのです」
一向に絶望感から逃れられないと、さらに絶望してしまうこともあるかもしれませんが、前を見続けるだけでも回復への道を進んでいると考えるのが大切なのかも!
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※この翻訳は抄訳です。
Translation: Aryung Kim