人生で一度もヤケクソになったことがない人は読まないでください あなたに今回の記事は理解できません
悪い習慣を捨てて良い習慣を継続して「自分を変える」本の実践記録の連載
まだ6週間だけど意志力を高めることができてる気がするよ!
もうどうにでもなーれ!
そうこの連載が始まるきっかけになった記事『今度こそ誘惑に勝つために意志力を高める! 『スタンフォードの自分を変える教室』』の挿絵として描いた絵だ
このときは自分の自由な時間が分散してしまって集中しにくい状況で、かつ疲労も溜まってたからかなりヤケッパチになってたんだよね
あのときの僕と同じように、「一度失敗するともっとダメになりたくなる」心理が今回のテーマだ
ニューヨーク市立大学とピッツバーグ大学の心理学者と依存症研究者の実験で、18~55歳の成人144名に携帯情報端末を配布して、飲酒記録をつけてもらった
毎朝8時にシステムにログインして、前の晩の飲酒についてどう感じているかを記録してもらう
この実験で研究者が知りたいと思っていたのは「参加者が飲みすぎてしまった翌朝にどう感じているか」
もちろん前の晩に飲みすぎてしまった人たちは、ひどい気分で目を覚ますことになる
二日酔いによる頭痛や吐き気だけでなく、多くの人は飲みすぎたことに後ろめたさを感じて恥ずかしく思っていたと記録されている
実験の記録によると、前の晩に飲みすぎたせいでひどく落ち込んだ人ほど、その日の夜もまた翌日の夜も飲みすぎていたらしい
罪悪感の反動で飲まずにはいられないそうだ
どうにでもなれ効果
さっきの実験の参加者のように、ハメを外す→落ち込む→またハメを外すという悪循環を表す「どうにでもなれ効果」という言葉がある
トロント大学の心理学者でダイエット研究者のジャネット・ポリヴィとC・ピーター・ハーマンが最初にこの言葉を使ったそうだ
この本ではポリヴィとハーマンが行った面白い実験が紹介されている
この2人の心理学者は、体重計に細工をしてダイエット中の被験者の体重が実際よりも2キロほど多く表示されるようにした
もちろんそれで体重を量った被験者たちは落ち込み、後ろめたさを感じ、自己嫌悪に陥ってしまう
ところが増えてしまった体重を減らそうと決心するどころか、うさ晴らしにやけ食いに走ってしまったんだ
どうにでもなれ効果は、どんな意志力を高めるチャレンジでも起きる可能性がある
この実験ではダイエット中の人たちが対象になっていたけど、以下のような人たちにも同じような悪循環が見られると著者は語っている
- 禁煙中の人
- 禁酒中のアルコール依存症患者
- ムダ遣いを必死に我慢している人
- 性的衝動を抑えようとしている児童性的虐待者 など
おい最後のやつ
それはともかくこうした意志力を高めるチャレンジをしている人がチャレンジに失敗してしまって落ち込んでいるとき、最もカンタンで手っ取り早く気晴らしする方法は、落ち込む原因をつくったまさにそのものなんだ
- ポテトチップス2~3枚つまむつもりが、「まぁいっか、どうせもう食べちゃったんだし」といつのまにか油でベトつく空き袋に残ったカスまでつまんでいた
- 最初はカジノですっただけのはずが、「どうせ負けてるんだ、いっそ取り返すために」といつのまにか一世一代の大勝負に出る
つまり「どうせ○○なんてもうパーだ! こうなったらとことん楽しんでやる!」という心理になってるワケだね
でも結局また罪悪感の悪循環に陥るだけで、気晴らしにやっていることにはその悪循環を断ち切る力はないんだ
マイクロスコープ:つまずいたとき自分に「何」を言っていますか?
今回の課題はマイクロスコープが1つ、そして意志力の実験が1つある
まず最初は、各章で説明するポイントが自分の生活にも当てはまることに気づくための課題、マイクロスコープ
今回のマイクロスコープは「失敗したときに自分でどう思っているか」を観察すること
今週は、意志力の問題で失敗したとき、自分がどんな態度を取っているかをよく観察しましょう
自分を厳しく批判したり、「おまえなんか絶対に変われるもんか」なんて自分に向かって言ったりしていませんか?
失敗したのは自分の欠点のせいだ(だらしなくてバカで欲深くて能ナシだから)なんて思っていませんか?
絶望したり、罪悪感をおぼえたり、恥じ入ったり、怒ったり、打ちのめされたりしていませんか?
つまずいたのを言い訳に、さらに自分を甘やかそうとしていませんか?
思い出すのは1日でもエクササイズを休むとポイントがリセットされるアプリを使って運動していた頃のこと
60日くらい続けていたんだけど、ある日どうしても仕事の都合でエクササイズを開始するのが日付が変わる数分前になってしまった
日付が変わる前にスタートしたからOKだと思っていたら、エクササイズ完了後にポイントがリセットされていて、「あーもういいや、やーめた」ってなってアプリを削除してしまったことがある
あのときは絶望したし、怒ったし、打ちのめされた
昼間空いた時間で運動しとけばよかったと自分を責めもしたなぁ
ドラクエはあれだけセーブデータが消えても何度も最初からやり直してたのになあ
つまずいたのを言い訳に自分を甘やかそうとしちゃったんだろうか
でもブログの更新を予定通り継続できなかったときは、そういった自己批判の気持ちはなかったな
冷静に客観的に失敗した原因を探って仕切り直そうとしていた
まあエクササイズのアプリを削除したのは5年くらい前の話だし、それから色々と経験して「うまくいかないとき」の対処法を自然と身につけられてたのかもね
なぐさめの言葉で「どうにでもなれ効果」が緩和される
意志力を高めるチャレンジに失敗したとき、この「どうにでもなれ効果」から意志力を守るためのヒントとなる実験がこの本の中で紹介されている
ルイジアナ州立大学の心理学者クレア・アダムズと、デューク大学の心理学者マーク・リアリーは、体重に気を付けている若い女性たちを研究室に集めた
そして科学の名のもとにドーナツとお菓子を彼女たちに食べさせるという実験を行った
ただ食べさせるだけでなく、お菓子を食べさせたあとでなぐさめるというのがこの実験のポイント
罪悪感による「どうにでもなれ効果」で自制心を失ってしまうのなら、罪悪感とは逆の感情は自己コントロールの助けになるかもしれない、と考えたんだね
参加者の女性たちには、あらかじめ説明が行われて、実験は2種類あることが告げられる
1.食べ物が気分に与える影響を調べる実験
すべての女性にシュガーシロップをかけたドーナツか、チョコレートドーナツのどちらかを選ばせ、4分以内に食べ終えてもらう
またグラス1杯の水も飲み干すよう指示されていたんだけど、これは腹を膨らませるため(腹のあたりがきつく感じると罪悪感が生まれやすくなるらしい)
たぶん4分以内と制限時間を設けているのは、ゆっくり味わって食べないようにだね
『意志力を高めるのはいったん置いといてあえて誘惑に負けてみた』で学んだことの逆をあえてやらせたってわけだ
そしてドーナツを食べてどんな気分になったか調査用紙に記入してもらった
2.いろいろな味のお菓子の試食
2つ目の実験では、参加者は2つのグループに分けられた
Aグループの女性たちには、試食を始める前に罪悪感を和らげるような温かい言葉がかけられた
- 「参加者の方々のなかには、ドーナツを丸ごと食べたせいで罪悪感を覚える方がよくいるんです」
- 「あまり自分に厳しくしないように」
- 「誰だって時には自分を甘やかすこともあるってことを、忘れないでくださいね」
と、こんなカンジに
いっぽうBグループの女性たちには特にそういった言葉はかけられなかった
実験の結果
さていよいよ実験もクライマックス、各参加者の前にはお菓子の入った大きなボウルが3つ並べられた
そしてそれぞれのお菓子を食べて味を評価するように指示されたんだ
最後にボウルの重さを量り、試食後に各参加者が食べたお菓子の量を割り出したところ、温かい声をかけられたAグループは28グラム食べていた
そして何も声をかけられなかったBグループは70グラム近く食べていたそうだ
この実験では、温かい言葉で罪の意識が取り除かれたことによって、Aグループの女性たちは次の試食で食べ過ぎることがなかったのだと結論づけられている
自分に厳しくしても意志力を高めることはできない
さっきの実験を見てわかったと思うけど、「意志力を高めるには、自分にもっと厳しくするしかない!」と考えるのは間違いだ
ツイッターでも「意志が弱い!自分はなんてダメなやつだ!もっとしっかりしなくては!」と自分に厳しい言葉を浴びせて反省している人をよく見る
自己批判は常にモチベーションの低下や自己コントロールの低下を招くことを覚えておこう
そして自己批判はうつ病の最大の予兆で、うつ状態では意志力の「やる力」「望む力」が失われてしまうんだ
これに対して自分を励まし、自分に優しくすること──つまり自分への思いやりは、やる気の向上や自制心の強化につながるんだよ
カナダのオタワにあるカールトン大学で行われた、自己批判と意志力の関係についての実験を紹介しよう
この実験では、カールトン大学の学生たちが勉強を先延ばしにする様子を学期の最初から終わりまで記録している
学期の最初の試験では多くの学生がギリギリまで試験勉強を始めなかった
このとき直前まで勉強しなかったことで自分を責めた学生たちは、自分を許した学生たちに比べて、その後の試験でもやはり勉強を先延ばしにする傾向が見られた
罪悪感を抱くよりも自分を許すほうが責任感が増す
自分に思いやりをもって振り返った場合のほうが、自分を厳しく批判した場合よりも「失敗したのは自分のせいだ」と認めやすくなる
またそのほうが他人の意見やアドバイスに対しても進んで耳を貸せるようになり、失敗の経験から学ぶことも多くなる
失敗したのは自分のせいだって認めたくなかったし、「もういいよ!やーめた!」って投げ出してしまったのは失敗から何も学ぼうとしてなかったってことだもんね
自分を許すことで失敗から立ち直れる理由
自分を許すことによって、恥の意識を感じたり苦しむことなく事実をありのままに見つめられるようになる
そもそも罪悪感や自己批判に悩まされなければ、失敗したあとに感じるイヤな気持ちから逃れようとする反応──つまり「どうにでもなれ効果」を起こす必要もない
「どうして失敗したか」について考えるのがずっとラクになって、同じ失敗を繰り返さないようになる
客観的な引きの視点で「なぜ失敗したのか」「どうすれば失敗を防げたのか」と冷静にシューティングすることで、「じゃあそれを踏まえてもういっかいやってみよう」とリスタートできる
このブログが今のところ2カ月連続で月~金に毎日更新できているのも、何度か失敗した反省点をちゃんと活かすことができているからだと思う
意志力の実験:失敗した自分を許す
今回2つ目の課題は、科学的な研究や理論にもとづいて自己コントロールを強化するための実践的な戦略、意志力の実験
今回は「失敗した自分を許す」ことを実践してみよう
誰でもまちがいを犯したり、失敗したりします
でも、そのあとどう対処するかのほうが、まちがえたり失敗したことよりもはるかに重要です
そこで失敗したときに自分にもっと思いやりをもって接することができるよう、心理学者が用いるエクササイズを紹介します
研究結果が示しているとおり、自分に対して思いやりをもつことで罪悪感が和らぎ、自分自身に対する責任感が増すのです──これは、意志力のチャレンジで失敗しても、気を取り直してがんばるには望ましいことです
では、あなたが誘惑に負けた、あるいはやるべきことを先延ばしにしたときのことを具体的に1つ思い出し、そのときの失敗について以下の3つの方法で考えてみてください
失敗したときには、次のような考え方を思い出すことで、罪悪感や恥の意識に苛まれたあげく失敗を繰り返すという負のスパイラルに陥らないようにしましょう
僕が具体的に1つ思い出してみるのは、このブログの記事を予定通りに更新できなかったときのこと
『読書の力で”時間を自分の思うとおりにできない”問題を解決する─1.解決法の探索編』や『今度こそ誘惑に勝つために意志力を高める! 『スタンフォードの自分を変える教室』』の記事を書いた頃だ
(1)どんな気持ちがしますか?
その失敗を思い出しながら、どんな気持ちがするか言葉にしてみましょう
胸のなかにどんな思いがありますか?
体はどのように反応していますか?
その失敗の直後どのように感じたかを思い出せますか?
どんな感じがしたでしょう?
自己批判の気持ちはありますか?
もしあるとすれば、どんな言葉で自分を批判しているでしょうか?
このように落ち着いて考えていけば、逃げたりせずに自分の心のなかを見つめられるようになります
このとき僕はこんな風に記事に書いていた
突発的に予定外の仕事が発生したり、土日の時間の使い方も自分の思い通りにいかないことが続いていて、フラストレーションを感じる
このブログでも何度も書いているんだけど、継続が途切れてしまって困る
基本的には自分の自由な時間をまとめられない環境的な要因が大きくて、以前の連載から実践している音声入力も含めてアレコレ工夫しながらやっているんだけど、どうも最近は疲労のせいもあって誘惑に負けっぱなしだ
自分以外の要因でブログが予定通り更新できなかったことに対してフラストレーションを感じていたらしい
オレってけっこう他人のせいにするヤツだったんだな!笑
でもまあ意志力を高めるという意味では自己批判よりも全然いいみたいだ
(2)人間だもの
意志力のチャレンジでは、誰でももがき苦しんだり、理性を失ってしまったりすることがあります
でも、それだって人間ならば当たり前のことで、とくに自分自身に問題があるせいではありません
よく考えればその通りだと思いませんか?
あなたが好きな人や尊敬する人で、同じように苦しんだり失敗したりした経験のある人はいないでしょうか?
そんなふうに考えてみれば、自分を批判して自信をなくすようなことが減るかもしれません
この部分、原著ではなんて表現されてたのか気になるな……
だってこのみつをネタ、確実に訳者がぶっこんできたやつでしょ
まあそれは置いといて、誰か「ブログを書き続けられない!」って悩んでた人いたかなぁ……うーんちょっと思いつかないや
でもまあ更新が途切れちゃったときに「本業を優先してるし仕方ないな!」って開き直ったのは覚えてる
(3)友だちには、どんな言葉をかけますか?
親しい友だちが同じような失敗をしたら、どんな言葉をかけてあげたいか考えてみましょう
どんなことを言って元気づけたいと思いますか?
友だちが失敗にめげずに目標に向かって進んでいけるように、あなたならどうやって励ましますか?
このように考えれば、気を取り直して、またがんばることができるでしょう
僕けっこうドライなほうだし無責任に「がんばれ」とも言えないタイプの人間なんだよね
だから結局は「何が問題だったのか」を分析してコンサルティングしちゃう
まとめ:自分を責めない
人は意志力を高めるチャレンジでつまずくと「どうにでもなれ効果」でもっとダメになる悪循環に陥ることがわかった
自分を責めて自己批判すると「どうにでもなれ効果」が発生してしまうことは実験の結果からも明らかだ
『あなたの意志が弱い理由は罪のライセンスだった』に出てきたモラル・ライセンシングにも関連してるので、やはり意志力を高めるためには物事を道徳上の問題にして善悪の判断をしないよう心がけよう
次回予告:決意するだけで満足してしまう人たち
三日坊主以前に「何かしようと決意するだけ」で満足してしまって結局具体的には何も行動しなかったことってないかな?
次回は「変わろうと思うだけ」の繰り返し、「いつわりの希望シンドローム」について学んでいこう
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