第3回「しらふが怖かった」 課金ゲー、スマホ…重なった依存
昨年11月末、都内であったネット・ゲーム依存の家族会で、元看護師の男性が苦しんだ過去を打ち明けた。「スマホなしで生きていける自分に驚いた。今は仲間や居場所ができて、少しずつ現実の世界に戻りつつある」
山梨県甲斐市の回復施設「グレイス・ロード」で働く坂本拳さん(26)。スマホゲーム、ギャンブル……。複数の依存症で職も金も失い、約3年前に入所した。今は生活支援員として支える側になった。
【取材の発端は記者サロン「子どもとオンライン」の声から】 ゲーム依存は再発するか。家族はどう対応すればいいか(山梨県・40代女性)/ 一日中、スマホやタブレットを触っている。精神面で不安定になるなどの影響はあるか(神奈川県・50代女性)
気晴らしで始めたガチャ、借金の山に
京都の看護学校に通った20歳のころ、スマートフォンのゲームにのめり込んだ。多忙な実習の日々、最初はほんの気晴らしのつもりだった。
はまったのは、くじ引き要素でアイテムなどが出る課金ガチャ。クレジットカードの請求は数百円から千円、気がつくと数万円に膨らんだ。21歳で就職したときには20万円を超えていた。仕送りも終わり、親は頼れなかった。「競馬で一気に借金を返そうと焦った。今度はギャンブルがやめられなくなった」
当時の勤務先は手術室。患者の命と向き合う激務のストレスもあった。金に困るとキャッシングで数十万円を借りた。千葉の実家に黙って帰り、親のいないうちに通帳や現金を盗んだ。
「薬持ち帰って死のう」職場で葛藤
体調もおかしくなった。頭が…
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