美浜原発3号機、再稼働から4か月で運転停止…冬場に電力逼迫の懸念も
2021年10月23日 15時00分 読売新聞
2021年10月23日 15時00分 読売新聞
2021年10月23日 11時30分 読売新聞
美浜原発3号機(読売ヘリから)
関西電力は23日、美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町、出力82・6万キロ・ワット)の運転を停止した。東日本大震災後の新規制基準で義務付けられたテロ対策施設が、期限内に完成しなかったためだ。
美浜3号機は、震災後、原発の運転期間を原則40年とするルールができて以降、運転開始40年超の原発として初めて6月に再稼働したが、4か月で停止に追い込まれた。今後はテロ対策施設の建設を進め、来年10月の運転再開を目指す。
この日、美浜3号機では早朝から核分裂反応を抑える制御棒を原子炉に入れる作業に着手した。送電を止め、原子炉の運転も停止した。
これにより、国内で稼働中の原発は7基となる。本格的な冬場を迎え、電力需給の逼迫(ひっぱく)が懸念される。代替する火力発電は液化天然ガス(LNG)や原油価格の高騰で発電コストが上昇している。
政府は22日に閣議決定したエネルギー基本計画で、原発を「重要なベースロード(基幹)電源」と位置づけた。原発が総発電量に占める割合を2019年度の6%から、30年度に20~22%に引き上げる想定だ。テロ対策施設の設置遅れで停止が相次げば、政府が目標とする温室効果ガスの削減目標の達成が危うくなる懸念もある。
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